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2023.12.18 13:21:42

HPV検査、子宮頸がん検診に来年4月導入決定…発症リスクがある人の早期発見に期待

 厚生労働省は、市区町村が実施する子宮 けい がん検診に、がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を調べる検査を来年4月から導入することを決めた。30~60歳を推奨する対象に設定した。導入するかは自治体の判断次第で、準備が整ったところから順次始める。18日の有識者検討会で了承された。

子宮頸がんは性交渉によるHPVの感染が主な原因だ。新たに加わる「HPV検査」は、子宮の入り口近くから細胞を採取し、細胞がHPVに感染していないかを調べる。がん発症のリスクがある人を早期に見つけられる利点がある。

 子宮頸がん検診は20歳以上の女性が対象で、がん細胞などの異常の有無を調べる「細胞診」という検査法が実施されている。自治体がHPV検査を導入する場合、20~29歳には従来通り細胞診を行い、30歳から切り替える。

 HPV検査で「陰性」と判定された人は、次回は基本的に5年後となり、2年に1回受ける細胞診と比べ、受診者の負担は軽くなる。ただ、「陽性」と判定されれば細胞診を行い、異常が見つからなくても発症のリスクが高いため、1年後に検診を受ける。

2023.12.18 13:18:37

市販薬のオーバードーズ防止へ、20歳未満に大容量・複数個の販売禁止方針…依存性ある成分の品目

厚生労働省は18日、20歳未満に風邪薬などの市販薬で乱用の恐れがある薬を販売する場合、大容量や複数個の販売を禁じる方針を決めた。若者を中心に市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)の問題が広がっているため、対策を強化する。専門家部会での議論を経て、2025年までに医薬品医療機器法(薬機法)を改正したい考えだ。

18日に開かれた別の有識者検討会で規制強化案が了承された。

 対象は、医師の処方箋なしに薬局やドラッグストアなどで購入できる市販薬のうち、依存性のある6種類の成分を含むもので、約1500品目あるとされる。

 対策では20歳未満は小容量の製品1箱のみとする。1箱でも対面かオンライン通話での販売を義務づけ、身分証による本人確認のほか、副作用などの説明を必須とする。繰り返しの購入かどうかを見分けるため、販売記録を保存する。

 20歳以上でも、複数個や大容量の場合は、対面かオンライン通話での販売を求める。ただし、小容量の1個については、ネット販売を認める。

危険ドラッグの規制が強化された14年以降、若者の間で、市販薬を過剰摂取するケースが広がっている。国立精神・神経医療研究センター(東京都)の調査では、薬物依存症で治療を受けた10歳代の患者のうち14年までは市販薬を使うケースはなかったが、22年には65%まで増えた。

 厚労省は現在、乱用の恐れがある薬について、中高生に販売する場合、氏名や年齢を確認するよう店側に求めているが、徹底されていない実態がある。厚労省の担当者は「最近は過剰摂取の問題が深刻化しており、法改正を待たずに導入できる対策は前倒しで実施する」としている。

2023.12.16 00:37:00

精神科のオンライン診療、対面と同等の治療効果…研究チーム「通院困難な人が受診しやすくなる」

精神科でのオンライン診療は、対面診療と同等の治療効果があるとの研究結果を、慶応大などの共同チームが発表した。治療の継続率や患者の満足度にも大きな違いはなかった。精神科におけるオンライン診療の有効性を裏付ける国内初の研究という。

論文が16日、国際医学誌に掲載された。研究には慶応大など国内19の医療機関が参加。うつ病、不安症、強迫症の患者計199人を「オンライン診療と対面診療を併用」と、「対面診療のみ」の2グループに分けて、24週間の治療を行った。治療効果を点数化して比較したところ、治療成績は同等だった。

オンライン診療は2020年4月から、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、初診から利用できるようになった。しかし精神科では他の診療科と比べて診療報酬が低く抑えられていることなどから、ほとんど利用されていないという。

研究代表者の岸本泰士郎・慶大特任教授は「オンライン診療が広がれば、精神科にかかりにくいと感じている人や、症状によって通院が難しい患者が受診しやすくなる」と話す。

 日本遠隔医療学会理事で、「こどもとおとなのクリニックパウルーム」(東京)の黒木春郎院長は「精神疾患をオンラインで診ても効果があると確認できた研究だ。精神疾患の患者が利用することで、通院の負担が軽減し、医師と話がしやすくなることもある」と話している。

2023.12.16 00:35:00

中国など6か国からの訪日外国人、滞在予定3か月超は入国前の結核検査を義務付けへ

政府は2024年度から、日本に中長期の滞在を予定し、アジア6か国から訪れる外国人を対象に、結核を発病していないかを入国前に調べる検査を義務づける方針を明らかにした。海外から結核患者の流入を防ぐ狙いで、発病していないことを証明する書類がなければ入国を認めない。当初は東京五輪・パラリンピックの開催に合わせ、20年7月に導入予定だったが、コロナ禍で延期されていた。

対象国はフィリピン、ベトナム、インドネシア、ネパール、中国、ミャンマーの6か国で、日本滞在中に診断された外国人の結核患者の約8割を占める。感染拡大のリスクが高い3か月超の滞在予定者に限定し、日本政府が指定する現地の医療機関で胸部エックス線などの検査を受け、発病していないことを示す証明書の交付を受けてもらう。提出しないと、ビザ(査証)は発給しない。

 日本は22年の新規患者数が1万235人で、人口10万人あたり8・2人まで減少し、世界保健機関(WHO)が「低 蔓延まんえん 国」の基準とする10人を2年連続で下回った。長年、蔓延国と位置づけられてきたが、近年は保健師らによる服薬指導などの対策強化やコロナ禍の影響で患者が減少し、ようやく欧米並みとなった。一方で、新規患者の約1割を外国人が占めていることから水際対策を強化する。

人口10万人あたりの患者数は、フィリピンが638人、ミャンマー475人、インドネシア385人など、対象国は現在も結核患者が多い。留学生や技能実習生など中長期の滞在予定者は、コロナ禍で新規入国が激減したが、22年3月から入国が可能になり、今後も増加が見込まれている。

 日本滞在中に診断される外国人の結核患者は若者が多く、「多数に感染させる可能性が高く、日本で発病して感染を広げないようにする必要がある」(厚生労働省の担当者)という。米国や英国、カナダ、豪州、韓国などでは同様の入国前の検査を実施している。

 政府は具体的な導入時期について関係各国と調整を進めており、「24年度中のできるだけ早期に導入し、感染を抑え込むため警戒を強めたい」としている。

  ◆結核= 患者のせきやくしゃみに含まれる結核菌を吸い込むことで感染する。感染しても発病するのは10人中1~2人とされる。せきやたん、微熱などが長く続くのが特徴で、体のだるさや食欲不振を伴うことがある。医師は診断した全ての患者を保健所に届け出る。

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