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2025.02.14 15:41:31

生まれつきの難聴を早期発見へ、母子手帳にサイトメガロウイルス感染症の検査記入欄を新設

 こども家庭庁は4月、生まれつきの難聴の原因となる「先天性サイトメガロウイルス感染症」を早期発見する自治体の体制を強化する。母子健康手帳に、感染を調べる検査結果の記入欄を新たに設け、難聴が疑われる子どもがこの検査を受けたかを保健師らが確認できるようにする。

 サイトメガロウイルス(CMV)は、ウイルスを含む唾液や尿などを介して感染する。健康な人が感染しても多くは無症状だが、妊娠中に感染すると、胎児に感染し、難聴や発達の遅れなどが起こるリスクがある。新生児の0・3%が先天性CMV感染症だったとの報告がある。

 早期発見の手がかりの一つが新生児聴覚検査だ。全ての新生児が、おおむね生後3日以内に受ける。難聴の可能性が判明した新生児には、CMVの感染を調べる尿検査が推奨されている。生後3週間以内の実施が望ましいが、医療関係者にも認知度が低く行われず、CMVの感染が見逃されているケースがある。

 このため同庁は新年度から発行する母子健康手帳に、尿検査の日付や結果の記入欄を新設。自治体の保健師らが、母子の自宅を訪問し、授乳などを指導する際、難聴が疑われた新生児が尿検査を受けたか確認するよう求める。必要に応じ、医療機関の受診を促すなど支援する。

 先天性CMV感染症は、子どもの難聴の原因では、遺伝性に続き2番目に多い。2023年、初の治療薬が登場した。生後2か月以内の治療開始が望ましい。CMVに詳しい日本大学板橋病院小児科の森岡一朗教授は、「母子手帳に記載されることをきっかけに、妊婦や医療関係者に、速やかに治療すれば、聴力を改善する可能性もあることなどCMVへの理解が広がることを期待している」と話す。

2025.02.14 14:14:25

鉛製給水管なお203万件…20年前に全廃目標、水道管から溶け出し腹痛や神経のまひの恐れ

 家庭などに水を供給する給水管のうち、健康被害を及ぼす恐れのある「鉛管」(鉛製給水管)について、国が2004年に早期全廃の目標を掲げたにもかかわらず、23年3月時点で約203万件(上水道の契約数ベース)残っていることが日本水道協会(東京)の調査でわかった。専門家は、国や、自治体など水道事業者が住民に交換の必要性などを強く周知すべきだと指摘している。

 鉛を過剰摂取すると腹痛や神経のまひなどの症状が出る。鉛管はさびにくく、国内では1980年代まで広く使用されていたが、鉛が溶け出す恐れがあり、国は2004年に策定した「水道ビジョン」で「早期ゼロ」を打ち出した。

 同協会は05年度から全国に残っている鉛管を集計しており、06年3月時点は約508万件だった。直近の23年3月時点は約203万件で、全契約数(約5933万件)の3・43%。都道府県別で最も割合が高かったのは香川県で、約12万件と県全体の27・75%を占めた。

 浄水場からつながる給水管のうち、幹線部分の鉛管は各自治体が計画的に取り換えているが、家庭などに枝分かれする部分は大半が住宅敷地に埋設され、住民らが自己負担で交換する必要がある。枝分かれ部分は設置記録が残っていないケースも多く、水道事業者の2割弱は残った鉛管の有無も把握できていないという。

 水道事業に詳しい北海道大の松井佳彦・名誉教授(環境リスク工学)は「国が改めて交換の必要性を強く周知し、手引を更新して事業者に配布して機運の醸成を図るべきだ」と話す。

 水道管から溶け出した鉛による健康被害も出ている。山口県の30歳代男性は、山口市のアパートに住んでいた17年末、吐き気や下血が続いて入院。同市上下水道局が調べると、台所などの水から基準値の40倍を超える鉛が出た。

 男性は両手のしびれや 倦怠けんたい 感などに悩まされ、アパートの大家を相手取り、損害賠償を求めて提訴。山口地裁は22年10月の判決で「症状は水道管から溶出した鉛に起因するものと合理的に推認される」と認定し、大家側に約700万円の支払いを命じた。男性は車いす生活を余儀なくされており、取材に「日本の水道水は安全だと信じていた。『まさか』と思った」と明かした。

2025.02.13 12:55:52

10~12歳児の肥満傾向が増加…コロナ禍で小学校低学年、自宅にこもって遊ぶ生活習慣など影響か

 文部科学省が12日に発表した2024年度学校保健統計調査で、肥満傾向とされた10~12歳の子どもの割合がコロナ禍前より増えたことが分かった。専門家は「自宅にこもって遊ぶなど、身についた生活習慣が影響している可能性がある」と指摘している。

 調査は、全国の5~17歳から64万9142人を抽出して行われた。

 小学校低学年のときにコロナ禍を経験した10~12歳のうち、肥満傾向とされた割合は、10歳が10・96%、11歳が11・55%、12歳が11・17%だった。コロナ禍前の19年度調査に比べ、それぞれ1・39ポイント増、1・55ポイント増、1・31ポイント増だった。一方、16歳で肥満傾向とされた割合は8・90%、17歳で9・16%で、19年度調査(それぞれ8・92%と9・29%)とほとんど変わらなかった。

 調査の統計分析アドバイザーを務めた衛藤隆・東京大名誉教授(学校保健)は、「低年齢で身についた生活習慣は改めにくい。小児期の肥満は、若年で生活習慣病を発症するリスクを高めるため、低学年でコロナ禍を経験した子どもたちの健康は今後も注視する必要がある」と話している。

2025.02.13 10:41:45

高額療養費制度の負担上限額引き上げ、福岡厚労相が患者団体に見直し意向を伝達…「長期療養」の負担軽減

 福岡厚生労働相は12日、医療費が高額になった場合に患者負担を抑える「高額療養費制度」の負担上限額の引き上げを巡り、がん患者団体などと面会し、政府方針の一部を見直す意向を伝えた。長期治療が必要な人の負担を軽減する「多数回該当」の仕組みでの軽減策を検討している。

 福岡氏は面会で、「長期療養する方の負担感を含め、現場の声を聞いた上で、今後の見直しのあり方を考えていく」と述べた。厚労省側は面会で具体的な修正案は示さなかったが、上限額を引き上げる方針は維持しつつ、直近12か月で6回、月の上限額を超えた場合、7回目以降は負担を軽減する案を検討している。

 一方、患者団体側は、政府方針そのものの凍結を求める要望書と上限額の引き上げに反対する約13万5000人分の署名を手渡し、「負担増は患者の治療断念につながり、命の危険にさらされる」と訴えた。

 高額療養費制度は、窓口負担が上限額を超えた場合に、差額分を健康保険組合などが患者に給付する仕組みだ。政府は2025年8月から27年8月にかけて、年収ごとに区分されている上限額を段階的に引き上げる方針を昨年12月に発表した。年収約650万~約770万円の場合、直近12か月で3回、月の上限額を超えると、4回目以降の自己負担の上限額は現在4万4400円に抑えられているが、27年8月からは7万6800円に増える。

 面会後に記者会見した全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は「今回の上限額の引き上げには問題が多い。いったん凍結してほしい」と語った。

2025.02.12 19:22:21

診療所の半数「後継者いない」…医師不足地域の承継や開業に補助金、偏在対策で厚労省が補正予算

 医師が不足する地域を対象に、厚生労働省が診療所の承継や開業の支援事業を始める。高齢医師の引退や後継者不足により、2040年には全国の自治体の2割で診療所が消滅するとの試算もある中、診療所の建物や設備の整備費、人件費を補助する。都市部に医師が集中する偏在解消の観点から、24年度の補正予算に102億円を盛り込んだ。

 事業費は、厚労省と都道府県が出す。都道府県が、偏在対策を重点的に進める区域を指定し、全国の医師に重点区域内の診療所の承継や新規開業を募集する。

 都道府県の呼びかけに応じた医師には、建物の改修、医療機器の更新に関する費用の一部を補助する。医師や看護師の人件費やマスク、アルコール消毒液など消耗品の購入費の一部も、区域内での診療が軌道に乗るまでの一定期間、補助の対象とする。

 厚労省によると22年時点で、診療所がない市区町村は77にのぼる。今後、全国の診療所の医師が75歳で引退し、承継や市区町村内での開業がないと仮定した試算では、40年には4・4倍の342になる。全市区町村の2割に相当する。診療所が1か所のみの市区町村は175から249に増える見込みだ。

 民間信用調査会社の帝国データバンクのまとめでは、24年に、診療所の休廃業・解散は587件で、比較可能な00年以降、過去最多を記録した。同社は、「増加している最大の要因は、経営する医師の高齢化」と分析している。

 日本医師会総合政策研究機構の19年調査では、全国の診療所の半数が「現段階で後継者候補はいない」と回答した。山形県米沢市で田中クリニックを開業する田中雄二院長(68)も、体力の衰えに不安を感じ、後継者を探しているが難航している。1日60~80人が受診、外来の合間に訪問診療も担う。

 同県は、医師の充足度を示す医師偏在指標でワースト8位となっている。田中院長は「近隣の開業医も高齢で、このままでは地域住民を診る医師がいなくなる恐れがある。経済的な支援で、後継者が見つかることを期待する」と話す。

 厚労省は、重点区域で働く医師の手当の増額や、都市部で働く中堅・シニアの医師に、医師が不足する地域の医療機関を紹介する事業も始める。補助事業と合わせ、都市部の医師が地方に赴任しやすい環境を整える。

2025.02.12 13:48:01

自殺未遂者の症例登録、救命救急センターの25%のみ…不参加理由「多忙」「メリットなし」

 救急搬送された自殺未遂者のデータを収集する「レジストリ(症例登録)制度」を巡り、2022年12月の運用開始後、厚生労働省などから協力要請を受けた全国の救命救急センター307機関のうち25%(76機関)しか参加していないことが、厚労省の関連団体への取材でわかった。国は収集データを分析し、自殺対策に生かす考えだが、「症例数が不十分」との声も上がる。(森安徹)

 国の統計によると、自殺者数は20年以降、2万1000人前後で推移。23年は2万1837人だった。少なくとも約2割に未遂歴があり、自殺未遂者は再び自殺を図るリスクが高いとされる。だが、全国的な統計はなかった。

 国は「自殺総合対策大綱」で未遂者の再発防止を重点施策に掲げる。世界保健機関(WHO)は「自殺予防の中核的要素」として各国にレジストリ制度を要望している。

 これを受け、厚労省は22年12月に制度を導入。実際の運用は、国の交付金で自殺対策の調査研究にあたる厚生労働大臣指定法人「いのち支える自殺対策推進センター(JSCP)」と日本臨床救急医学会が担っている。厚労省を含む3者が制度導入前、連名で全国全ての救命救急センターに対し、制度への参加を依頼する文書を出した。

 JSCPによると、2年が経過した昨年末時点で、参加は76機関となっている。

 読売新聞は昨年4~7月、全国の救命救急センターにアンケート調査を実施。回答が得られた59機関のうち47機関が制度に不参加とし、理由に「業務多忙で登録作業が負担」「無報酬なので、参加するメリットがない」などを挙げた。

 制度では、救命救急センターが患者の年齢や性別、自殺を図った手段、過去の未遂歴、精神科の受診歴など約30項目を入力。24年末までに登録された症例は約4300件だった。

 JSCPなどが昨年9月に公表した報告書では「結果の解釈には、参加率が約2割にとどまっている点に留意が必要」と記載され、今後の課題に参加率の向上が挙げられた。厚労省は毎年度、救命救急センターに補助金を支給しており、金額の算定根拠となる評価項目にレジストリ制度参加の有無を盛り込むことを検討している。

 レジストリ制度の構築に携わった帝京大の三宅康史教授(救急医学)は「全体像を明らかにするため、残る230以上の救命救急センターに未遂者対策の重要性を周知する必要がある」と指摘する。

 ◆ 自殺未遂者のレジストリ制度 =搬送された自殺未遂者の年齢や性別、自殺を図った手段などを救命救急センターが入力し、厚生労働省の関連団体と共有する。未遂者の氏名や住所などの個人情報は含まれない。海外ではイギリスやベルギーなどが導入している。

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2024.01.30

PRタイムズへのプレスリリース開始

1月30日より、PRタイムズにてe-doctor PRESSのプレスリリースを掲載しております。本サイトリリースに至る経緯やサイトのコンセプトなどの詳細を記載しておりますので、ぜひご覧ください。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000134188.html

2024.01.18

令和6年能登半島地震について

元日に発生した令和6年能登半島地震に被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。 今も度重なる余震が続き、皆さまのご無事を心からお祈りします。 被災された地域において、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

2023.12.29

年末年始のお知らせ

拝啓 師走の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

さて、株式会社リンクスタッフでは年末年始の休業日につきまして、下記のとおり休業日とさせていただきます。
皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承いただきますようお願い申し上げます。

敬具

■年末年始休業日
2023年12月29日(金)~2024年1月3日(水)

※2024年1月4日(木)より、通常営業を開始いたします。
※お問い合わせにつきましては、2024年1月4日(木)以降ご連絡させて頂きます。

2023.12.28

サイトリリースのお知らせ


平素は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございます。

この度、株式会社リンクスタッフは医学生・若手ドクター向けのコンテンツサイト「e-doctor PRESS」を公開いたしました。

医学生・ドクターの皆様へのサービス向上に努めるべく、コンテンツの充実をはかってまいりたいと存じます。
今後とも、どうぞ宜しくお願い申し上げます