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2024.11.08 20:01:21

生成AIでがんを効果的に攻撃する免疫細胞を「デザイン」、短期間での治療法開発に期待…NECなど

 NECなどの研究チームは、独自の生成AI(人工知能)技術を活用して、がんを攻撃する力の強い免疫細胞を新たに作製することに成功したと明らかにした。AIで免疫細胞の遺伝子配列をデザインすることで、効果の高いがん治療法を短期間で開発できると期待される。チームが7日、米国がん免疫療法学会で発表した。

 体内でがんができると、免疫細胞の一種「キラーT細胞」が、がん細胞の表面にある物質を目印として認識して攻撃する。しかし、効果的に攻撃するキラーT細胞が体内で作られないと、がん細胞は増殖する。特定のがんを攻撃する免疫細胞を培養して体外から投与する治療法は近年、注目されているが、効果の高い免疫細胞を選ぶのは困難だった。

 チームは、文章を作り出す生成AIの技術を応用し、T細胞の遺伝子配列を生成するAIを開発した。実際に皮膚がんの細胞に対し、結合力の高いT細胞を作製できることを確認したという。遺伝子配列を変えれば、別の種類のがんを攻撃するT細胞になるという。

 作製したT細胞の効果を確認する実験を行った愛知県がんセンターの松下博和・分野長(腫瘍免疫学)は「今回の成果は、AIを活用した革新的ながん免疫療法の開発への第一歩となると考えられる」と指摘している。NECの森大輝・AI創薬統括部主任は「今後さらにAIの性能を上げるとともに、製薬企業と共同して新たな治療法の開発を進めたい」と話している。

2024.11.08 19:58:46

「年収103万円の壁」見直しなど要望…国民民主が自民と初の政策協議

 自民、国民民主両党は8日午前、国会内で政策協議の初会合を開いた。国民民主は「年収103万円の壁」の見直しなど、手取り増の方策を自民に要望した。両党は、双方の税制調査会長を交えた協議を来週にも行うことで一致した。

 協議には、自民の小野寺政調会長と国民民主の浜口政調会長らが出席した。国民民主は、年収が103万円を超えると所得税が課される税制の見直しを最重視しており、基礎控除などを178万円に引き上げるよう主張した。今年度中から何らかの措置を講じることも求めた。

 両党は、政府が月内にとりまとめる総合経済対策についても議論を交わした。国民民主は、ガソリン減税や防災拠点となる体育館へのエアコン設置、地震や豪雨被害を受けた能登半島の被災地支援策、電気・ガス代の引き下げなども訴えた。

 会合後、小野寺氏は記者団に「(経済対策について)追加で様々な要請があるということなので、しっかりと聞いていきたい」と語った。浜口氏は「前倒しでできるものはしっかり求めていきたい」と強調した。

 公明党も8日午後、国民民主と初の政策協議に臨む。自民、公明両党は衆院選で少数与党となったことを受け、国民民主との政策協議を通じて政権維持を図る構えだ。

 与党は、国民民主との間で、経済対策の裏付けとなる2024年度補正予算案をまとめたうえで、25年度予算案の編成に向けた協議も同党と進める。政治改革についても別途協議を行うとみられる。

2024.11.06 19:36:02

「黄斑円孔」のサル、ES細胞から作った網膜シート移植で視力改善…神戸アイセンター病院など

目の網膜の中心部が欠けて視力が低下する病気「黄斑円孔」を発症したサルに、様々な細胞に変化できる人の胚性幹細胞(ES細胞)から作った網膜シートを移植すると視力が改善したと、神戸市立神戸アイセンター病院などの研究チームが発表した。iPS細胞(人工多能性幹細胞)でも可能といい、論文が国際科学誌に掲載された。

 黄斑円孔は加齢などが原因で、視細胞が密集する黄斑部に穴ができる。50歳以上の0・1~0・3%程度で生じ、男性より女性に多いとされる。

 同病院の万代道子・研究センター長らは、人のES細胞から網膜のもとになる組織を作り、直径約1ミリ、厚さ約0・1ミリのシート状に切り出した。この網膜シート1枚を、特殊な注射針を使って黄斑円孔のサルの眼球に入れ、穴があいた部分を埋めるように移植した。シートは円孔の周りの網膜とつながった。

 半年後、画面に映し出された画像をこのサルに見せると、視線が正しく画像の方を向く回数が増え、視力の改善がうかがえた。チームは、ES細胞と性質が似ているiPS細胞でも治療は可能としている。万代センター長は「将来的に難治性の黄斑円孔の治療につながれば」と話す。

  関西医科大の今井尚徳教授(眼科学)の話 「サルの目に移植しても生着が良好だったことは、臨床応用に期待が持てる結果だ。安全性や、移植したシートが機能しているかどうかについては今後も検討が必要だろう」

2024.11.06 19:29:41

救急車呼ぶか迷ったら「#7119」…レタスやダイコンの梱包にQRコード

認知度向上へスーパー協力 

 救急車を呼ぶべきか悩んだ時、看護師や医師らが電話で症状を聞いて助言する相談窓口「#7119」を多くの人に知ってもらおうと、姫路東消防署(兵庫県)は店で売られる野菜の 梱包こんぽう 袋にQRコード付きのシール(縦4・2センチ、横7センチ)を貼り付けた。専用ダイヤルの認知度を高めようと、同署がスーパーの協力を得た。

 「救急車を呼んでいいのかな?」「病院に行ったほうがいい?」「迷ったら、このダイアル!! #7119」――。スーパーのレタスや千切り大根などの袋に貼られたシールには、そんな文言が記される。

 姫路市は今年1月、ダイヤルを導入した。県内で活用するのは他に神戸市と芦屋市があり、不急の119番を減らす効果が期待されるが、広く認知されるのはこれからだ。そこで同署では、誰もが手にする野菜にシールを貼ることを企画。市内のNPO法人が経営する「ラーフ農園」(豊富町)や「ボンマルシェ」「ヤマダストアー」の協力を得て、計6店に置いてもらった。

 煙や熱を感知して音声で知らせる住宅用火災警報器をPRするシールもあり、QRコードを読み込むと避難所の位置を示すハザードマップや火災発生状況などを知らせる市のLINE公式アカウントや、ホームページに飛ぶ。

 各店内に置くのは今月いっぱい。担当者は「市民に知っていただきたい情報も入手できる。有効に活用して」と効果に期待している。

2024.11.05 11:29:00

中堅・ベテラン医師の「総合的な診察能力」習得を支援、地方勤務も促し偏在改善へ…厚労省

 厚生労働省は2025年度、中堅以降の医師に総合的な診療能力を習得してもらうための学び直しの支援事業を始める方針を固めた。幅広い病気を診られる医師を増やし、医師不足が深刻な地方での勤務を促すことで、医師偏在の改善につなげる考えだ。

 総合的な診療能力を持つ医師は様々な症状の患者を診察し、必要に応じて専門医を紹介する。高血圧や骨粗しょう症、白内障などいくつもの持病を抱える高齢者の割合が高い地方では特にニーズが高まっている。

 支援事業の対象は、各診療科で働く中堅やベテランの医師ら。大学病院や大病院の勤務医らには、開業や定年後を見据えて総合的な診療能力を持つことが強みになる点をアピールするなど、それぞれの事情を踏まえ学び直しを促す。

 希望者には、総合診療の経験豊富な医師らから、オンラインなどを通じて多くの領域の知識や診療のポイントを学ぶ研修の機会を提供する。指導的な立場の医師の助言を得ながら、総合診療の経験を積める中小病院や診療所も紹介する。病院団体や学会などが実務にあたる。

 国内では専門医の認定を担う日本専門医機構が総合診療専門医の育成を進めてきた。ただ、研修や試験を経て認定されるのは若手を中心に年数百人にとどまる。

 厚労省は、都市部の大病院で特定の臓器や病気を診療してきた専門医が、学び直しにより幅広い領域を診られるようになれば、地方で勤務しやすくなるとみる。支援事業で一定の技能を習得した医師らに、医師不足が深刻な地域の医療機関を紹介することも検討している。

2024.11.01 19:24:42

さいたま市立中学の元校長が元教頭に「恥かかせんじゃねえ」と罵倒…地裁がパワハラ認定、市に賠償命令

 勤務校の校長からパワーハラスメントを受けて適応障害を発症したとして、さいたま市立中学校の元教頭の男性(52)がさいたま市に慰謝料など約921万円の支払いを求めた訴訟の判決が10月30日、さいたま地裁であった。田中秀幸裁判長は訴えの一部を認め、市に約482万円の支払いを命じた。

 訴状などによると、男性は2021年4月から同校に教頭として勤務。22年4月に赴任してきた元校長(60)に「俺に恥かかせんじゃねえ」「教頭の仕事を全く分かっていない」などと言われたり、校長室に呼びつけられて長時間 叱責しっせき されたりした。男性は同年5月頃に適応障害などの診断を受け、その後、市教育委員会から休職を命じられ、23年9月に退職した。

 判決は、校長が絶対的な上下関係のもと、男性を 執拗しつよう に追及したり、罵倒したりしたとパワハラを認定。調査を行った市教育委員会がパワハラを認めず、配置転換や懲戒処分を行わなかったことが男性の精神的苦痛を増大させたとした。

 判決を受けて、市教委の竹居秀子教育長は「判決文を精査し、今後の対応を検討する」とコメントした。

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