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2024.05.24 15:41:53

機能性表示食品、健康被害の報告義務付け・怠れば販売停止…制度見直し案

 小林製薬の「 紅麹(べにこうじ) 」成分入りサプリメントを巡る健康被害問題で、消費者庁の有識者検討会は23日、機能性表示食品制度の見直し案をまとめた。健康被害情報の報告やサプリの品質管理体制の構築を事業者に義務づけることなどを盛り込んだ。同庁はこれらに基づいて制度改正を進める方針だ。

 機能性表示食品は安全性や機能性を示す資料を同庁に届け出れば、国の審査を受けずに事業者の責任で食品の健康効果を表示できる仕組み。小林製薬の紅麹サプリも同食品として届け出られており、問題発覚を受け、有識者検討会が制度のあり方を議論してきた。

 見直し案では、同食品の届け出事業者が、医師の診断を受けた健康被害を把握した場合、因果関係や症状の軽重にかかわらず、全ての被害情報を速やかに行政機関へ報告することを求めた。医療関係者だけでなく、消費者やその家族などから寄せられた情報も報告の対象とする。報告先は同庁や保健所を想定している。

 同庁のガイドライン(指針)でも健康被害が発生した際は「速やかに報告することが適当だ」としているが、報告するかどうかは事業者の判断に任され、義務化されていなかった。今回の問題では、小林製薬は1月半ばに健康被害を把握したが、国や自治体への報告は2か月以上後だった。

 見直し案では、サプリの製造工程について、製品の品質を一定に保つ手法である「GMP(適正製造規範)」に基づく管理の義務化も求めている。

 GMPは製品の保管や工場の点検などの方法を定めるもので、国が具体的な手順を公表している。事業者にGMPに基づく管理体制の構築を義務づけ、同庁が必要に応じて立ち入り検査する仕組みが想定されている。

 機能性表示食品は現在、届け出後のチェック体制がないため、事業者が法令の順守状況を定期的に確認し、同庁に報告した上で公表することも盛り込んだ。食品のパッケージに、国が安全性などを審査する「特定保健用食品(トクホ)」や医薬品とは異なることをわかりやすく示すことも求めた。

 同庁はこれらを義務づけるため、食品表示法に基づく内閣府令である「食品表示基準」の改正を検討する。同庁の担当者によると、健康被害情報の報告など、義務化された内容の実施を怠れば、機能性表示食品として販売することができなくなるという。

2024.05.23 18:55:10

アルツハイマー病の脳内変化、血液検査で推定する手法開発…早期診断に役立つ可能性

 認知症全体の6~7割を占めるとされる「アルツハイマー病」について、症状が出ていない人などの血液を調べることで、脳内でこの病気に特徴的な変化が起きているか高精度で推定する手法を開発したと、東京大などの研究グループが発表した。病気の早期診断に役立つ可能性がある。論文が23日、国際医学誌に掲載された。

 アルツハイマー病は、記憶障害や判断力低下などの症状が表れる10~20年前から、脳内に「アミロイド βベータ (Aβ)」や「タウ」と呼ばれる異常なたんぱく質が徐々に蓄積し、神経細胞が傷つくことで脳が 萎縮いしゅく して起きると考えられている。

 グループは、認知症の症状がない人と、認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI)」相当の計474人を対象に、血液中に含まれるAβとタウの量を調べて分析することで、脳内でAβの蓄積が起きている「陽性」か、起きていない「陰性」かを推定した。その上で、医療現場で使われている、脳内の蓄積状態を確認できる「アミロイドPET」と呼ばれる画像検査で確かめたところ、血液検査は90%以上の精度で診断できていた。

 昨年12月、認知症の進行を遅らせる効果が認められた「レカネマブ」の投与が始まった。対象は、検査でアルツハイマー病の早期段階と診断された患者に限られるが、アミロイドPET検査ができる施設は少なく、脳脊髄液を採取する検査は体の負担が大きいという課題があった。血液検査は各メーカーが開発を進めており、精度向上が課題となっている。

 研究グループの岩坪威・東京大教授(神経病理学)は「アルツハイマー病治療は早期発見が重要だが、負担の大きい検査を多くの人が受けることは現実的ではない。血液検査は診断効率化に役立つ可能性がある。実用化に備えて診療体制の充実が求められる」と話している。

2024.05.22 15:26:39

こども家庭庁が「産後ケア」拡充へ…市町村への補助額の上限撤廃、産後うつなど受け入れ支援強化

 こども家庭庁は、出産後の女性を心身両面でサポートする「産後ケア」事業の拡充に乗り出す。国から各市区町村への補助額の上限を撤廃し、産後うつなどで支援が必要な母親を受け入れた施設への支援も強化する。今年度中に全ての自治体で事業を実施したい考えで、安心して子育てできる環境づくりを目指す。

 産後ケアは、0歳児のいる母親が心身を休められるよう、自治体から委託された助産院や病院が育児を手伝ったり、相談に乗ったりする事業だ。助産師による「居宅訪問型」や、母親が病院などに泊まる「宿泊型」、保健センターへの「通所型」がある。

 事業の実施は2021年施行の改正母子保健法で市区町村の努力義務となった。22年度は全国の8割にあたる1462市区町村で実施されたが、利用者は0歳児を持つ母親の10・9%にとどまった。

 こども家庭庁は、自治体に事業の実施を促すため、財政支援を手厚くする。

 23年度予算の関連事業費は約57億2000万円で、施設運営費の補助は一つの自治体に対して6施設分までしか支給されていなかった。1施設が受け取ることができる補助額は最大で、「宿泊型」が月247万4700円、「居宅訪問型」「通所型」が月169万6000円だった。

 24年度は関連事業費を約60億5000万円に増額。6施設分までという上限を撤廃した。1施設が受け取る補助額は、物価高などを反映し、最大で「宿泊型」は月251万9600円、「居宅訪問型」「通所型」は月172万7700円にそれぞれ増えた。

 また、特にサポートの必要性が高い母親の利用を増やすため、産後の健診などでうつの傾向があったり、育児への強い不安を抱えていたりする母親を受け入れた施設には、1日あたり7000円加算する。

 これらの補助金は国と自治体で半額ずつ負担する。出産後は女性ホルモンの変動で不安定な状態になりやすいとされ、同庁の22年度の調査で、10人に1人の母親に、産後うつの疑いがあった。核家族化などを背景に、親兄弟など身近な人の手を借りにくい人が増えており、政府は産後ケアの普及を進める。

 林官房長官は22日午前の記者会見で「子育て家庭の産後の心身の負担軽減を図る観点から、拡充が重要だ。取り組みを通じて全国展開を進めていく」と述べた。

2024.05.21 18:30:30

出生届と出生証明書、スマホで提出可能に…8月にも一部の自治体でスタート

 政府は、子どもが生まれた時に提出が必要な出生届と出生証明書について、自治体の窓口に行かなくてもスマートフォンなどから入力してオンラインで提出できる仕組みを整える。8月にも省令改正し、一部の自治体で始まる見通しだ。2026年度中に全国での導入を目指す。

 出生届と出生証明書は通常、一枚の用紙となっており、出生日から14日以内に市区町村に提出しなければならない。現行でも制度上はオンラインでの提出が可能だが、その場合は出生証明書に医師の電子署名が必要となるため、実施している自治体がなかった。

 政府は段階的にオンライン化を進める。まず法務省は8月にも戸籍法施行規則を改正し、医師の電子署名を不要とする。デジタル庁もマイナンバーカードの専用サイト「マイナポータル」を改修し、医療機関が作成した出生証明書をスマホなどで撮影して画像添付できるようにする。これを受け、一部の自治体が実施に踏み切る見込みだ。

 26年度からは、マイナポータルと法務省の「戸籍情報連携システム」をつなげ、小規模な自治体でも実施しやすい仕組みを導入する。親はマイナポータルで出生届の入力・提出のみを行い、出生証明書は医療機関から直接自治体に電子データで送信できるようにする。導入した自治体では、手入力で情報をデータ化していた作業が不要となり、職員の負担も軽減される。

 こども家庭庁が23年に実施した調査によると、妊娠や出産手続きで負担軽減を求める意見のうち、2割が出生届に関するもので、「出産直後に役所まで書類を持っていくのが大変」などの声が出ていた。

 政府は昨年度から一部の自治体で、妊婦や乳幼児の健診に必要な問診票をデジタル化しており、26年度から全国展開する。保育所に入るための見学予約や入所申請なども、26年度からオンラインで簡単に手続きできるシステムを整備する。

 総務省によると、マイナカードの保有率は4月末時点で73・7%。政府はマイナカードを持ち歩かなくてもいいように、スマホに機能を搭載し、スマホのみで手続きできるサービスの拡充を図っている。

2024.05.20 10:30:08

医療機器への半導体供給確保へ…経産省、メーカーの訴訟リスク懸念解消へ知識普及

 経済産業省は、医療機器に欠かせない半導体や電子部品の調達対策に乗り出す。近年の半導体不足に加え、医療事故による訴訟リスクを懸念して半導体メーカーが供給を拒むケースがあるためだ。医療レベルが低下しないよう、半導体メーカーなどに正しい知識を広め、供給を確保する。

 半導体は、内視鏡の画像処理や人工呼吸器の制御など多くの医療機器に使われている。一方、経産省が2022年度に行った調査(医療機器メーカー57社が回答)では、半導体や電子部品の供給を断られた事例が計15件(重複あり)に上った。コロナ禍で医療機器メーカーが、人工呼吸器やPCR検査装置を病院に十分供給できなかったこともあったという。

 医療事故が発生した場合に訴訟を起こされたり、責任を問われたりすることへの懸念が背景にある。また自動車などに比べ、医療機器業界では半導体の使用量が少ないため、供給が後回しにされている実態もある。

 経産省は近く、半導体メーカー向けに、医療機器メーカーへの安定供給を求める冊子を公表する。21年までの10年間で、医療機器の製造物責任に関する訴訟は4件あったが、他産業より少なく、部品メーカーの責任が認められた事例はないと紹介し、医療機器に関する法律上の責任の所在についても説明する。

 このほか、契約書のひな型を公開し、損害賠償の上限額や責任範囲の制限を設け、リスクを低減する方法も周知する。

2024.05.17 12:43:04

iPS細胞から卵子や精子など作る研究、8割が「期待」…生まれつきの病気や不妊症の原因解明に

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)やES細胞(胚性幹細胞)から卵子や精子などを作って活用する研究について、「期待する」との回答が8割に上ったことが、一般市民を対象にした内閣府の調査で明らかになった。

 iPS細胞などから卵子や精子、受精卵に似た構造を作って研究に利用する技術が急速に発展している。こうした研究を「強く期待する」と回答した人は18・6%、「どちらかというと期待する」は58・6%に上った。期待する理由(複数回答可)として、「生まれつきの病気の原因解明」(62・9%)や「不妊症の原因解明」(56・6%)などが上位を占めた。

 ただ、iPS細胞やES細胞を「ある程度知っていた」とした人は1割で、9割は聞いたことがある程度か、知らなかった。

 iPS細胞由来の卵子や精子を受精させる研究は現在認められておらず、受精卵に似た構造を作る研究は、国内ルールがまだ整備されていない。政府の生命倫理専門調査会が、一定の規制の下で研究を容認する方向で議論している。

 アンケートは内閣府が委託したコンサルティング会社がインターネットを通じて1月に実施し、一般市民3095人が回答した。

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