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2024.11.15 19:05:57

伯父はJFK…トランプ氏が厚生長官にロバート・ケネディ・ジュニア氏を指名

 【ワシントン=冨山優介】米国のトランプ次期大統領は14日、新政権の厚生長官にロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)を指名すると発表した。ケネディ氏は新型コロナウイルスなどのワクチンに懐疑的な言動で知られており、保健行政のトップに就くことで混乱が生じると懸念されている。

 トランプ氏は声明で、「ケネディ氏は(保健行政の)機関を科学研究の絶対的な基準に立ち返らせ、透明性を取り戻し、米国を再び偉大で健康な国にするだろう」と述べた。

 ケネディ氏は昨年10月に大統領選への出馬を表明し、民主、共和のどちらの党にも属さない「第3の候補」として注目された。今年8月、選挙戦から撤退し、トランプ氏を支持すると表明していた。次期政権での起用は、トランプ氏の大統領選での勝利に貢献したことへの見返りとみられる。

 ケネディ氏は反ワクチン団体の創設者で、ワクチンの安全性や効果に批判的な立場を示してきた。今月6日には米公共ラジオNPRのインタビューで「誰からもワクチン(接種の機会)を奪うつもりはない」と断った上で、「ワクチンの安全性に関する科学には大きな欠陥がある。科学研究がしっかり実施され、国民が十分な情報を得た上で(接種を)選択できるようにするつもりだ」と述べた。

 政権高官の人事には上院の承認が必要となる。共和党は上院の過半数を固めているが、米紙ニューヨーク・タイムズは、ケネディ氏がワクチンを含む標準的な医療に懐疑的であることから、「承認を得られるかどうかは不透明だ」と伝えている。

 ケネディ氏はジョン・F・ケネディ元大統領のおいで、民主党を代表する一族の出身だが、共和党のトランプ氏の支持に回った。

2024.11.13 19:02:04

大正製薬サプリでステマ認定、「PR」と明記せずインフルエンサーのインスタを自社サイトに転載

 個人の感想を装って商品を宣伝するステルスマーケティング(ステマ)を行ったとして、消費者庁は13日、製薬大手「大正製薬」(東京都豊島区)に景品表示法違反で再発防止を求める措置命令を出した。昨年10月の規制開始以降、健康食品を巡るステマの認定は初。

 発表によると、大正製薬は今年4~5月、アンチエイジング効果をうたうサプリメント「NMN taisho」について、インフルエンサー3人にインスタグラムでの宣伝を依頼。その投稿を自社オンラインショップに転載した際、「広告」や「PR」などサプリの宣伝と判断できる記載をせず、閲覧者に第三者の感想と誤認させる表示をした。

 3人のフォロワーは、それぞれ1~3万人ほどで、「衛生的でとても便利」などと投稿した。報酬はサプリ1箱(30日分、約3万2000円相当)と現金1万円前後だったという。インスタへの投稿は「PR」と表示があり、問題なかった。

 このサプリは、老化を抑える効果があるとして人気で、昨年3月の販売開始から今年4月までの売上高は約4億円に上る。

 大正製薬は取材に「自社サイト内への転載なら、特別な表示がなくても消費者が投稿を広告と判別できると考えてしまった」とした。

2024.11.12 12:56:26

乱用の恐れがある市販薬、購入者の手が届かない場所に陳列…オーバードーズ対策で厚労省が販売方法見直し案

 若者を中心に広がる市販薬のオーバードーズ(過剰摂取)対策として、厚生労働省は、乱用の恐れがある市販薬を購入者の手の届かない場所に陳列するなど、販売方法の見直し案をまとめた。健康被害の問題が深刻化するなか、2025年までの医薬品医療機器法(薬機法)の改正を目指す。

 対象は、医師の処方箋なしに薬局やドラッグストアなどで購入できる市販薬のうち、乱用の恐れがある6種類の成分を含むもので、約1500品目ある。

 見直し案では、店舗での販売方法について、購入者が直接手の届かない場所か、常駐する薬剤師らが目の届く範囲に陳列するようにする。現状では厳しい制限は設けられておらず、薬剤師らによる説明を徹底する狙いがある。

 このほか、20歳未満には小容量の商品1個のみの販売とし、薬剤師らが氏名や年齢を身分証などで確認することを義務づける。20歳以上に複数個または大容量の商品を販売する場合も確認を義務化する。繰り返し購入する客については、特徴や名前のイニシャルを申し送りの記録に残し、販売時に購入の目的を丁寧に質問するなどの注意を払うようにする。

 厚労省が23年度に実施した調査では、全国の薬局やドラッグストアの2割が、乱用の恐れがある市販薬を複数個販売する際、法令で定めた購入目的などの確認をしておらず、対策強化が求められている。

2024.11.08 20:01:21

生成AIでがんを効果的に攻撃する免疫細胞を「デザイン」、短期間での治療法開発に期待…NECなど

 NECなどの研究チームは、独自の生成AI(人工知能)技術を活用して、がんを攻撃する力の強い免疫細胞を新たに作製することに成功したと明らかにした。AIで免疫細胞の遺伝子配列をデザインすることで、効果の高いがん治療法を短期間で開発できると期待される。チームが7日、米国がん免疫療法学会で発表した。

 体内でがんができると、免疫細胞の一種「キラーT細胞」が、がん細胞の表面にある物質を目印として認識して攻撃する。しかし、効果的に攻撃するキラーT細胞が体内で作られないと、がん細胞は増殖する。特定のがんを攻撃する免疫細胞を培養して体外から投与する治療法は近年、注目されているが、効果の高い免疫細胞を選ぶのは困難だった。

 チームは、文章を作り出す生成AIの技術を応用し、T細胞の遺伝子配列を生成するAIを開発した。実際に皮膚がんの細胞に対し、結合力の高いT細胞を作製できることを確認したという。遺伝子配列を変えれば、別の種類のがんを攻撃するT細胞になるという。

 作製したT細胞の効果を確認する実験を行った愛知県がんセンターの松下博和・分野長(腫瘍免疫学)は「今回の成果は、AIを活用した革新的ながん免疫療法の開発への第一歩となると考えられる」と指摘している。NECの森大輝・AI創薬統括部主任は「今後さらにAIの性能を上げるとともに、製薬企業と共同して新たな治療法の開発を進めたい」と話している。

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