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2025.02.07 14:46:50

子どものADHD治療アプリ、厚労省承認へ…ゲーム形式で不注意改善

 厚生労働省の専門家部会は6日、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子ども向けの治療用アプリ「エンデバーライド」について、製造販売の承認を了承した。スマートフォンやタブレット端末でゲームを操作することで、落ち着きのなさや不注意などの症状を改善する効果が期待できるという。

 製造販売を担う塩野義製薬によると、承認されれば、国内初のゲーム形式の治療用アプリになる。

 アプリは、米国の医療ベンチャー企業「アキリ」が開発した。画面上のキャラクターは乗り物で水路を進む。障害物を避けて運転する、指定された対象物を触るといった二つの操作を同時に行うことで、思考や理性などに関わる脳の前頭前野の働きを高め、症状の改善につなげる。医師の処方を受け、ダウンロードして使う。

 ADHDと診断された国内の6~17歳の164人を対象に行った臨床試験では、通常治療に加えて1日1回、約25分、このアプリを6週間使用したグループは、通常治療だけのグループよりも不注意の症状の改善がみられた。

 アプリは2020年に米食品医薬品局(FDA)が承認し、欧州でも同年、販売に必要な「CEマーク」を取得している。

2025.02.06 19:22:48

聴覚障害の「逸失利益」算定基準、健常者と「同等」…娘の告別式と同日の確定に父「導いてくれた」

 聴覚障害のある女児が重機にはねられて死亡した事故を巡り、将来得られるはずの収入「逸失利益」の算定基準が争われた訴訟で、全労働者の平均年収と同水準と判断した大阪高裁判決が5日、確定した。原告の遺族と、被告の運転手側の双方が期限までに上告しなかった。重機の運転手と当時の勤務先は遺族に約4300万円を賠償する。

 大阪府立生野聴覚支援学校小学部5年の井出 安優香あゆか さん(当時11歳)は2018年2月、大阪市生野区で下校中、歩道に突っ込んできた重機にはねられて死亡。遺族が損害賠償を求めて提訴した。

 23年2月の1審・大阪地裁判決は逸失利益について「障害が労働能力を制限することは否定できない」とし、全労働者の平均年収の85%で算定した。

 これに対し、1月20日の大阪高裁判決は全労働者の平均年収を原則とし、減額を「例外」とする判断基準を示した。その上で、井出さんのコミュニケーション能力の高さや障害を補うデジタル機器の存在を踏まえ、「減額する理由はない」と判断。賠償金を1審の約3700万円から増額した。

父「私のように苦しむ遺族が二度と出ないことを望む」

 井出さんの父、努さん(52)が5日、大阪市内で記者会見を開き、「長い時間がかかったが、やっと報われた」と語った。

 訴訟では、障害を理由とした減額を「差別的だ」と訴え続けた。「私のように苦しむ遺族が二度と出ないことを望む」と述べた。

 井出さんの告別式が営まれたのは、ちょうど7年前の2月5日。努さんは「安優香が天国に行った日。偶然ではなく、娘が導いてくれた」と涙を浮かべた。

2025.02.04 19:17:54

道路陥没から1週間、入浴施設や温水プールの利用休止相次ぐ…120万人に排水自粛要請続く

 埼玉県八潮市で発生した県道陥没事故は4日で発生から1週間。県東部などの12市町約120万人を対象とした排水自粛の要請は依然として続いている。陥没現場には、破損した下水道管から汚水が流れ込んでいるとみられ、県は、洗濯や風呂の頻度を下げるなどの協力を呼びかけている。長引く節水で、生活への影響が広がっている。

 春日部市では、高齢者福祉センターなど3か所で先月29日から入浴利用を中止している。このうち「大池憩いの家」は、1日あたり100人近くが利用する人気施設という。市には事故後、家庭の風呂使用を控えた人たちから「利用できるか」と尋ねる電話もあった。市高齢者支援課の池田裕介主幹は「要請が解除されれば、速やかに利用再開できるよう努力する」と話す。

 蓮田市でも先月29日から、市老人福祉センターの入浴施設を利用休止にした。

 越谷市民プールは先月31日から、温水プールなどの利用を休止した。同プールを昨年度に利用した人は約7万8000人。人気の施設だが、数日に1度の水の入れ替えで大量の排水があるため、休止しているという。

 家庭でも風呂などからの排水を減らしている。事故現場近くで暮らす男性(74)は、入浴を2日に1回に減らした。また使った食器類をためて、なるべく1度で洗うようにしているという。「最低限度の水を使うように心掛けている」と話す。

 一方、県東部で人工透析治療を行うクリニックは水道の使用を続けざるを得ない状況だ。腎臓の代わりに血液から老廃物を取り除く過程で大量の水が必要になる。患者約65人が週3回ほど透析を受けているという。男性スタッフは「患者の体調に直結するので、水の利用はやむを得ない」と語った。

2025.02.03 16:01:34

脳死判定から臓器摘出、経験豊富な拠点施設が医療機関をオンライン支援…厚労省がシステム配備

 厚生労働省は、脳死下の臓器提供の経験が豊富な25の拠点施設と、経験の浅い約70の医療機関をオンラインで結び、遠隔で脳死判定などを支援するシステムの配備に今年から着手した。経験が浅い医療機関は、患者家族への説明や脳死判定で対応に迷いがちだ。拠点施設の医師が状況を同時進行で確認しながら、こまめに助言することで、円滑に脳死判定を進め、臓器提供の増加につなげる狙いがある。関連経費5億2000万円を昨年12月に成立した今年度補正予算に計上した。

 厚労省によると、国内で臓器提供が可能な約900の医療機関のうち、実際に提供経験があるのは3分の1の約300にとどまっている。医療機関によっては、家族への対応や脳死判定などのノウハウが十分でなく、臓器提供の実施に後ろ向きになりがちとされる。

 こうした医療機関を支援するため、厚労省は、臓器提供を行う人員や経験が不足している約70の医療機関に、遠隔操作で最大70倍のズームが可能な高精細のカメラとスピーカーを搭載した機器を配備する。

 支援を受ける医療機関に脳死の可能性がある患者がいる場合、連携する大学病院など地域の拠点施設の医師とオンラインでつなぎ、患者の様子や脳波のデータなどを即時に共有する。拠点施設の医師は、機器から送られてくる画像やデータを確認しながら、脳死判定から臓器摘出まで必要な手続きを助言し、支援を受ける医療機関が判断する。摘出した臓器が移植に適するかの評価にも活用する。

 臓器提供は、患者の脳全体の機能が失われ、回復する可能性がない脳死と判断された場合、医療機関が終末期医療の一つの選択肢として患者家族に提示し、同意を得られた際に行われる。

 医療機関による家族への対応では、「患者に回復の見込みがないことに家族の理解が得られているか」や、「家族に臓器提供を積極的に勧めない」などの注意点がある。臓器移植法に基づく法的脳死判定の手順は厳格に定められており、深い 昏睡こんすい 状態にある、瞳孔の拡大・固定が見られるなどの項目を医師が2回確認する必要がある。

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