NEWS

2025.03.28 15:53:19

2024年の小中高生の自殺者数、529人で過去最多…女子が初めて男子を上回る

 厚生労働省と警察庁は28日、2024年の自殺者数の確定値を発表した。小中高生は前年より16人多い529人で、統計のある1980年以降、過去最多となった。男女別では、女子が初めて男子を上回り、女子中高生で計38人増えた。

 小中高生の自殺者は、男子が239人(前年比20人減)で、女子が過去最多の290人(同36人増)。小中高生別では、高校生は男子が166人で女子が185人、中学生は男子が64人で女子が99人。小学生は男子が9人、女子が6人だった。原因・動機(重複含む)は、学業不振や学友との不和などの「学校問題」が最も多く、「健康問題」や「家庭問題」が続いた。

 子どもの自殺対策に取り組むNPO法人「 OVAオーヴァ 」(東京)の伊藤次郎・代表理事は、女子の増加について、「10歳代女子の医薬品の過剰摂取(オーバードーズ)による自殺未遂が男子よりも増えている。悩みの深刻化だけでなく、SNS上で自傷・自殺に関する情報にアクセスしやすくなっていることも影響している可能性がある」と指摘している。

 日本臨床救急医学会などの調査では、自殺未遂者で救急搬送された人は、オーバードーズによるケースが多く、女性では約7割を占めた。

 OVAに寄せられている10歳代以下の悩みの相談内容は、「孤独感・孤立感」が約3割で最も多く、「周囲の大人が子どもの変化を敏感に感じ取り、声かけすることが重要だ」と話す。

 全体の自殺者数は前年比1517人減の2万320人で、過去2番目に少なかった。男性は1万3801人、女性は6519人だった。

 政府は、悩みを抱える人の相談窓口として、「こころの健康相談統一ダイヤル」(0570・064・556)を開設している。

2025.03.25 06:22:00

診察までの待ち時間「30分以上」外来患者の4割、診察時間「10分未満」は7割…厚労省調査

 病院を受診した患者の約4割は診察までに30分以上待たされる一方、診察時間は10分未満で終わるケースが7割近くに上ることが、厚生労働省が公表した2023年の受療行動調査で明らかになった。

 調査によると、外来で訪れた病院での待ち時間について、「30分以上」と答えた患者は43%に上っており、大規模な病院ほど割合が高い傾向にあった。診療などの満足度を尋ねると、待ち時間について26%が「不満」を感じていた。

 一方、外来での診察時間を「10分未満」とした患者は69%だった。ただ、診察時間について「不満」と回答したのは7%にとどまっていた。

 病気別では、循環器や呼吸器の病気で診察時間が短く、「10分未満」が7割を超えた。消化器や精神の病気での診察時間が長くなる傾向があり、「30分以上」との回答が、消化器疾患の9%、精神疾患の7%を占めた。

 受療行動調査は、医療機関を利用した患者に状況などを聞き取るもので、厚労省が3年ごとに実施している。今回の調査は23年10月17~19日、全国の488病院を訪れた患者に調査票を配布し、10万3630人分の有効回答を得た。

2025.03.24 17:58:03

精子の形成に必要なたんぱく質をマウスで発見、男性不妊症の原因究明に期待…大阪大など発表

 精子の形成に必要なたんぱく質をマウスの実験で見つけたと、大阪大などのチームが発表した。このたんぱく質は人の精子にも存在しており、男性不妊症の原因の究明に役立つことが期待される。論文が米科学アカデミー紀要に掲載された。

 不妊の半数は男性に原因がある。そのうち約8割は精子の形の異常、動きの悪さ、数の減少を含む精子の形成不全によるとされる。

 阪大の宮田治彦准教授(生殖生理学)らは、精巣で作られる「 TEXテックス 38」というたんぱく質に着目。このたんぱく質を作る遺伝子が働かない雄マウスの精子では受精できないことがわかった。電子顕微鏡で観察すると、通常のマウスでは三日月状となる精子の頭部が180度折れ曲がり、動きも悪くなっていた。

 さらに詳しく調べたところ、このたんぱく質は別のたんぱく質と結びつくことで安定し、精子の形成に欠かせないことを確認した。宮田准教授は「不妊の診断や治療法の開発につながる可能性がある」としている。

  横浜市立大の小川毅彦教授(生殖再生医学)の話 「精子の形成不全の原因の一つを明らかにした重要な成果だ。これらのたんぱく質が人の不妊にどのくらい関与しているのか。今後の研究に期待したい」

5

投稿はありません