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2023.12.13 00:21:00

アルツハイマー新薬「レカネマブ」の薬価は年間298万円…中医協が保険適用を了承

厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)は13日、日本の製薬企業エーザイなどが開発したアルツハイマー病の新薬「レカネマブ」(商品名レケンビ)の保険適用を了承した。薬価(公定価格)は、1人あたり年間298万円(体重50キロの場合)で、20日から適用される。

患者の自己負担は、国の高額療養費制度により、70歳以上の一般所得層(年収156万~約370万円)で年14万4000円が上限となる。

 レカネマブは、アルツハイマー病患者の脳内に蓄積する異常なたんぱく質「アミロイド βベータ 」を取り除く新しいタイプの薬で、9月に厚生労働省が製造販売を承認した。臨床試験では、2週に1度の点滴を1年半続けた人は、症状が悪化するペースを27%抑えられた。低下した認知機能を元に戻す効果はなく、投与対象は早期患者に限られる。

 厚労省は、脳の浮腫や微小出血などの副作用に適切に対応するため、投与できる医療機関を限定する。来年3月までの投与人数を400人、2024年度は7000人と予測。最多となるのは31年度の3万2000人で、同年度の市場規模は986億円と見込んでいる。

 投与する医師や医療機関の要件は、ガイドライン(指針)で示した。最初の半年間は、〈1〉認知症などの診療経験が10年以上あり、新薬の研修を受けた常勤の専門医が複数いる〈2〉脳のMRI(磁気共鳴画像)検査を定期的に実施できる――施設などとした。

 半年以降は連携する医療機関でも投与できる。

 投与は原則1年半とし、その後は症状を評価して継続するか決めるよう求めた。

 米国では1人あたり年間2万6500ドル(約380万円、体重75キロの場合)で販売されている。

2023.12.08 09:52:09

現行の健康保険証の廃止、予定通り来年秋…マイナ保険証への移行に問題なしと判断

 政府は、現行の健康保険証を予定通り来年秋に廃止する方針を固めた。マイナンバーと各種情報のひも付けを巡る総点検が終わり、マイナカードと保険証を一体化する「マイナ保険証」への移行には問題がないと判断した。

 複数の政府関係者が明らかにした。12日に「マイナンバー情報総点検本部」を開き、岸田首相が表明する方向で調整している。

 政府はマイナンバーを巡るトラブルが相次いだことを受け、6月に総点検本部を設置。首相は「保険証の廃止は、国民の不安 払拭ふっしょく のための措置が完了することが大前提だ」とし、廃止時期を延期するかどうかは総点検の結果を踏まえて判断する意向を示していた。

 10月までの点検では、マイナ保険証で8544件、障害者手帳で3063件のひも付けの誤りなどが確認された。12日の総点検本部では、各種ミスがさらに数千件見つかったと報告する見通しだ。

 政府は登録事務を将来的にデジタル化する方針を示すなど、再発防止策が整ったと説明して国民の理解を得たい考え。来秋の保険証廃止後も最長1年間は現行の保険証を利用できる。マイナ保険証を取得していない人には「資格確認書」を発行する。

 

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