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2024.12.12 10:32:18

東京都が第1子保育料を無償化へ、来年9月から…小池百合子知事が表明

 東京都議会第4回定例会は10日、主要会派による代表質問が行われた。小池知事は都内在住の全世帯を対象に、来年9月から0~2歳の第1子保育料を無償化する方針を表明した。こども家庭庁によると、都道府県では初。今年7月の知事選での目玉公約を実行することになり、都内の子育て環境の充実を推進していく考えを改めて示した。

 第1子保育料は、国が3~5歳は全世帯、0~2歳は所得制限を設けて無償化している。都によると、新たな制度は、国の無償化の対象外となっている世帯について保育料負担をなくす。公立は都と区市町村が半額ずつ、私立は都が全額負担する方向で、今後、区市町村などと協議する。

 都は所得制限のない保育料の完全無償化を段階的に進めてきた。2019年10月に第3子以降、昨年10月に第2子で実現した。

 今回の制度がスタートすると、都内で子育てする家庭では、子どもの人数や所得にかかわらず、保育料の負担がなくなる。答弁に立った小池知事は、「少子化対策は一刻の猶予もない。手を緩めず、取り組みを進める」と意義を強調した。

 このほか都は、来年4月1日に防止条例が施行されるカスタマーハラスメント対策で、中小企業への支援を明らかにした。

 中小は大企業と比べ、相対的に経営体力が弱い。企業規模にかかわらず対策を取れるようにするため、予防や検証に効果がある録音・録画機器などを導入した中小に金銭支援を検討する。

2024.12.11 17:38:15

大阪城天守閣への石段42段、車いす担ぐサービス好評…エレベーター改修工事で

 大阪屈指の観光名所・大阪城(大阪市中央区)で、天守閣へのエレベーターの改修工事に伴い、車いすの利用者を人力で担ぎ上げ、石段を上るサービスが行われている。訪日外国人客にも好評だという。(土谷武嗣)

 1931年に再建された天守閣の前には42段の石段があり、車いすの利用者向けに97年にエレベーター1基が設置された。老朽化で改修工事をすることになり、天守閣を所有する大阪市が対策を検討。一帯は国特別史跡に指定されているため、スロープの設置が難しいことなどから、人力で担ぎ上げることにした。

 大阪城の指定管理者が事業者を公募し、障害者支援に取り組むNPO法人「ちゅうぶ」(同市東住吉区)が選ばれた。委託費は40日間で約370万円。

 工事が始まった11月5日から毎日、スタッフら6~4人が車いすを担ぎ上げ、バランスに注意しながら石段を数分で上り下りしている。利用は多い日で1日15人ほどになるといい、これまでに200人以上の登城を支援してきた。利用者の大半が訪日外国人客だという。

 オーストラリアから家族で訪れたリチャード・グローバーさん(57)は「サポートがなければ、せっかく天守閣まで来たのに帰るところだった。おかげで、展示された武具や最上階からの景色を楽しむことができた」と喜んでいた。

 NPO法人事務局長の石田義典さん(65)は「せっかくの大阪旅行で、『障害者だからあきらめないといけない』という悲しい思いをしてほしくない」と話した。

 改修工事が終わる今月14日まで無料で実施している。予約不要で、石段下の受付で申し出る。天守閣内には、エレベーターが2基備えられている。

2024.12.10 16:02:16

ヘリ・飛行機の「洋上救急」一度の出動で7時間…医師・看護師・救急救命士の38人が訓練で備え

 航行中の船舶で発生した傷病者を、医師らが乗った海上保安庁などのヘリコプターや飛行機で搬送する「洋上救急」の訓練が10日、海保羽田航空基地(東京都大田区)で行われた。医師・看護師と、今年から新たに出動対象となった救急救命士を加えた7医療機関の38人が参加した。

 制度は1985年10月に始まり、今年11月末までに海保と自衛隊の航空機による救助件数は全国で1004件、1037人に上る。日本最南端・沖ノ鳥島や最東端・南鳥島より遠い海域もカバーしており、いったん出動すると、医療従事者が勤務先に戻るまでに平均7時間以上を要する。

 参加者はこの日、羽田基地でヘリに乗り込み、海保の機動救難士と一緒に心肺蘇生や点滴、気管挿管などの手順を確認。ヘリや飛行機に搭載されている救助資機材の点検なども行った。午後には駐機場でヘリのエンジンを起動して騒音の度合いを体感しながら、ヘッドセットを通じた意思疎通を練習する。

 同僚の看護師らと参加した日本医科大学付属病院・高度救命救急センターの下西颯医師(28)は「思ったよりスペースが狭く、普段と違って座りながらの処置になるが、傷病者とのポジショニング(位置取り)を含め、あらかじめ確認できてよかった」と話していた。

2024.12.09 19:06:10

「マイナ保険証」で救急患者の医療情報、病院が同意なしで閲覧可能に

 厚生労働省は9日、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を利用し、意識不明に陥った救急患者らの医療情報を、本人の同意なしに病院が閲覧できるシステムの運用を始めた。処方薬や手術歴などを救急医らが把握し、的確で迅速な治療につなげることで、救命率の向上や後遺症の軽減を目指す。

 現在、マイナ保険証で受診する患者が同意すれば、過去5年間の受診歴や処方薬、特定健診の結果を医療機関は閲覧できる。これらの医療情報は、レセプト(診療報酬明細書)などのデータを活用している。

 新システムでは、意識不明や会話が困難などで意思確認ができない場合、医師が救命や回復のために必要と判断すれば、本人の同意なしに情報を閲覧できる。

 救急用にまとめた情報も確認できる。直近3か月に限定した受診歴や薬の情報などで、関係学会の助言を得て厚労省が絞り込んだ。

 医師は新システムの導入で、患者の医療情報を速やかに把握できる。例えば、血を固まりにくくする抗血栓薬の使用がわかれば、出血しやすい点に注意して治療を進められる。

 厚労省は2025年度、マイナ保険証を利用する患者の電子カルテ情報を、医療機関同士で共有する仕組みを導入する方針だ。導入後は、アレルギーの有無や感染症の検査結果も、新システムで閲覧できる。

 厚労省によると医療機関や薬局でのマイナ保険証の利用率は今年10月時点で15・67%にとどまっている。

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