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2024.08.15 15:04:40

臓器あっせん機関を複数整備…日本臓器移植ネットワークの負担軽減へ厚労省が方針案

 脳死下の臓器提供者と移植希望者をつなぐあっせん業務について、厚生労働省は14日、日本臓器移植ネットワーク(JOT)が担う現在の体制を見直し、複数のあっせん機関を整備する方針案を示した。業務集中や人手不足などから、JOTによるあっせんの対応が遅れているとの指摘を受けたもので、体制強化につなげる狙いだ。

 方針案は、14日に開かれた臓器移植委員会で提案された。

 JOTは現在、眼球を除けば、国内唯一のあっせん機関となっている。脳死の可能性のある患者を確認した医療機関から連絡を受けて、臓器移植コーディネーターを派遣し、家族に臓器提供の説明や意思確認を行う。移植候補者の選定や摘出した臓器の搬送手配にもあたる。

 現在29人のコーディネーターが在籍するが、医療機関への派遣や対応の遅れが指摘されていた。

 このほか、厚労省は、移植希望者が移植を受ける施設の登録を現行の1か所から、複数できるようにする案も提示した。移植施設の人員や病床の不足などから、臓器の受け入れを断念する事例が相次いでいるためだ。移植を辞退した件数などを施設ごとに公表する方針も示した。

2024.08.13 18:03:51

「夜通しの暑さが多くの人の生活破壊」最低気温25度超の日、世界的に大幅増…東京は年27日増える

 【ワシントン=冨山優介】米非営利研究機関「クライメート・セントラル」は、地球温暖化の影響で、最低気温が25度を超える日が世界各地で大幅に増えたとする解析結果を発表した。東京では1年間に約27日、大阪で約36日増加したと推定した。夜間も暑さが続くことで、脳卒中や心血管疾患などへのリスクを高めることが懸念されるという。

 同機関は、人間の活動による地球温暖化がなかった場合の各地の気温を想定し、2014~23年の10年間の実測値と比較した。その結果、最低気温が25度を超える日が1年間に14日以上増加していたのは、アフリカやアジアを中心に約50か国・地域で、約24億人が影響を受けたと推定した。

 日本ではほかにも、浜松で約33日、名古屋や神戸で約32日増えるなど、都市部で顕著に増えていた。

 同機関は「気候変動による夜通しの暑さで、多くの人々の生活が破壊されている。化石燃料を燃やすのをやめ、地球の温度がさらに上昇しないようにすることが重要だ」と説明している。

 東京大の井原智彦准教授(環境社会システム学)によると、最低気温が25度以上の「熱帯夜」は睡眠障害の増加にもつながる。井原准教授は「睡眠が困難になると、健康が損なわれるほか、仕事や勉強などへの悪影響も考えられる。きちんと睡眠をとるために、夜にもエアコンを適切に使うなどの対策が必要だ」と話している。

2024.08.13 17:51:16

出産診療報酬「50万円以内」、妊婦は自己負担ゼロ・現行一時金との差額支給も…政府検討

 政府は、出産費用への公的医療保険の適用を巡り、医療機関に支払われる診療報酬を原則として「50万円以内」とする方向で検討に入った。妊婦に対しては、通常の保険医療の場合にかかる3割の自己負担をゼロとすることに加え、50万円から出産費用を差し引いた額を一時金として支給することを検討している。

 出産費用への保険適用は、厚生労働省とこども家庭庁の有識者検討会が制度設計などの議論を進めており、2026年度の適用を念頭に、来春をめどに結論をまとめる予定だ。

 厚労省によると、正常 分娩ぶんべん の費用の全国平均は、22年度は48・2万円だった。現在は医療機関が独自に価格を設定しているため、地域差が大きいほか、人件費や物価の高騰の影響で値上がり傾向が続いている。

 保険適用は、全国一律に公定価格を決めることで出産費用の透明化を図り、これ以上の価格上昇に歯止めをかける狙いがある。政府は保険適用後の診療報酬について、現行制度で妊婦に支給される出産育児一時金(50万円)の範囲内に収め、保険財政が過度に圧迫されることを避ける必要があると判断した。

 一方、現場を担う産婦人科医からは、保険適用に伴う収入減で経営が苦しくなり、医療体制の維持が困難になるとの懸念が上がっている。産婦人科医の理解を得るため、政府内では、減収分を補助金で支援する案も出ている。

 また、政府は、保険の適用で妊婦の経済的負担がかえって増える事態とならないよう制度設計を進める考えだ。通常の保険医療の場合、患者は窓口で1~3割の自己負担分を払う必要があるが、出産費用は全額を保険でまかない、妊婦には自己負担を求めない。

 出産一時金の支給も一部存続する方向だ。現行の50万円の一時金は、出産費用が50万円を下回れば差額が妊婦の手元に残る仕組みで、家計にとっては出産だけでなく、育児費用に充てるための貴重な資金ともなっている。このため、保険適用後も、費用が50万円未満の場合は差額を一時金で支給し、制度変更の前後で不公平感が出ないよう配慮する。厚労省幹部は「保険適用は少子化対策の意味合いもあり、出産を後押しする制度にしたい」としている。

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