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2024.08.05 19:33:12

スーパーで買い物客倒れ呼吸停止、店員2人で救急隊到着まで心臓マッサージ…「多少の知識があったので何とか対処できた」

 店内で意識を失った買い物客の命を救ったとして、山口市消防本部は4日、市内のスーパー「ザ・ビッグ大内店」に勤める黒畑万寿美さん(54)と竹林克輝さん(22)の2人に感謝状を贈った。予期せぬ場面でも落ち着いて119番や心肺蘇生に当たったといい、2人は「お客さまが助かって本当に良かった」と胸をなで下ろした。

 市消防本部によると、6月22日夜、店内の1階エスカレーター付近で買い物客の男性(90)が突然倒れた。異変に気づいた2人が現場に駆けつけ、直ちに黒畑さんが119番。男性の呼吸が止まったため、救急隊が到着するまで2人で心臓マッサージを続けた。

 2人は店内の一角で市消防本部の酒井健消防長から感謝状を受け取った。黒畑さんは「救急対応に専念できるよう業務をカバーしてくれた同僚に感謝したい」と振り返り、竹林さんは「多少の知識があったので何とか対処できた。後で無事と聞いて安心した」と喜んだ。

 男性は搬送中の救急車内で意識を取り戻し、現在は病院で療養中。酒井消防長は「2人の冷静かつ絶え間ない処置が男性の命を救った」とたたえた。

2024.08.02 13:16:24

都のパートナーシップ制利用、制度開始から1290組に…独自創設の自治体も増加

 性的少数者(LGBT)のカップルを公的に認める都の「パートナーシップ宣誓制度」の利用者が、制度開始の2022年11月から今年7月末までに計1290組に達した。利用者には証明書が交付され、一部の行政サービスで夫婦と同等に扱われる。同様の制度を独自に設ける都内の自治体も増えている。

 都人権部によると、証明書交付件数は、導入1か月の22年11月末時点で309組、23年3月末時点で654組、今年3月末時点は1139組だった。都はLGBTの支援団体を通じて制度をPRしており、当事者への周知が進んでいるとみている。

都の制度は、少なくとも一方が都内在住・在勤のLGBTの成人カップルが対象で、オンラインで申請できる。申請が認められると、「受理証明書」が交付され、証明書で家族向けの都営住宅に申し込めたり、都立病院で家族として診療の説明を受けたりできる。

 一方、都のまとめでは、同様の制度を独自に設けている都内の自治体は今年4月1日現在、13区10市で、22年11月末から3区4市増えた。都と導入自治体は協定を結び、どちらかの証明書があれば双方のサービスを受けられるようにしている。独自制度がなくても都の証明書を利用できるようにしている自治体もある。また、生命保険や住宅ローンなどの分野で、証明書の利用を認める民間企業も増えている。

 都はLGBTが働きやすい環境作りにも力を入れる。昨年11月には人事・採用担当者ら向けの情報発信サイトを開設した。都の担当者は「誰もが暮らしやすい社会の実現に向け、引き続き取り組みたい」と話す。

 当事者の立場から都に制度創設を働きかけていた港区の会社員の女性(39)は「周りにも制度を利用している人がいて、認知が進んでいると感じる」と話す。一方、LGBTへの社会の理解や取り組みはまだまだだとし、「中小企業への働きかけや当事者から直接意見を聞いて施策に反映するなど、都はより力を入れてほしい」と訴えた。

 パートナーシップ制度を設けている都内の区市は次の通り(4月1日現在)。

 港、文京、墨田、世田谷、渋谷、中野、杉並、豊島、北、荒川、板橋、足立、江戸川、武蔵野、三鷹、府中、調布、町田、小金井、日野、国分寺、国立、多摩

2024.08.01 13:36:58

小中学生の視力、外で遊ぶほど低下しにくく…パソコンなどモニター凝視も影響

 文部科学省が2021年度から3年にわたって行った小中学生の近視実態調査で、屋外で過ごす時間が長いほど視力が低下しにくいとの分析結果が出た。パソコンやタブレット端末の使用など、近距離でモニターを凝視することを長時間続ければ視力に影響することも浮かび上がった。

 調査は21~23年度、全国の小中学校29校に通う児童生徒について各年約8600~8900人を対象に実施。約5200人については3年間追跡して調べ、経年変化も分析した。文科省は7月31日に結果を公表した。

 視力は学年が上がるにつれて悪くなり、23年度調査では裸眼視力0・3未満の児童生徒の割合は、小学1年生では1%だったのに対し、中学3年生では32%にのぼった。特に近視は、小学校低学年で増える傾向にあり、1年生の12%から3年生には36%になっていた。

 視力と生活習慣との関係を分析すると、学校の休み時間に「いつも外に出る」児童生徒は、「ほとんど外に出ない」子どもに比べ視力低下のリスクが小さかった。授業や休み時間を除いた屋外活動が「90分以上120分未満」の児童生徒は、「30分未満」より視力が下がりにくかった。

 パソコンやタブレット端末の使用と関連付けた分析では、学校以外での使用時間が「120分以上」の場合は、「30分未満」に比べ、視力低下への影響が大きかった。読書や勉強でも同様の傾向がみられた。文科省は、〈1〉30センチ以上、目を離す〈2〉30分に1回は20秒以上、目を休める〈3〉背筋を伸ばし、姿勢を良くする――ことを呼びかける。

 パソコンやタブレット端末は、学習用端末として小中学校に1人1台配備されているが、今回、文科省は分析を校外での端末使用に限った。担当者は「今回は生活習慣に差が出る校外での行動を中心に調べた」としている。

2024.08.01 01:46:25

アルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」製造販売を了承…厚労省部会、11月にも公的保険適用

 厚生労働省の専門家部会は1日、米製薬大手イーライリリーのアルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」(商品名ケサンラ)について、製造販売の承認を了承した。病気の原因とされる物質を除去するタイプの薬では、日本の製薬大手エーザイなどが開発したレカネマブに次いで2例目。11月にも公的保険が適用される見込み。

 ドナネマブは、患者の脳内に蓄積する異常なたんぱく質「アミロイド βベータ (Aβ)」の塊を取り除き、病気の進行の抑制を図る。対象は、認知症の前段階となる軽度認知障害(MCI)の人を含むアルツハイマー病の早期の患者。点滴で月1回、最長1年半投与する。1年をめどに検査してAβの塊の消失が確認できれば投与をやめられる。

 約1700人が参加した最終段階の臨床試験では、認知機能などの低下を22%抑える効果が確認された。病状がより早期のグループでは35%の抑制効果があった。副作用として脳の微小出血や腫れがみられた。

 昨年8月、厚労省に承認申請が出され、米国では今年7月2日に承認されていた。米国での年間治療費は約3万2000ドル(約480万円)となっている。日本の薬価は厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会で議論される見通し。

 レカネマブは昨年9月に国内で承認され、12月から保険診療で使われている。

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