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2024.08.15 15:07:21

エムポックスにWHOが緊急事態宣言、1年3か月ぶり…アフリカ中部で感染拡大

 【ジュネーブ=森井雄一】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は14日、アフリカ中部で広がる感染症「エムポックス(サル痘)」について、約1年3か月ぶりに「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

 テドロス氏は記者会見で「エムポックスの急拡大を抑え人命を救うには、国際的な協調が欠かせない」と訴えた。WHOの専門家グループはワクチン接種を推奨している。

 WHOによると、エムポックスの新系統のウイルスが昨年見つかり、急拡大している。コンゴ民主共和国では今年、1万5600人以上の感染と537人の死亡が報告された。新系統はケニアやルワンダなど周辺国でも確認されている。

 天然痘に似たエムポックスは元々アフリカの風土病だったが、2022年以降に欧米などで感染が拡大した。日本の厚生労働省によると、国内では248人の感染が確認された。WHOは同年7月に緊急事態を宣言し、感染が落ち着いた昨年5月に解除していた。

 エムポックスはリスやネズミなどの「げっ歯類」やサルなどがウイルスを保有しており、かまれると人に感染する。人から人へは肌の接触や性行為などでうつり、発疹のほか発熱や頭痛、リンパ節の腫れなどの症状が出る。多くは発症後2~4週間で自然回復する。

2024.08.15 15:04:40

臓器あっせん機関を複数整備…日本臓器移植ネットワークの負担軽減へ厚労省が方針案

 脳死下の臓器提供者と移植希望者をつなぐあっせん業務について、厚生労働省は14日、日本臓器移植ネットワーク(JOT)が担う現在の体制を見直し、複数のあっせん機関を整備する方針案を示した。業務集中や人手不足などから、JOTによるあっせんの対応が遅れているとの指摘を受けたもので、体制強化につなげる狙いだ。

 方針案は、14日に開かれた臓器移植委員会で提案された。

 JOTは現在、眼球を除けば、国内唯一のあっせん機関となっている。脳死の可能性のある患者を確認した医療機関から連絡を受けて、臓器移植コーディネーターを派遣し、家族に臓器提供の説明や意思確認を行う。移植候補者の選定や摘出した臓器の搬送手配にもあたる。

 現在29人のコーディネーターが在籍するが、医療機関への派遣や対応の遅れが指摘されていた。

 このほか、厚労省は、移植希望者が移植を受ける施設の登録を現行の1か所から、複数できるようにする案も提示した。移植施設の人員や病床の不足などから、臓器の受け入れを断念する事例が相次いでいるためだ。移植を辞退した件数などを施設ごとに公表する方針も示した。

2024.08.13 18:03:51

「夜通しの暑さが多くの人の生活破壊」最低気温25度超の日、世界的に大幅増…東京は年27日増える

 【ワシントン=冨山優介】米非営利研究機関「クライメート・セントラル」は、地球温暖化の影響で、最低気温が25度を超える日が世界各地で大幅に増えたとする解析結果を発表した。東京では1年間に約27日、大阪で約36日増加したと推定した。夜間も暑さが続くことで、脳卒中や心血管疾患などへのリスクを高めることが懸念されるという。

 同機関は、人間の活動による地球温暖化がなかった場合の各地の気温を想定し、2014~23年の10年間の実測値と比較した。その結果、最低気温が25度を超える日が1年間に14日以上増加していたのは、アフリカやアジアを中心に約50か国・地域で、約24億人が影響を受けたと推定した。

 日本ではほかにも、浜松で約33日、名古屋や神戸で約32日増えるなど、都市部で顕著に増えていた。

 同機関は「気候変動による夜通しの暑さで、多くの人々の生活が破壊されている。化石燃料を燃やすのをやめ、地球の温度がさらに上昇しないようにすることが重要だ」と説明している。

 東京大の井原智彦准教授(環境社会システム学)によると、最低気温が25度以上の「熱帯夜」は睡眠障害の増加にもつながる。井原准教授は「睡眠が困難になると、健康が損なわれるほか、仕事や勉強などへの悪影響も考えられる。きちんと睡眠をとるために、夜にもエアコンを適切に使うなどの対策が必要だ」と話している。

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