厚生労働省は、睡眠時間の目安などを示した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」をまとめた。成人は6時間以上、小学生は9~12時間、中高生は8~10時間の睡眠時間を推奨した。一方、高齢者は寝床にいる時間が8時間以上にならないよう求めた。
今回のガイドは、年代別に推奨される睡眠時間などを盛り込んだのが特徴で、前回の2014年版から9年ぶりの改訂となる。
成人は、6時間以上の睡眠時間が目安で、平日の不足分を休日に取り戻そうとする「寝だめ」は、健康を損なう危険性が生じると指摘した。高齢者は、長時間の睡眠や昼寝は死亡リスクが高まるとし、寝床で過ごす時間を短くするよう注意を呼びかけた。
こどもは、睡眠不足が肥満や抑うつ、学業成績の低下につながることが報告されているとし、推奨される睡眠時間では1~2歳は11~14時間、3~5歳は10~13時間などと細かく分けて示した。夜更かしや朝寝坊が習慣化しないことを注意点として挙げた。
このほか、ウォーキングなどの有酸素運動や就寝1~2時間前の入浴が寝つきを良くし、寝室をできるだけ暗くして寝ることが良い睡眠につながると紹介。カフェイン摂取量が1日400ミリ・グラム(コーヒーカップ4杯分)を超えないことや、就寝直前の夜食を控えることも盛り込んだ。
経済協力開発機構(OECD)の調査(21年版)では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で33か国中最低となっている。睡眠不足は、脳や心臓の血管の病気、うつ病のリスクを高めるため、厚労省は改善に向けた目安を示した。