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2024.12.09 19:06:10

「マイナ保険証」で救急患者の医療情報、病院が同意なしで閲覧可能に

 厚生労働省は9日、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を利用し、意識不明に陥った救急患者らの医療情報を、本人の同意なしに病院が閲覧できるシステムの運用を始めた。処方薬や手術歴などを救急医らが把握し、的確で迅速な治療につなげることで、救命率の向上や後遺症の軽減を目指す。

 現在、マイナ保険証で受診する患者が同意すれば、過去5年間の受診歴や処方薬、特定健診の結果を医療機関は閲覧できる。これらの医療情報は、レセプト(診療報酬明細書)などのデータを活用している。

 新システムでは、意識不明や会話が困難などで意思確認ができない場合、医師が救命や回復のために必要と判断すれば、本人の同意なしに情報を閲覧できる。

 救急用にまとめた情報も確認できる。直近3か月に限定した受診歴や薬の情報などで、関係学会の助言を得て厚労省が絞り込んだ。

 医師は新システムの導入で、患者の医療情報を速やかに把握できる。例えば、血を固まりにくくする抗血栓薬の使用がわかれば、出血しやすい点に注意して治療を進められる。

 厚労省は2025年度、マイナ保険証を利用する患者の電子カルテ情報を、医療機関同士で共有する仕組みを導入する方針だ。導入後は、アレルギーの有無や感染症の検査結果も、新システムで閲覧できる。

 厚労省によると医療機関や薬局でのマイナ保険証の利用率は今年10月時点で15・67%にとどまっている。

2024.12.05 15:01:48

移植希望者が施設を「複数」登録できる仕組みを今年度中に整備へ、厚労省が体制改革案を了承

 脳死者から提供された臓器を移植する施設が人員や病床の不足などで臓器の受け入れを断念している問題を巡り、厚生労働省の臓器移植委員会は5日午前、移植医療体制の改革案を了承した。移植希望者が移植を受ける施設を複数登録できる仕組みを今年度中に整備するほか、日本臓器移植ネットワーク(JOT)から臓器あっせん業務の一部を地域ごとに置く新設法人に移行する。

脳死下の臓器提供数の増加に伴い、移植施設の受け入れ態勢の 逼迫ひっぱく や、JOTの対応の遅れが指摘され、同委員会が包括的な改革の議論を7月から行ってきた。移植医療体制の抜本的な改革は、1997年の臓器移植法施行後初となる。

 移植施設の臓器受け入れ断念問題への対策として、移植希望者がJOTに登録できる施設数を現在の原則1か所から複数にする。施設を選ぶ手がかりにしてもらうため、施設ごとの待機患者数や移植実施数なども公表する。移植後の患者の生存率といった移植成績に関する情報については、関連学会で検討を進めるとして結論を持ち越した。

 臓器のあっせん業務を単独で担っているJOTから、臓器提供者(ドナー)家族への臓器提供についての説明や同意取得などを切り離し、臓器提供施設により近い法人に委ねる。委員からは「あっせん業務をスムーズに移行するための司令塔が必要」などの意見が出た。

 臓器提供の経験が浅い施設を支援する拠点施設を大阪府や北関東、甲信越などに設置する。

 また、厚労省は同日、9月に公表した臓器受け入れ断念の実態調査結果について集計を見直し、2023年に院内態勢が整わないことを理由として臓器の受け入れを断念したのは25施設から26施設に、移植が見送られた患者数は、のべ509人から803人に訂正すると発表した。

2024.12.04 15:54:09

都職員の「週休3日」実施へ、平日休みも可能にして育児との両立支援…週の勤務時間は変わらず

 東京都の小池知事は3日、都職員が「週休3日」を選択できる制度を来年4月から導入する考えを明らかにした。勤務時間を柔軟に選べる「フレックスタイム制」を活用し、毎週、平日休みを取得できるようにする。女性が子育てと仕事を両立しやすい働き方を都が示し、都内企業などに広げたい考えだ。

 この日開会した都議会第4回定例会の所信表明演説で制度導入を説明し、「出産や育児で自らのキャリアを諦めないよう、都庁の働き方を見直す」と述べ、女性が活躍できる環境づくりに意気込んだ。

 都によると、週休3日の対象は、短時間勤務や会計年度任用などを除く職員。都の現行制度では、土日祝日が休みの職員の場合、これらの休みに加えて4週間で1日、平日休みが取得できる。来年度からはフレックスタイム制の運用を変え、4週間で155時間の労働時間を確保すれば、週1日、平日に休みを取得できるようにする。例えば、月~木に1日10時間弱働けば、金曜も休みとなる。

 加えて小学3年までの子どもがいる職員には、始業時間を遅らせたり、終業時間を早めたりして、1日最大2時間の「部分休暇」を取れる制度も創設し、子育てしやすくする。

 働きやすい職場環境を実現するため、週休3日が可能な制度を導入する自治体は増えている。茨城県は今年4月、千葉県は6月に始めた。両県とも都と同様の制度で、千葉県では、1回でも週休3日を取得した職員は11月1日までに150人に上った。同県の担当者は「育児や介護など職員が抱える事情は様々なので、週休3日を利用することもできるようにした」と話した。

 このほか小池知事は所信表明で、少子化対策として、都立大塚病院(豊島区)で来年度から、不妊治療の体外受精と顕微授精を開始すると明らかにした。都立病院では初めてという。

 首都の防災強化にも言及した。能登半島地震での石川県輪島市の大規模火災を受け、都内の木造住宅密集地域の解消策をまとめた防災計画の基本方針案を年明けに、台風などに備えた河川の高潮対策方針を年度内にそれぞれ示す。小池知事は「都民の命、財産をしっかり守る」と語った。

 定例会は18日まで。10日に代表質問、11日に一般質問が行われる。

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