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2024.03.29 15:23:39

子育て支援金、28年度に1人あたり月平均450円負担…野党「負担増をごまかすまやかしだ」

 こども家庭庁は29日午前、少子化対策の財源に充てる「子ども・子育て支援金制度」について、保険者別の負担額の試算を公表した。2028年度の医療保険加入者1人あたりの月平均は450円となる。

 支援金制度は企業や個人が支払う公的医療保険に上乗せして徴収する仕組みだ。徴収を始める26年度は250円、27年度は350円と段階的に引き上げ、28年度に約1兆円を確保する。

 政府はこれまで、28年度の加入者1人あたりの負担額は「月500円弱」と説明してきたが、今回は大企業の健康保険組合や、自営業者などの国民健康保険など、保険の種類ごとに詳細な試算を示した。

 負担額は公務員などの「共済組合」が最も高く、28年度では被保険者本人が月950円、扶養家族などを含めた加入者全体の平均で月600円となった。大企業の会社員などの「健康保険組合」は被保険者が月850円、加入者平均で月500円。一方、中小企業対象の「全国健康保険協会(協会けんぽ)」は被保険者が月700円、加入者平均では450円と、会社員らが加入する同じ被用者保険でも金額に開きが出た。

 自営業者らの「国民健康保険」は1世帯あたり月600円、75歳以上の後期高齢者医療制度は1人あたり月350円となっている。

 国保と後期高齢者医療制度を対象に、低所得者向けの負担軽減措置を講じる。

 制度創設を盛り込んだ子ども・子育て支援法などの改正案は4月2日の衆院本会議で審議入りする。岸田首相は支援金について、社会保障改革による保険料の抑制や賃上げによる被保険者の所得増により、「全体として実質的な追加負担は生じない」と説明しているが、野党は「負担増をごまかすまやかしだ」と批判しており、負担についての説明が論戦の焦点となりそうだ。

2024.03.29 11:47:43

「孤独感がある」4割、コロナ禍去っても2年前からほとんど変わらず…専門家「恒久的な問題になりつつある」

 政府の孤独・孤立に関する全国実態調査で、何らかの形で「孤独感がある」と回答した人の割合が4割に上ったことが分かった。2022年春と23年春に発表された過去2回の調査結果とほぼ同率で、社会活動が新型コロナウイルス禍前の状態に戻っても、孤独感を抱く人の割合が変わらない実態が示された。

 3回目にあたる今回の調査は2023年12月、全国の16歳以上の2万人を対象に行われ、29日に公表された。有効回答率は55・7%だった。

 調査結果によると、孤独を感じるかどうかを尋ねた設問(選択回答式)に「しばしばある・常にある」と回答した人の割合は4・8%だった。「時々ある」(14・8%)、「たまにある」(19・7%)を合わせ、何らかの形で孤独を感じるとする回答は39・3%に上った。

 年代別にみると、30歳代の合計が46・1%。次いで20歳代(45・3%)、50歳代(44・5%)の順で、現役世代で孤独感を抱く人の割合が高かった。

 初回と前回の調査は、コロナ禍で社会活動が抑えられていた21年12月と22年12月に実施された。それぞれ何らかの形で孤独感を感じるとする回答が「36・4%」「40・3%」と4割前後を占めていた。

 早稲田大学の石田光規教授(社会学)は「現役世代の孤独は、恒久的な問題になりつつある。政府は地方自治体と協力して支援に注力すべきだ」と語る。

2024.03.28 18:05:31

京都市ワクチン業務、委託業者の過大請求8億円超…幹部が実働時間水増しを黙認

 京都市が事業者に委託した新型コロナウイルスワクチン接種のコールセンター業務で過大請求があった問題で、委託業者の「日本トータルテレマーケティング」(東京)は27日、過大請求の総額は約8億9400万円だったとする最終報告書を公表した。複数の幹部職員が不正を黙認していたことも新たに発覚。同社は全額を市に返還する方針。

 同社は2021~23年に市から委託された業務を巡り、オペレーターの人数や実働時間を実際より多く報告し、委託料を市に過大請求していた。同社は問題発覚後、外部の弁護士らによる調査委員会を設置。昨年11月に公表された中間報告では、社員2人が実働時間などについて虚偽の書類を市に提出する 隠蔽いんぺい 工作を図っていたことが明らかにされた。

 調査委は最終報告書で、この社員2人以外にも、別の複数の社員が実働時間の水増しに関与していたとし、一部の幹部はそれを黙認したと指摘。「水増し行為は特別なことではなくなっていた」と批判した。

 同社の森真吾社長はこの日の記者会見で、「命と健康を守る公共事業に重大な問題を生じさせた」と謝罪。他の自治体の業務に関する過大請求の有無についても調査を続けるとした。

 京都市は1月30日、詐欺容疑で府警に刑事告訴している。

2024.03.27 16:20:47

医療的ケア児、成人後を支援へ…「18歳の壁」解決へ受け入れ態勢を充実

 厚生労働省は新年度、重い障害がある医療的ケア児らが成人した後の支援に乗り出す。ケアを行う看護師を増やした事業所の報酬を手厚くするなどし、国内の受け入れ施設が増えるよう促す。学校卒業後、ケアのために付き添いを迫られていた家族も含めてサポートする。

 特別支援学校などには、医療的ケア児の人数の8割以上にあたる看護師らが配置され、たん吸引といったケアを行っている。

 一方、厚労省が、成人を受け入れる事業所(約1万か所)について抽出調査をしたところ、医療的ケアが必要な人が利用する施設は2割に満たなかった。看護師がおらず、家族に付き添いを求める施設もあり、関係者は成人への移行期を「18歳の壁」と呼んで支援を求めていた。

 このため、厚労省は新年度以降、成人を受け入れる施設を増やそうと、障害福祉サービスの基本報酬を今より細分化し、事業所の規模やケアの提供時間に応じて報酬を増額することにした。

 具体的には、主に重い障害がある利用者を5人以下に絞って手厚いケアを行う事業所の報酬区分などを新設する。従来20人まで利用できた施設の基本報酬が1人当たり1日1万2880円だったのに対し、新たな区分だと新年度以降に7~8時間ケアすれば1万6720円に増える。

 さらに医療的ケアを行う看護師らの人数に応じて加算し、入浴などの生活介護や、医療的ケアを行う場合の報酬も上乗せする。厚労省は今後、多くの事業者が参入し、家族の負担が軽減されると見込んでいる。

 東京都日野市にある生活介護事業所を運営し、医療的ケアが必要な重症心身障害児の親(41)は、「これまでは成人すると、お世話になる生活介護事業所が少なくて困っていた。今後、地元に事業所が増えるとありがたい」と語る。

 厚労省によると、在宅で療養する国内の医療的ケア児は推計2万人。医療的ケアが必要な成人の人数を示す公的な統計はなく、医療関係者は「数万人に上る」とみている。

「18歳の壁」解決へ道半ば

 厚生労働省が新年度、医療的ケア児と家族を支える新たな施策に着手する。

 家族の多くは、子どもが幼い頃から、ケアで心身をすり減らしている。子どもが成人になると、親も体力が衰え、自分自身がケアの対象になりかねない。

 2021年9月に施行された医療的ケア児支援法は、国や地方自治体の責務に当事者だけでなく、家族の支援も定めている。当事者と家族の全国団体「全国医療的ケアライン」(東京)の宮副和歩代表は「切れ目なく支援を受けられるかどうかが重要だ」と語る。

 同法は施行から3年をメドに見直しが検討される。成立時には「成人期に移行する際の支援に万全を期す」との付帯決議がついた。

 医療的ケア児と家族に立ちはだかる「18歳の壁」の解決の道は半ばだ。国や自治体は看護師の増員といった施策に継続して取り組み、当事者の安心につなげてほしい。(社会保障部 河野越男)

医療的ケア児 = 人工呼吸器の使用や、たんの吸引、経管栄養といったケアが日常的に必要な子ども。起き上がることすら難しい重度の障害児から、歩ける子どもまで、病態は幅広い。厚生労働省などによると、在宅療養者が増えており、家族に大きな負担がかかっている。

2024.03.27 12:06:54

コロナ対策の「プレミアム食事券」、自らのレストランで232回不正利用…247万円詐取容疑で逮捕

 コロナ禍の影響を受けた飲食店などを支援する目的で千葉県が販売した「プレミアム食事券」を不正に利用したとして、県警は26日、千葉市中央区、飲食店経営の男(40)を電子計算機使用詐欺、同未遂の両容疑で逮捕した。県警は認否を明らかにしていない。

 発表によると、容疑者は2022年12月1日~23年1月3日、経営する千葉市中央区富士見のレストランで232回にわたり、食事の提供を自身が受けたように装い、自らが購入したプレミアム食事券で決済。店が食事券によって支払いを受けた金額として、県から247万1536円を不正に得た疑い。

 また、23年1月4~29日には80回、同様の手口で利益を不正に得ようとした疑い。

 県警は、容疑者が客らに料理を提供して支払いを受けたにもかかわらず、自らの食事券を使って二重に決済をしていた可能性もあるとみている。

 県によると、プレミアム食事券の制度は22年12月に始まった。電子クーポンの形式で、県独自の要請に沿って新型コロナ対策を講じた「認証店」などで利用できた。客は1万円分の購入で、1万2000円分~1万2500円分の支払いができ、店側には集客などのメリットがあった。

 県は、食事券によって各店に支払われた金額を集計し、店側の口座に振り込んでいた。

2024.03.26 18:14:22

「コロナまだ収束していない」都民の4割超、理由は「通常の薬で治せない」最多…「感染再拡大に不安」68%

 こども家庭庁は4月から、病気の子どもを一時的に預かる「病児保育」への支援を拡充する。「当日キャンセル」による収入減を穴埋めするためキャンセル回数に応じて1施設あたり最大約100万円を上乗せして補助する。子どもの体調の変化に柔軟に対応するとともに施設の経営安定化を図り、安心して子育てできる環境を整える狙いがある。

 病児保育は、市町村から委託を受けた医療機関や保育所が、急な発熱や下痢などで登園・登校できない子どもを預かる仕組みで、2021年度時点で全国に3791か所ある。共働き世帯の増加などによる需要の高まりを受け、利用者数は約86万人と12年度と比べて1・9倍に増加した。

 ただ、子どもの体調が回復したり、保護者が休みを取れるようになったりすることで予約を急にキャンセルする人も多い。子どもの体調の変化は事前に予測しにくいため「念のため」として予約したものの、当日になって元気になってキャンセルするケースも多いとみられる。利用料が減少することに加え、施設によっては予約状況を公表しており、定員に達しているとして利用控えにつながっているとの指摘も出ていた。

 具体的には、年間のキャンセル数が多いほど補助額を大きくする。キャンセル数が「25回以上、50回未満」で24万7900円、「50回以上、100回未満」で50万2500円、「100回以上、150回未満」で67万円、「150回以上」で100万5000円を支給する。発熱時など急性期の「病児対応型」と回復期の「病後児対応型」を対象とし、国と都道府県、市町村で3分の1ずつ負担する。

 運営費への補助についても前年度から約140万円を上乗せし、1施設あたり844万3000円に引き上げる。保育士や看護師など専門スタッフの人件費を支えることで安定経営を後押しする。

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