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2024.03.26 15:48:53

「病児保育」の支援拡充、当日キャンセル対策で施設に最大100万円補助…収入減を穴埋め

 こども家庭庁は4月から、病気の子どもを一時的に預かる「病児保育」への支援を拡充する。「当日キャンセル」による収入減を穴埋めするためキャンセル回数に応じて1施設あたり最大約100万円を上乗せして補助する。子どもの体調の変化に柔軟に対応するとともに施設の経営安定化を図り、安心して子育てできる環境を整える狙いがある。

 病児保育は、市町村から委託を受けた医療機関や保育所が、急な発熱や下痢などで登園・登校できない子どもを預かる仕組みで、2021年度時点で全国に3791か所ある。共働き世帯の増加などによる需要の高まりを受け、利用者数は約86万人と12年度と比べて1・9倍に増加した。

 ただ、子どもの体調が回復したり、保護者が休みを取れるようになったりすることで予約を急にキャンセルする人も多い。子どもの体調の変化は事前に予測しにくいため「念のため」として予約したものの、当日になって元気になってキャンセルするケースも多いとみられる。利用料が減少することに加え、施設によっては予約状況を公表しており、定員に達しているとして利用控えにつながっているとの指摘も出ていた。

 具体的には、年間のキャンセル数が多いほど補助額を大きくする。キャンセル数が「25回以上、50回未満」で24万7900円、「50回以上、100回未満」で50万2500円、「100回以上、150回未満」で67万円、「150回以上」で100万5000円を支給する。発熱時など急性期の「病児対応型」と回復期の「病後児対応型」を対象とし、国と都道府県、市町村で3分の1ずつ負担する。

 運営費への補助についても前年度から約140万円を上乗せし、1施設あたり844万3000円に引き上げる。保育士や看護師など専門スタッフの人件費を支えることで安定経営を後押しする。

2024.03.25 20:36:37

小林製薬の紅麹「サプリ以外で健康被害の可能性低い」、症状訴えは33人に拡大

 小林製薬は25日、 紅麹(べにこうじ) 成分入りのサプリメントを摂取した人に腎疾患などの健康被害が確認された問題で、入院者が20人増えて26人になったと発表した。症状を訴えた人は計33人になった。紅麹は食品の原料としても他社に供給しているが、サプリ以外で健康被害が出る可能性は低いとしている。

 同社によると、新たに確認された20人はいずれもサプリ「紅麹コレステヘルプ」を摂取していた。原因について、同社が意図しない成分が含まれていたとしている。これまでの調査で、この成分は2023年7~10月に製造したサプリに含まれていることも判明した。

 同社は23年、原料として紅麹18・5トンを生産した。このうちサプリ用として自社で2・4トンを使い、他社に6・9トンを供給した。食品用として出荷した残りの9・2トンには、この成分が含まれていないことを確認したという。

 他社への供給は食品メーカーなど52社に上り、自主回収が相次いでいる。

 消費者庁は25日、小林製薬に対し、機能性表示食品として同庁に届け出ているサプリの安全性を再検証し、来月5日までに回答するよう求めた。

2024.03.22 15:47:11

遺伝子改変のブタの腎臓、世界で初めて患者に移植…専門家「機能し続けるか注視」

 米マサチューセッツ総合病院は21日、遺伝子改変したブタの腎臓を末期腎不全の患者に移植する世界初の手術に成功したと発表した。患者は順調に回復しており、近く退院する予定だ。(ワシントン支局 冨山優介)

 動物の臓器を移植する治療法は「異種移植」と呼ばれ、臓器提供者不足の解決につながると期待されている。2022年には米メリーランド大でブタの心臓を使った世界初の異種移植が行われたが、患者は2か月後に死亡した。

 同病院によると、患者は62歳の男性。糖尿病と高血圧を長年患い、18年に人の腎臓の移植手術を受けたが、約5年後に腎不全の症状を示すようになり、人工透析を再開していた。

 同病院は、他の治療法がない場合などに認められる試験的な治療として、米食品医薬品局(FDA)から承認を受け、男性の同意を得て手術を実施した。手術は今月16日に実施され、約4時間に及んだ。

 移植したブタの腎臓は米バイオ企業イージェネシスが提供した。患者の体内で拒絶反応やウイルス感染が起きにくいように計69か所の遺伝子を改変している。

 男性は病院を通じ、「自分だけでなく、生きるために移植を必要とする多くの人々に希望を与えるものだ」との声明を出した。執刀チームの河合達郎・同病院臨床移植寛容センター長は取材に「長年、透析を受けている患者らの福音となることを願っている」とコメントした。

 日本でもイージェネシス社から細胞の提供を受けた遺伝子改変ブタが誕生しており、数年内にブタの腎臓や心臓の異種移植を目指す計画が進んでいる。

 愛知医科大の小林孝彰教授(移植外科)の話「移植した腎臓が3か月後、6か月後も機能し続けているかどうかが重要で、引き続き状況を注視したい」

2024.03.21 11:38:51

大麻摘発が過去最多の6482人…20代以下で全体の7割超、若年層での蔓延が深刻化

 昨年1年間に全国の警察が大麻事件で摘発した人数が過去最多の6482人(前年比1140人増)に上り、記録が残る1958年以降で初めて覚醒剤事件の摘発者数を上回ったことが21日、警察庁のまとめでわかった。10歳代も初めて1000人を超え、同庁は若年層で大麻の 蔓延(まんえん) が深刻化しているとみている。

 発表によると、年代別では、20歳代が3545人(同692人増)、10歳代が1222人(同310人増)と20歳代以下だけで全体の73・5%を占めた。続いて30歳代が974人(同43人増)だった。

 10歳代の摘発は、年々増加しており、2014年の80人から約15倍になった。低年齢化が加速しており、高校生は前年比約1・4倍の214人、中学生も同約2倍の21人だった。

 警察庁が昨年10~11月、大麻の単純所持容疑で摘発した1060人を対象にした調査では、初めての大麻使用年齢は「20歳未満」が52・5%に上り、17年に行った同様の調査の36・4%から約16ポイント上昇していた。

 動機はどの年代も「好奇心・興味本位」が最多で、入手先を知った方法は20歳未満の半数が「インターネット経由」だった。利用したツールはX(旧ツイッター)が約9割だった。

 昨年の大麻の末端価格は1グラム5000円で、同6万6000円の覚醒剤の13分の1程度。16歳を境に摘発が増える傾向があり、警察庁は「入手が容易になり、有害性の認識も低くなっている」とみて、高校生を対象に啓発活動を強化する。

 一方、昨年1年間に覚醒剤事件で摘発された人数は5914人(前年比210人減)だった。16年以降減少が続いていたが、覚醒剤の押収量は1342・9キロ(同1053・9キロ増)と増加した。外国人による営利目的の密売が目立つ。

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