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2024.10.02 13:36:17

認知症 タイプ別で3番目に多い「レビー小体型」の特徴は?…パーキンソン病と似た症状が出ることも

 認知症といえば「アルツハイマー型」が知られていますが、「レビー小体型」と呼ばれるタイプもあります。幻覚や運動障害などが特徴的な病気です。症状が多岐にわたるため、どの治療を優先するのか、医師と患者の意思の疎通が特に重要になります。(竹井陽平)

 異常なたんぱく質が集まってできた「レビー小体」と呼ばれる物質が大脳の広範囲にたまることで、発症すると考えられています。精神科医の小阪憲司さんがこの病気を発見し、1976年以降に論文で報告しました。

 70~80歳代に多く、女性よりも男性の方がやや多い傾向にあります。長寿医学研究所などが亡くなった人の脳を調べた研究では、レビー小体型は、認知症のタイプ別でアルツハイマー型、血管性に次いで3番目に多いことがわかりました。レビー小体が大脳と脊髄をつなぐ脳幹にたまると、体の硬直や運動障害を招く「パーキンソン病」になることが知られています。

 患者の7~8割にみられるのが存在しない人がはっきり見えるなどの幻覚で、「部屋で知らない子どもが遊んでいる」「亡くなった妻がいる」などと訴えます。

 時間の経過に伴い、認知機能が上下するのも特徴です。朝は家族と普通に会話をしていたのに、夕方になると相手が誰かわからなくなることも起こります。

 歩く速度が遅くなり、つまずきやすくなることもあります。パーキンソン病と同様に、脳からの指令を筋肉に伝える神経伝達物質のドーパミンを作る細胞が減少するためです。転倒による骨折で寝たきりになると、さらに症状が進むので注意が必要です。「パーキンソン症状」と呼ばれています。

 このほかに、寝ている時に大声を上げたり暴れたりする睡眠障害や、気分がひどく落ち込む「抑うつ症状」、自律神経の障害による便秘や尿失禁などもよくみられます。

 症状がみられたら、日本認知症学会や日本老年精神医学会の専門医を参考に医療機関を探し、早期に受診することが大切です。一度たまったレビー小体の除去は困難で根本治療はありません。それぞれの症状に対する治療を行い、生活の質を上げることが大切です。

治療に優先順位

 ある症状の治療が別の症状を悪化させる可能性があります。例えば、神経伝達物質・アセチルコリンが不足して起こる「認知機能障害」や「精神症状」の幻覚を治療しようとアセチルコリンを増やす薬を投与すると、「自律神経障害」の尿失禁や、パーキンソン症状に悪影響を与えます。パーキンソン症状を治療するためにドーパミンを増やすと、精神症状などの悪化を招くことがあります。

 そのため、どの症状を優先的に治療していくのか、主治医は患者のニーズを考える必要があります。

 しかし、近畿大や大阪大などの研究では「患者が治療してほしい症状」と「主治医が考える患者が治療を望む症状」が一致する割合は、50%ほどでした。8割の患者が何を困っているのかを答えられるのに、医師側の思い込みで軽視された場合があると考えられています。近畿大教授(精神神経科)の橋本 まもる さんは「どの症状の治療を優先したいのか、患者自身と家族もきちんと伝えてください」と話しています。

2024.10.01 15:07:39

東工大・東京医科歯科大が統合、「東京科学大学」発足…学生「研究分野広がるのはメリット」

 東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して1日、東京科学大学が発足した。研究力や国際性などが国内最高水準である「指定国立大学法人」同士の統合は初めて。科学大は理工学と医歯学との「医工連携」で、新しい研究分野の開拓を掲げる。

 1日午前、科学大の大岡山キャンパス(東京都目黒区)では、新大学名の銘板にかぶせられていた「東京工業大学」の表示が外され、真新しい「東京科学大学」がお目見えした。

 新銘板の前で友人と記念撮影をしていた情報理工学院(学部・大学院に相当)1年の鈴木 日向ひなた さん(19)は「東京工業大の名前がなくなったのはさみしいが、研究できる分野が広がったのは大きなメリット。医療とAI(人工知能)の組み合わせなどに挑戦してみたい」と話した。

 一方、旧医歯大の湯島キャンパス(東京都文京区)に通う医学部2年の野呂 静流しずる さん(20)は「科学大発足という歴史的瞬間を学生として迎えられてうれしい。医工連携で、より多くの命を救えるようになると期待している」と話した。

 科学大は、東工大の理、工など6学院と、医歯大の医、歯学部で、学生約1万3000人が学ぶ。

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