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2024.10.11 17:12:05

障害者施設で虐待疑い38件…神奈川「愛名やまゆり園」、10年常態化

 神奈川県厚木市の県立障害者支援施設「愛名やまゆり園」で職員による虐待が相次ぎ、検証を進めていた第三者委員会は10日、中間報告書を発表した。約10年前から虐待の疑いがある行為が計38件確認され、虐待を受けた利用者は11人、虐待を行った職員は9人とし、「虐待が常態化していた」と指摘した。

 発表によると、虐待は2014年頃から昨年まで続き、▽「ハンマーチャンス」と呼んで利用者の頭やくるぶしを木づちなどでたたく▽「 さかずき チャレンジ」と称して利用者に大量の水分を取らせる▽ダイエットや運動と称し、廊下を走らせたり、スクワットをさせたりする――などの行為が確認された。

 ほかにも、職員が菓子をボウルに山盛りにして「これから餌付けだからよ」などと発言したり、「死ねよ」「能なし」と暴言をはいたりしていた。他の職員が笑いながら見ていることもあった。

 幹部職員は、虐待の疑いが出ても事実確認を行わず、該当職員を異動させるだけにとどめ、問題視する職員に対しては懲戒処分を示唆する威嚇を行っていたといい、報告書は「組織全体に 隠蔽いんぺい 体質が 蔓延まんえん していた」と指摘した。

 施設を巡っては昨年11月、男性職員が20歳代の入所者に暴行を加え、右足骨折の重傷を負わせる傷害事件が発生。運営する社会福祉法人「かながわ共同会」からの委託を受け、弁護士ら7人でつくる第三者委が1~9月、職員らへのヒアリングなどを行っていた。

2024.10.07 13:56:07

市販薬「オーバードーズ」、薬局・ドラッグストアの2割が目的確認せず複数販売…厚労省が対策強化へ

 若者を中心に市販薬のオーバードーズ(過剰摂取)による健康被害が問題となる中、全国の薬局やドラッグストアの2割が、乱用の恐れがある市販薬を複数個販売する際、法令で定めた購入目的などを確認していないとする調査結果を厚生労働省がまとめた。厚労省は確認の徹底を求め、対策の強化を図る方針だ。

 厚労省は依存性のある6成分を含む風邪薬などの市販薬について、医薬品医療機器法の省令などで販売する数や方法を規制している。1人原則1個とし、複数個を購入する人には理由を確かめる。中高生ら若年者は個数を問わず氏名と年齢の確認も義務付けている。

 調査は2023年11月~24年3月に実施。委託業者の調査員が全国の薬局やドラッグストアなど1256店で対象の市販薬の複数個購入を試み対応を調べた。

 その結果、240店(19%)では質問などを受けず購入。残りは適切に対応しており、611店(49%)では1個しか購入できず、405店(32%)では必要な理由を伝えて購入できた。

 また、インターネット販売についても調べると、140サイトのうち25サイト(18%)では確認がなく複数購入できた。

 オーバードーズにより意識がもうろうとしたり、呼吸が苦しくなったりして救急搬送される事例が各地で報告されている。厚労省は、乱用の恐れがある市販薬について20歳未満には、容量の大きな製品や複数個の販売を禁じるなどの新たな規制を検討している。

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