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2024.01.18 14:27:55

PCR検査事業への出資金名目で6000万円詐取疑い、6人逮捕…数十億円集金か

 新型コロナウイルスのPCR検査キット販売事業への出資金名目で現金6000万円を詐取したなどとして、警視庁は17日、医療関連会社「アイチェック」(東京都中央区)社長の金子賢一容疑者(44)(中央区勝どき)ら男6人を詐欺や金融商品取引法違反(無登録営業)容疑で逮捕した。警視庁は2022年春以降、全国の約100人から計数十億円を集めたとみて実態を調べる。

 他に逮捕されたのは、いずれも金子容疑者の知人で、コンサルティング会社役員の入江正和(50)(港区浜松町)、別のコンサルティング会社社長の曽我郁人(29)(港区高輪)両容疑者ら。

 捜査関係者によると、金子容疑者らは22年3~9月頃、金融商品取引業の登録をせず、都内の会社役員ら5人に対し、自社で行うPCR検査キット販売事業への出資を勧誘。このうち3人に「月5~8%の配当を出す」「元本を保証する」などと虚偽の説明をして、出資金名目で計6000万円をだまし取った疑い。

 PCR検査を巡っては、当時、都道府県が無料検査事業の登録事業者に補助金を交付。アイチェック社は事業者と提携して無料検査所を運営していた。金子容疑者らは「補助金で5倍近くの利益が出る」「コロナはいつ収束するかわからない。出資できるのは今だけ」と勧誘していたという。

 配当が滞り、出資者が昨年春に警視庁に相談して発覚した。警視庁は、金子容疑者らが出資金を検査キット販売事業に回さず、出資者への配当や個人の借金返済などに充てたとみて、資金の流れを調べている。

 同社は20年12月に設立。ホームページによると、新型コロナやピロリ菌の検査キット販売などを手掛けている。民間信用調査会社によると、22年11月期の売上高は約57億円だった。

2024.01.17 14:59:38

中国の人口208万人減の14億967万人、出生率は建国以来最少…「人口減時代」突入か

 【北京=川瀬大介】中国の国家統計局は17日、香港、マカオを除く中国本土の総人口が2023年末時点で14億967万人となり、前年から208万人減少したと発表した。人口減は1961年以来、61年ぶりに減少に転じた2022年に続いて2年連続。出生数は7年連続して前年を下回った。中国は、本格的な人口減時代に入った模様だ。

 23年の出生数は902万人で、前年比54万人の減少だった。死亡数は1110万人で、人口の減少幅は前年の85万人から拡大した。人口1000人当たりの出生率は6・39人で、出生数とともに1949年の建国以来最少を更新した。

 65歳以上の人口は2億1676万人で、総人口に占める割合は前年から0・5ポイント増の15・4%。少子高齢化が進んでいる実態も浮き彫りになった。

 中国の人口減は、1979年に導入された「一人っ子政策」が2015年末に廃止されるまで続いたことによる影響が大きい。中国では人口減に危機感を強める 習近平シージンピン 政権の号令で、出産を奨励する補助金の支給など対策が打ち出されているが、歯止めがかからない状況だ。

 国連人口基金(UNFPA)の推計によると、中国は23年中に人口世界一の座をインドに明け渡したとみられている。

2024.01.16 15:51:35

老化抑える脳細胞特定、マウス実験で寿命延長も成功…5年以内に人への応用目指す

 老化を抑える働きを持つ脳内の神経細胞をマウス実験で特定したと、米ワシントン大の今井眞一郎卓越教授(老化学)らの研究チームが発表した。この神経細胞を操作して老化を遅らせ、寿命を延ばすことにも成功しており、5年以内に人での臨床応用を目指すという。論文は米科学誌「セル・メタボリズム」に掲載された。

 チームは、哺乳類の視床下部にある「Ppp1r17神経細胞」に注目した。遺伝子操作でこの神経細胞の働きを強化したところ、何も操作しなかったマウスより寿命が7~8%延びた。運動量も通常の1・5~2倍に増加したという。

 この神経細胞は脂肪細胞を刺激し、老化を抑える働きがある「 eNAMPT 」という酵素を分泌させる。加齢とともにこの神経細胞の働きが衰え、老化が進むと考えられるという。今井氏は「人間でも同様の仕組みがあるか確かめ、抗老化の治療法の実現に向け、研究を進めたい」と語る。

 理化学研究所の影山龍一郎・脳神経科学研究センター長(神経発生学)の話「特定の神経細胞が、寿命にこれほど影響することが示されたのは驚きだ。仕組みの解明や人での研究が進めば、老化研究は大きく進展する」

2024.01.16 09:00:00

開運力やモテ度を顔動画で判定、就活・婚活での自己診断に活用…徳島大が開発「今後は医療分野でも」

 徳島大は人の心について、顔のわずかな振動やその周波数を分析することで、「健康」「情熱」「モテ度」など“心の魅力度”を判定するシステム「カリスマ鑑定団」を開発したと発表した。就活、婚活で自己診断に使えるほか、今後は医療分野への活用も目指す。(北野浩暉)

 システムでは、スマートフォンなどで約1分間、静止した顔の動画を撮影し、表情の微妙な動きや、頭部の微振動、その周波数などを解析。それらの数値から、攻撃性やストレス、安定性、自制心など10項目について点数化し、10万人のビッグデータと照らし合わせて鑑定する。

 鑑定では▽心の健康▽才能▽情熱▽前向きな思考にもとづく「開運力」▽人を引きつける「モテ度」の5要素を合わせて「心の魅力度」と定義。上限を350点とし、260点以上は「カリスマ、モテ無限大」、230点以上は「エリート、モテモテ」、200点以上は「ホープ、チョイモテ」などの5段階で心の魅力度を判定し、結果に応じたアドバイスを提示する。

 システムで使用しているのは、カメラで撮影した情報と画像処理により、人のわずかな動作や微振動を解析できる「バイブライメージ技術」。人間の頭部の微振動は、平衡感覚をつかさどる前庭器官や感情的な反射とつながっており、頭や目の動きが感情の状態を反映するという。

 この技術は、かつて旧ソ連が潜入したスパイを見つけるために開発。現在、日本でも防犯システムなどに活用されているという。

 「カリスマ鑑定団」は、脊椎動物であれば使用可能で、犬や猫の「心の魅力度」も判定できるという。これまで就職活動中の学生の自己分析に使ったり、婚活に導入したりして検証を重ねてきたという。

 開発した徳島大学大学院社会産業理工学研究部の宇都義浩教授(情報工学)は「自分で取り繕えない、無意識の動きを解析するシステム。うつ病治療など、医療分野でも活用できるように研究を進めたい」と話した。

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