記事・コラム 2022.01.10

医者が知らない医療の話

【2022年1月】ワクチン騒動記 Ⅳ

講師 中川 泰一

中川クリニック

1988年関西医科大学卒業。
1995年関西医科大学大学院博士課程修了。
1995年より関西医科大学附属病院勤務などを経て2006年、ときわ病院院長就任。
2016年より現職。

 12月になってからコロナワクチンの接種件数が減ってきた。元来、11月末で1回目、2回目の接種の受付は終わっている。明確に「もう受けれません!」では無いけど、公的な接種場は大体が閉鎖。一般の医療機関も受け付けなくなっている。もともと、「すでにウチの病院にカルテのある患者さんにしか打ちません。」と言う所が多くて、12月の初回接種は難民化している感じがする。

 12月になると医療関係者の3回目が始まっているので、そんな方が来られている。「どうして自分のところで打たないの?」「ウチではやらないから、どっか他で打ってきてと言われまして。」クリニックなどの小規模のところではやっぱりめんどくさいんだろうな。ウチはまだまだワクチンの在庫があるから初回の方でも受け付けているのだが、なんだか駆け込み寺みたいになってる。「いやー調べたら、先生とこはまだ打ってくれるみたいで助かりました。」

 で、初回の人々である。中学生、高校生が多いのだが、「熱出たら嫌だから冬休みまで待ってました。」「試験が終わるまで待ってました。」と副反応を警戒した人が多い。でも中には年配の人がいたりする。「どうして今まで打たなかったんですか?」「介護してまして時間が無かったんです。」「入院してまして、やっと出てこれました。」と真っ当な話もあるが、「いやー何となく。でも、そろそろ打たないとまずいかなと。」みたいな方もいる「早く打っといた方がいいよ。」「はあーごもっともです。」しかし、もっと酷いのは「海外行くのにワクチンパスポートがいるって言われたので、至急打ってください。」大体この手の方々は、紹介が多い。中にはというかほとんどが「ワクチン反対ないし不要派」だ。「あのー、あれだけ言っといて今更なんですけど何とかなりませんか?」ほら、言わんこっちゃない。でもホトケの中川先生は「大丈夫だよ。在庫あるから。」ところが、「良かった。年末までに接種証明必要なんでお願いしますね。」「そりゃ無理だよ。」

 なんせ、公的接種証明は、本人の接種券に医療機関で2回分の接種したというロット番号などを記載したシールを貼ってもらった物を役所に持っていき、医療機関から問診票に接種券のシールとロット番号のシールやら記載したものとの情報とを都合させて初めて発行される。つまり、医療機関から各行政に書類を送付して、それを役所で処理(手入力)し終わってないと発行されないのだ。この書類の処理が大体、月末締めで送るから、打ったタイミングによるが早くて2回目接種してから1ヶ月はみとかないとダメなのだ。

 「えー!年明け早々に行くんですけど・・・」「ウチで接種したっていう診断書出してあげるよ。」「助かります!」ホトケだね。まったく。まあ、公的な接種証明が出来るまでは、これで海外渡航していたからね。

 一方、3回目接種の問合せが多い。2回目接種から8ヶ月経たないと打てないのだが、待ちきれない人が多いのだ。1回目、2回目は接種券なしでも打てたから、今回もと思うのは無理ないんだが。政府も早く打ちたいんだろうが、多分ワクチンの供給の問題があるのだと思う。前回は「何が何でも早く打て!」でやって、予想外に打ったモンだから供給が追いつかずに大騒動になった。まあそれを避けたいんだろうと思う。

 現に一般接種(一般の医療機関での接種)でも、今回はファイザーだけでなくモデルナも扱いませんかと言う問合せがあった。ただ、条件としてファイザーとモデルナを別途管理して云々とめんどくさいこと行ってきたので断った。ファイザー一社だけでも管理大変なのに、摂取量も異なるモデルナのワクチンまで扱うとなると、事務、管理の手間が2倍どころか何倍もかかる。第一、煩雑になると「打ち間違い」がおこると思う。

 「ファイザーで予約になってますよね?」「イヤ!モデルナって言ってたやろ!間違えたんか?!」なんて事になるのは容易に想像つくよね。

 行政も医療機関に過剰な手間をかけさせない様にしないと。自分達は人と予算が有り余ってるからなのか、1億枚以上あるはずの問診票を一枚一枚チェックして、接種日が3週間より1日でも早かったら理由の問合せが来る。日本はなんでこんなに非効率な紙の作業が多いんだろうね。結局はなんだかんだ言っても人と予算が有り余っているからなんだろう。無駄の多い紙仕事が無くならないのも、日頃はその程度の仕事量しかないからなんだろうと思う。いざとなれば高額バイトいっぱい雇えば済むしね。コロナ禍でそう言う所が白日の元に晒されたと思うけどね。年末に東京都の偉い役人さんと話してると、政治家さん(絶対知事の小池さんと思う!)に振り回されてるみたいだけどそろそろ限界じゃないかな。

 以前、東京都がコロナの感染者数情報をファックスでやり取りしてるニュースを見た中国人の知り合いに「21世紀でまだ、ファックス使ってる国があったんですか?!」と驚かれた話をしたけど、皆さんも知り合いに中国の人が居たら一度「We Chat」見せてもらって頂きたい。「We Chat」知ってます?これを単に中国でつながる「LINE」(LINEも結構なことできますけどね。)程度に思ってたら大間違いですよ。クレジットから銀行融資、ショッピング、病院の遠隔診療(日本からのも)などの民間サービスだけでなく役所の手続き、税金、年金などの手続きなんかも全てこのアプリで完結するのだ!私も中国の診察の時は使ってたのだが、日本人にはこの様なサービスは提供されてないからわからなかったが、中国の知り合いから「ねえ先生、これ見てね。ほら、こんなことやあんな事(いっぱいあり過ぎるので割愛)できるでしょう。」「おー!スマホの中に、銀行や病院、はては市役所から税務署、年金事務所までみんな入ってるみたいなもんだ!」

 最後はなんか役所批判みたいになったけど、一体いつまでこんな非効率のままでコロナに対応するんでしょう?これを機会に日本ももっと効率良くしていかないとねえ。

 「We chat」の件はそのうち後日談、乞うご期待。

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