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記事・コラム 2026.10.13

プロフェッショナルインタビュー

第5回「自分が役に立っているという実感が原動力になっているのかもしれません。」国際医療NGOジャパンハート副理事長 感染症内科・総合診療科 神白 麻衣子先生

話題沸騰!数々の人気番組に出演している医師たちが語る
「キャリア」「信念」「未来」そのすべてに迫るインタビュー!

どのようにしてスキルを高め、逆境を乗り越えてきたのか?
日常の葛藤、医師としての信条、そして描く未来のビジョンとは――。

【出演番組一部抜粋】
国際報道番組「キャッチ!世界のトップニュース」

【ジャパンハート 主なメディア出演】
情熱大陸、グッと!地球便、カンブリア宮殿、世界を変える100人の日本人!など。

今回は【国際医療NGOジャパンハート副理事長 感染症内科・総合診療科】の神白 麻衣子 先生のインタビューです!
テーマは 第5回「自分が役に立っているという実感が原動力になっているのかもしれません。」をお話しいただきます。

プロフィール

名前
神白(こうじろ) 麻衣子(まいこ)
病院名
ジャパンハート医療センター(カンボジア)、
ジャパンハートアジア小児医療センター(カンボジア)
所属
国際医療NGOジャパンハート
所属学会
日本内科学会
日本感染症学会
日本プライマリケア連合学会
資格
  • 内科学会認定医
  • 内科学会総合内科専門医
  • プライマリケア認定医
  • 感染症学会専門医
  • 厚生労働省認定臨床研修指導医
経歴
  • 1974年東京都東久留米市で生まれる。
  • 1999年千葉大学医学部を卒業する。
  • 2007年沖縄県で地域医療に従事する。
    その後ジャパンハートのボランティア医師として「ミャンマー・カンボジア」の活動に参加する。
  • 2009年タイ マヒドン大学熱帯医学ディプロマコース(6ヶ月)を修了する。
  • 2010年長崎大学病院熱研内科に所属し、熱帯医学・感染症・呼吸器診療、医学生・研修医教育に従事する。
  • 2011年5月にジャパンハートの理事に就任する。
  • 2016年5月にジャパンハートがカンボジアに設立した病院で長期ボランティア・スタッフ医師として活動する。
  • 2018年ジャパンハートこども医療センター院長(現ジャパンハート医療センター)に就任する。

※カンボジア病院事業責任者を兼任する。

─ ジャパンハートは災害活動にも力を入れていますが、どのような活動をされているのですか。

ジャパンハートが災害支援活動を始めたのは、2008年にミャンマーにナルギスというサイクロンが来て、何カ月もの救援活動を行ったことがきっかけです。その後、東日本大震災がありました。災害地は医療が不足しますので、そういうところに医療を届けにいかなくてはいけません。亜急性期の医療やその後のサポートなど、大きい組織ではできないことでも小さい組織だからこそできるので、それを長く継続してきました。その後、緊急救援活動をする部署として、IER(International Emergency Relief)が立ち上がったわけです。たまたまですが、私は2008年のミャンマーのサイクロンのときは現地にいましたので、それに加わりました。何か特別なことを勉強したわけではないのですが、僻地医療など、リソースのないところでの診療経験がそこで役に立ちました。もちろん最初はかなり未熟でしたが、そういう経験があったので、サイクロン、東日本大震災、フィリピンの台風、熊本地震など国内外の災害ごとに医療者を派遣しようという動きがあり、私も参加できるときに参加してきました。私がその活動をリードしてきたわけではないのですが、色々な現場に出させていただきました。

─ ジャパンハートの今後の展開を教えてください。

私が今、カンボジアの医療活動責任者をしていることもあって、個人的にはカンボジア人の方々がしっかりした医療を提供できるようになってほしいですし、日本人の力があまりいらなくなるというか、彼ら自身で自分たちの国民の健康を守っていける組織を作りたいと思っています。これまで指導してきたことや一緒にジャパンハートを広げてきたカンボジア人への願いみたいなところもあります。
ジャパンハートとしては海外でやっている医療活動を日本に還元していくことを考えています。今の日本では感じられなくなった医療の原点みたいなものをカンボジアやミャンマーなどではまだ強く感じます。日本ではいかにものを無駄にしていたかなどをカンボジアなどで感じる人は多いんです。例えば、縫合や結紮に使って短くなった糸は日本では捨てますが、、カンボジアでは結べない長さになるまで使います。、低コストで最大限の医療をするモデルみたいなものを日本の決まりにとらわれずに作っていくことができるはずなので、そういった経験や方法論を日本に還元していくことでも役に立てると思います。日本も医療費が増大して困っていますし、給料などの医療従事者のモチベーションなども関わってくると思います。色々な意味で日本に還元できるポテンシャルがあるので、それをしっかりやれるような場所を整えていきたいですね。

─ 神白先生を動かしている原動力は何でしょうか。

一つは義務感ですね(笑)。私にとってはカンボジアなどの海外で医療をすることはあまりに日常的なので、突き動かすものが日本だから、海外だからというのは全くないのですが、どこにいようが、困っている人がいれば、そこで助けになれればと思っています。そういう場所で働くことができて、自分が役に立っているという実感が原動力になっているのかもしれません。

─ 最後に、若い医師へメッセージをお願いします。

大前提として、私たちが活動する国々は貧困や医療における課題がさまざまあり、今も困っている人がたくさんいます。しかしながらアジアの国々は大きく発展しているので、日本人が何かをやってあげるみたいなことが通じなくなっている部分もありいます。要は現地のレベルが上がってきているんです。経済成長とともに、医療も発展していくので、日本人が何かやってあげようと思って行ける国は限られてきています。私はまだ日本と途上国の差が大きかった時代に現場に来たので、0よりも0.3や0.5でもあれば「ないよりはマシ」といった気持ちで、がむしゃらにやっていくことができました。一方で今の人たちはそうではないかもしれません。私は、学生時代や若いときに一度、現場を見に行くことは大切だと思っていますので、これまで「若い人は若い人なりに感じることがあるだろうし、短期ボランティアなり、ツアーなりでとにかく海外を肌で触れて感じて、何が必要なのか、必要だと思ったことをきちんと身につけて帰ればいい。まずは一回、来てごらんよ」と言ってきました。
ですが、今はかつての途上国も発展して来て、日本との差は縮まっています。そのため、もし海外で本当に役に立ちたいと考えているなら自分の武器になるものを持っていると良いと思います。
また、ときどき質問されることが「海外に行くなら、何科の医師になると良いですか」ということですが、これは何科でも良いです。自分が思う、これだという科で良いですよ。そうでないと、研修も一生懸命できないですし、現地のニーズはどんどん変わっていくので、現地でその科が不要になれば、それを続けていくモチベーションがなくなります。最近、ジャパンハートには色々な診療科の医師が来てくれています。例えば、消化器内科、消化器外科、形成外科などの先生もいます。なかなか来ないのですが、意外とニーズがあるのは麻酔科です。やはり高度な手術を行う際に、十分な麻酔や安全な麻酔がかけられないということは障壁になりやすいです。でも、海外での医療をするためにこの科を選んだというのではなく、自分でこの科をやりたいと希望して、それをしっかり究めて、それをどこかで役立てたいという気持ちでいるといいのではないでしょうか。