【第27回】新疆ウイグル自治区は東西交易の要衝~現代も続く「西域経営」
2024年03月05日 公開新疆ウイグル自治区は広大であり、その面積は日本の約4.4倍。中国全体の約6分の1を占め、周辺8カ国と国境を接している。 その地形は非常に複雑。「三山挟両盆」(三つの山脈が二つの盆地を挟む)と形容される。 自治区内を東西に […]
講師 千原 靖弘
内藤証券投資調査部
1971年福岡県出身。東海大学大学院で中国戦国時代の秦の法律を研究し、1997年に修士号を取得。同年に中国政府奨学金を得て、上海の復旦大学に2年間留学。帰国後はアジア情報の配信会社で、半導体産業を中心とした台湾ニュースの執筆・編集を担当。その後、広東省広州に駐在。2002年から中国株情報の配信会社で執筆・編集を担当。2004年から内藤証券株式会社の中国部に在籍し、情報配信、投資家セミナーなどを担当。十数年にわたり中国の経済、金融市場、上場企業をウォッチし、それらの詳細な情報に加え、現地事情や社会・文化にも詳しい
新疆ウイグル自治区は広大であり、その面積は日本の約4.4倍。中国全体の約6分の1を占め、周辺8カ国と国境を接している。 その地形は非常に複雑。「三山挟両盆」(三つの山脈が二つの盆地を挟む)と形容される。 自治区内を東西に […]
現在は主に中国西部の新疆ウイグル自治区に定住するウイグル人だが、9世紀まではモンゴル高原に帝国を築いたテュルク系の遊牧民族であり、人種はモンゴロイドだった。 755年に中国の唐王朝で「安史の乱」が勃発すると、ウイグル帝国 […]
日本でウイグル人の姿を目にした人は、きっと少ないだろう。一方、中国駐在の経験がある日本人などは、中国の街角で彼らを見かけ、強い印象を持ったのではないかと思う。 ウイグル人のステレオタイプな容貌は、鼻筋が高く、髪や眼の色も […]
チベット自治区は広大だ。面積は日本の約3倍に相当し、中国の8分の1を占める。だが、人口は2021年末で360万人ほど。日本の横浜市と同程度であり、中国の0.3%にすぎない。1㎢の人口密度は3人を下回り、日本の100分の1 […]
チベットは百年あまり前まで、謎が多い“世界地図の空白”だった。この地で育まれたチベット仏教が世界に知られると、“神秘の地”というイメージがさらに広がった。そうした神秘のベールの裏側を今回は紹介する。 チベットでは7世紀に […]
日本や西洋で“チベット”と呼ばれる地域は、中国語で“西蔵”(シーザン)という。チベット語では“プー”と呼ぶ。 中国語の“西蔵”という呼称は、17世紀中ごろから清王朝で使われるようになった。このうち蔵(ザン)の字は、チベッ […]
モンゴル人の元王朝が中国を支配していた13世紀に、この地を旅したマルコ・ポーロの東洋に関する知見は、「東方見聞録」という書物にまとめられ、欧州各地に伝わった。 「東方見聞録」が伝えた中国の姿は、当時の欧州人には信じられな […]
漢民族の中国社会は多様であり、北緯33度付近の秦嶺山脈と淮河を東西に結ぶ「秦嶺・淮河線」を境に、北部と南部に分かれる。漢民族も小麦食の北方人と米食の南方人に分かれ、言語や文化も大きく異なる。 北部と南部は、そもそも自然環 […]
主食が違うと、文化も異なる。中国は北緯33度付近の秦嶺山脈と淮河を東西に結ぶ「秦嶺・淮河線」を境に、小麦食の北部と米食の南部に分かれる。中国の主要民族である漢民族も、この線を境に「北方人」と「南方人」に大別され、明瞭な差 […]
中国は北緯33度付近の秦嶺山脈と淮河を東西に結ぶ「秦嶺・淮河線」で南北に分かれる。中国の北部と南部は、社会の有様が異なるが、その背景に農業と主食の違いがある。 「秦嶺・淮河線」は年間降水量800ミリ等量線であり、1月平均 […]
中国の主要都市にある大型ホテルには、全国各地から人が集まる。漢民族の中国語は方言の違いが大きいうえ、55の少数民族は独自の言語を話す。ホテル館内ですれ違う宿泊者の会話が理解不能なのは、中国では普通のことだ。中国のホテルに […]
ここ数年の中国では、中国の時代劇に登場しそうな華やかで優美な衣装の若者の姿が、しばしば見られる。この衣装を“漢服”という。 “中国的な伝統衣装”としては、漢服のほかに“唐装”がある。唐装にはいくつかの意味があり、一つは文 […]
一昔前は中国人のイラストを描くのが非常に簡単だった。いわゆる“人民服”さえ着せれば、それは誰の目にも中国人として認識された。中国人の誰もが同じような服を着ていたことは、世界の人々の目に奇異に映った。 みんなが人民服を着た […]
“一つの中国”原則とは、「世界に中国は一つしかない」という考え方。だが、現実には中国本土の中華人民共和国と台湾の中華民国の対立が、七十年以上も続いている。 こうしたなか、英国の植民地だった香港は1997年に主権が中華人民 […]
香港は1997年6月30日まで160年近くにわたり英国の統治下にあり、社会主義化を免れた。その結果、香港には中国古来の習俗が多く残り、その一つに「風水学」がある。 風水学の歴史は長く、その基盤となった思想は、中華文明とと […]
中国の国歌は、「義勇軍進行曲」という。スポーツ競技会で中国人選手が金メダルを獲得すると、この曲が演奏される。聞き覚えのある日本人も多いだろう。 その作曲者は聶耳(じょうじ)という男性。1912年に雲南省昆明市に生まれた彼 […]
バイオテクノロジー(生物工学)は人類にとって、言葉の響きこそ新しいが、古くから慣れ親しんでいる技術だ。 バイオテクノロジーとは、生物の機能を利用し、人間にとって有益な物質を獲得することだ。例えば、バイオ医薬品とは“生物由 […]
“なぜ中国株投資を勧めるのか?” それは日本の投資家による国際分散投資で、中国株が有望な選択肢の一つだからだ。 “なぜ国際分散投資が必要なのか?” “日本株投資だけでは、ダメなのか?” そうした疑問に対しては、「資産運用 […]
コロナ禍の終わりが見えなかった2022年2月4日に、北京冬季五輪が開幕した。ロシアのウクライナ侵攻が噂される暗い世界情勢のなか、開会式は「人類運命共同体の構築」をテーマに、“簡素、安全、精彩”の三点が求められた。 200 […]
中国株が大きく動くと、上海の証券会社に群がる個人投資家の姿が、日本のニュース番組でも紹介されたりする。 そうした光景を見た人から、“中国人はカネに卑しい”という感想を聞いたことがある。日本人らしい感想だ。 日本では昔から […]