NEW 【第48回】同族意識と連帯感はそれほどでも~二つのモンゴルの違い
2025年01月20日 公開モンゴル国(モンゴル・オルス)の前身である「モンゴル人民共和国」は、世界で2番目の社会主義国であり、1991年まで70年近くソビエト連邦の衛星国だった。 一方、中国の内モンゴル自治区(内モンゴル)は、中華人民共和国が誕生 […]
講師 千原 靖弘
内藤証券投資調査部
1971年福岡県出身。東海大学大学院で中国戦国時代の秦の法律を研究し、1997年に修士号を取得。同年に中国政府奨学金を得て、上海の復旦大学に2年間留学。帰国後はアジア情報の配信会社で、半導体産業を中心とした台湾ニュースの執筆・編集を担当。その後、広東省広州に駐在。2002年から中国株情報の配信会社で執筆・編集を担当。2004年から内藤証券株式会社の中国部に在籍し、情報配信、投資家セミナーなどを担当。十数年にわたり中国の経済、金融市場、上場企業をウォッチし、それらの詳細な情報に加え、現地事情や社会・文化にも詳しい
モンゴル国(モンゴル・オルス)の前身である「モンゴル人民共和国」は、世界で2番目の社会主義国であり、1991年まで70年近くソビエト連邦の衛星国だった。 一方、中国の内モンゴル自治区(内モンゴル)は、中華人民共和国が誕生 […]
清王朝はゴビ砂漠の南北でモンゴル人の土地を区別。17世前半に統治下に置いた南側を「内蒙古」として厚遇した一方、17世紀後半まで独立していた北側を「外蒙古」として処遇した。 外蒙古はハルハ部という大部族が中心。一方、内蒙古 […]
世界で2番目に広い内陸国「モンゴル国」は、中国の「内モンゴル自治区」(内モンゴル)に接している。面積はモンゴル国が世界18位の157万㎢。内モンゴルは118万㎢で、世界25位のコロンビアよりも広い。 2020年の人口は、 […]
中国政府は「回族」という少数民族を公認している。その人口は2020年の調査で1138万人に上り、中国の総人口の0.81%に相当。55種類の少数民族では3番目に多い。 また、中国には回族の自治権を認めた「寧夏回族自治区」が […]
日本人は民族意識が希薄だ。日本人という自覚はあっても、大和民族と意識すること極めてまれだし、民族名を忘れている人も多い。 しかし、中国人は違う。中国本土で民族名とは、氏名、生年月日、性別と同列の個人情報。身分証にも記載さ […]
内藤証券では毎年4月に新人研修を開催する。筆者は「中国株の基本」という講義の研修講師を毎年引き受けている。だが、日本株すら詳しくない新人に、いきなり中国株の話は早すぎる。そもそも、中国についての知識も、十分とは言えないか […]
複式簿記はよる会計は、今や世界中で採用されている。この記帳法の起源をめぐっては諸説あるが、最も有力なのが13~15世紀ごろのイタリアで誕生したという説だ。 中国で最初に西洋の複式簿記を採用したのは、清王朝末期の1905年 […]
「大会」という言葉などの「会」という漢字は、中国の標準語「普通話」で「ホイ」(hui)と発音する。ただし、「会計」の「会」の字では、「クアイ」(kuai)という発音になる。 「会」という漢字を「クアイ」と発音するケースと […]
実在する人物の神格化は、古代より洋の東西を問わずに行われた。西洋では古代のエジプト、ギリシャ、ローマなどで、君主や英雄が存命中や死後に、神として崇められた。 ローマ帝国では元老院の承認を経て、亡くなった皇帝を神格化するこ […]
中国本土の株式会社は、社名の最後がもれなく「股份有限公司」となっている。この「股份」とは、株式という意味だ。 日本の「株式」は、江戸時代の「株仲間」に由来する。株仲間は同業の問屋によるカルテル組織。「株」を持つ問屋だけが […]
香港の住環境は劣悪だ。観光地である香港島のビクトリアピーク(太平山)から周囲を眺望すると、山腹に華麗な豪邸が点在するが、これは極めて例外的な存在。多くの香港市民は、“狭い、古い、高い”の三拍子そろった住宅で暮らしている。 […]
香港の面積は札幌市と同程度にすぎないが、域内の“街並み景観”は多様だ。 英領香港の土地は、“王領植民地”(クラウン・コロニー)と中国からの租借地に分かれていた。王領植民地は香港島と九龍地区。租借地は“ニューテリトリー”( […]
英領香港の土地制度は複雑だった。“アヘン戦争”を終結させた「南京条約」が1842年8月29日に締結され、1843年6月26日に発効。これに先立つ1843年4月5日に、大英帝国のビクトリア女王は “香港勅許状”(中国語:英 […]
1978年12月に改革開放が始まる前の中国本土では、都市の住宅とは売買できる“私有財産”ではなく、勤務先の“単位”から従業員へ割り当てられる“公有財産”だった。 “単位”とは、中国の政府機関や国有企業などを意味する言葉だ […]
共産主義を標榜する中華人民共和国では、三大生産要素の筆頭格である土地が、国有あるいは集団所有となっている。個人所有の土地は存在しない。「中華人民共和国憲法」の第十条にも、“都市の土地は国家所有に属す”と明記されている。農 […]
急速な近代化や経済発展にともなう労働力需要は、新たな犯罪組織が勃興する契機となる。日本では明治時代がそうだった。 明治時代の前から日本のヤクザ者には、賭場を資金源とする「博徒系」と露天商を営む「的屋系」という二つの系統が […]
香港の三大犯罪組織として知られる「和勝和」「14K」「新義安」は、その創設背景は異なるが、いずれも清王朝の時代に誕生した秘密結社「洪門」の伝統を引き継いでいる。 香港を含む広東では、「洪門」から派生した「三合会」が、犯罪 […]
香港には多くの犯罪組織が存在し、その歴史は長い。中国南部では清王朝の時代から、「天地会」と呼ばれる秘密結社が存在した。その目的は中国を征服した満州人の清王朝を転覆し、漢民族の明王朝を復興すること。天地会は明王朝の開祖であ […]
中国共産党(共産党)が統治する中国本土でも、犯罪集団の存在が暴かれることがある。そうした悪者どもの界隈を「黒社会」と呼ぶ。 黒社会の犯罪集団は、改革開放政策による高度経済成長の副産物だ。正業を営んでいた地方の商売人や無頼 […]
新疆ウイグル自治区のウイグル人は1200万人弱。一方、ドイツのミュンヘンに拠点を置く世界ウイグル会議などの海外団体は、2000万~3000万人に達すると主張しているが、これを多くの学者は否定している。 米国では2018年 […]