話題沸騰!数々の人気番組に出演している医師たちが語る
「キャリア」「信念」「未来」そのすべてに迫るインタビュー!
どのようにしてスキルを高め、逆境を乗り越えてきたのか?
日常の葛藤、医師としての信条、そして描く未来のビジョンとは――。
【出演番組一部抜粋】
主治医が見つかる診療所、林修の今知りたいでしょ!、など
今回は【東京女子医科大学病院 高血圧・内分泌内科】の市原 淳弘先生のインタビューです!
テーマは 第1回「新しい時代の新しい身体の不調を解析するための内分泌内科」をお話しいただきます。
目次
- プロフィール
- フジテレビで2025年5月27日に放送された「100歳でピンピンピン!」(現「何歳でもピンピンピン!」)に登場されました。その後の反響はいかがでしたか。
- 2025年9月4日にはテレビ朝日の「林修の今知りたいでしょ!」にもご出演されました。
- テレビの影響は大きいですか。
- 高血圧・内分泌内科での最近のトピックはどのようなものがありますか。
- 講座や標榜科目に「高血圧」と入っているところは珍しいですよね。
- 先生が東京女子医科大学に来られたことで変更になったのですか。
- 最近、先生が打ち込んでいらっしゃるご研究はどのようなものですか。
- 2004年に臨床研修制度が必修化されたことで、基礎医学に進む方が減ったと伺ったことがあります。基礎医学に進む方を増やす取り組みはされていますか。
- 研究助手の方々は医師免許をお持ちなのですか。
- そういう方々を雇用できるのは恵まれていますよね。
プロフィール
- 名前
- 市原(いちはら)淳弘(あつひろ)
- 病院名
- 東京女子医科大学
- 所属
- 高血圧・内分泌内科
- 資格
-
- 日本内科学会専門医、指導医
- 日本高血圧学会理事、評議員、特別正会員、専門医、指導医
- 日本内分泌学会評議員、専門医、指導医
- 日本心血管内分泌代謝学会理事、評議員
- 日本動脈硬化学会評議員、専門医、指導医
- 日本妊娠高血圧学会監事(前理事長)
- 日本腎臓学会学術評議員、専門医、指導医
- 米国心臓学会高血圧部門評議員
- 日本透析医学会専門医など。
日本循環器学会、日本糖尿病学会、日本抗加齢医学会、日本神経内分泌学会、日本甲状腺学会、米国内分泌学会、欧州内分泌学会、国際高血圧学会、米国生理学会にも所属している。
- 経歴
-
- 1961年に愛知県名古屋市で生まれる。
- 1986年に慶應義塾大学を卒業後、慶應義塾大学病院内科で研修医となり、大田原赤十字病院(現 那須赤十字病院)などに勤務する。
- 1990年に慶應義塾大学内科学教室に入局し、慶應義塾大学病院に勤務する。
- 1995年に米国Tulane大学に留学する。
- 1998年に帰国し、川崎市立井田病院に勤務する。
- 2001年に慶應義塾大学腎臓内分泌代謝内科助手に就任する。
- 2007年に慶應義塾大学抗加齢内分泌学講座講師に就任する。
- 2009年に慶應義塾大学抗加齢内分泌学講座准教授に就任する。
- 2011年に東京女子医科大学内科学(第二)講座主任教授に就任する。
- 2018年に東京女子医科大学内分泌内科学講座教授・講座主任に名称変更となる。
- 2025年に東京女子医科大学内科学講座液性病態制御内科学分野教授・基幹分野長に名称変更となり、東京女子医科大学病院副院長・卒後臨床研修センター長を兼任する。
- 2026年に東京女子医科大学高血圧・内分泌内科特任教授、兼病院長補佐に就任する。
─ フジテレビで2025年5月27日に放送された「100歳でピンピンピン!」(現「何歳でもピンピンピン!」)に登場されました。その後の反響はいかがでしたか。
血糖値とアレルギーについてのお話をしましたが、その回は視聴率が良かったらしく、大勢の方に見ていただいたようです。患者さんや病院で一緒に働いているスタッフはもちろん、病院の廊下を掃除していたスタッフの方にまで「先生、見ましたよ」という声をかけていただきました。
─ 2025年9月4日にはテレビ朝日の「林修の今知りたいでしょ!」にもご出演されました。
猛暑が長引いていたこともあり、そちらの番組では夏の高血圧を改善するための方法について、お話ししました。
─ テレビの影響は大きいですか。
大きいですね。私がするべき仕事自体は変わらないのですが、仕事のしやすさは多少変わったように思います。
高血圧・内分泌内科の最新のトピック
─ 高血圧・内分泌内科での最近のトピックはどのようなものがありますか。
私どもの科の患者さんの数で最も多いのが原発性アルドステロン症、2番目に多いのが下垂体疾患なんですね。原発性アルドステロン症は「治せる」高血圧です。私どもの科は「高血圧・内分泌内科」であり、「高血圧」という疾患名が内分泌の一つ前についていますので、こういった患者さんの中から内分泌性の高血圧、つまり内分泌が原因の高血圧の患者さんを積極的に治していきたいと思っています。そこで、色々な治験に取り組みながら、新しいお薬を試しています。また、原発性アルドステロン症の診断において、より高い正確性を求めています。例えば、両側の副腎腫瘍が原因であっても一部ずつであれば手術で治せる症例もあります。そのため、選択的な副腎静脈サンプリングを取り入れるなど、患者さんにとって、これまでの治療がベストではなく、そのベストを上回る、さらに良い治療が何かないか常に見つけようとチャレンジしています。
─ 講座や標榜科目に「高血圧」と入っているところは珍しいですよね。
そうですね。講座や標榜科目に高血圧というワードがあるところはそんなにないと思います。「腎・高血圧」はよくあるのですが、私どものように「高血圧・内分泌」は珍しいです。かつて東北大学が「腎高血圧内分泌科」と標榜されていた時代がありますが、今は私どもが唯一ではないでしょうか。
─ 先生が東京女子医科大学に来られたことで変更になったのですか。
いえ。私が東京女子医科大学に来る1年前に内分泌内科が高血圧・内分泌内科に変わっているんです。ですから、私が来たから変わったのではなく、大学のほうが内分泌という希少疾患だけでなく、高血圧という幅広く、数多い患者さんのいる疾患も診るのだという方向性を打ち出したかったのではないかと思います。これは一つの例ではありますが、私たちは通常、生きていく中で身体の不調を感じたりすることがあります。そういう状況では身体の中で必ずホルモンのバランスが狂ったり、異常が起きたりしています。私たちはそのようなホルモンの異常を医学的に解析することに取り組み、それも治療の対象にしています。「高血圧・内分泌内科」には従来の古典的な内分泌疾患だけを診ればいいというわけではなく、新しい時代の新しい身体の不調を解析するための内分泌内科という意味が込められているのだと考えています。
─ 最近、先生が打ち込んでいらっしゃるご研究はどのようなものですか。
最近ということではなく、私が慶應義塾大学の腎臓内分泌代謝内科に入局したときの教授でいらした猿田享男先生から研究するように勧められたプロレニンの研究は今も続けています。その中でも、プロレニンがホルモンとして結合するプロレニン受容体という受容体があるのですが、この研究に打ち込んできました。2019年には『Nature』誌から依頼を受け、レビューも書きました。日本ではこの分野を専門にしている人がなかなかおらず、その後、専門にする人が増えてきたので、私が作ったマウスや抗体が欲しいという引き合いが世界中から届いています。そのため、プロレニン受容体の研究は今も細々と続けています。最近は若い医師が基礎研究をやりたがらないのですが(笑)、是非この研究を継承していただければ嬉しいです。やはり若い先生方は臨床をメインでやっていきたいのでしょうが、基礎研究の醍醐味を感じてくれる先生がいればいいなと思っています。
─ 2004年に臨床研修制度が必修化されたことで、基礎医学に進む方が減ったと伺ったことがあります。基礎医学に進む方を増やす取り組みはされていますか。
基礎医学者の報酬や生活の質がより良いものになっていけば、基礎医学の道に進もうという先生方も増えていくかもしれません。ただ、臨床医が基礎医学をやっていくのは働き方改革もあるため、時間的にも本当に難しくなっています。「うまく時間を使え」と言っても、人間の使える時間には限度がありますよね。そこで、私どもの教室には2人の研究助手に来てもらっています。言葉は悪いのですが、この研究助手を「うまく使う」ことが大事です。「うまく使う」というのは研究助手の協力を仰ぎながら、自分が取り組みたい基礎研究や、あるいは自分がやっている臨床研究に繋がる疑問を解決してくれるような基礎研究を進めていこうというものです。その研究助手に指示をしながらお手伝いしたいただく形ですね。私たちが若い頃は自分でピペットを使い、自分でネズミをさばき、自分で全てをしていましたが、今の時代は研究助手の協力を得ながら、研究を進めていただければと思っています。
─ 研究助手の方々は医師免許をお持ちなのですか。
いえ、医師免許を持っている人たちではないです。
─ そういう方々を雇用できるのは恵まれていますよね。
そこは頑張って、研究費を確保しました(笑)。研究費があるから、研究助手を雇用できるんですね。そのためには私自身が研究費を獲得するための努力をしないといけません。科研費を含めて、そういった費用を獲得することが必要なので、その努力をしています。