医療ニュース 2024.03.21
大麻摘発が過去最多の6482人…20代以下で全体の7割超、若年層での蔓延が深刻化
昨年1年間に全国の警察が大麻事件で摘発した人数が過去最多の6482人(前年比1140人増)に上り、記録が残る1958年以降で初めて覚醒剤事件の摘発者数を上回ったことが21日、警察庁のまとめでわかった。10歳代も初めて1000人を超え、同庁は若年層で大麻の 蔓延 が深刻化しているとみている。
発表によると、年代別では、20歳代が3545人(同692人増)、10歳代が1222人(同310人増)と20歳代以下だけで全体の73・5%を占めた。続いて30歳代が974人(同43人増)だった。
10歳代の摘発は、年々増加しており、2014年の80人から約15倍になった。低年齢化が加速しており、高校生は前年比約1・4倍の214人、中学生も同約2倍の21人だった。
警察庁が昨年10~11月、大麻の単純所持容疑で摘発した1060人を対象にした調査では、初めての大麻使用年齢は「20歳未満」が52・5%に上り、17年に行った同様の調査の36・4%から約16ポイント上昇していた。
動機はどの年代も「好奇心・興味本位」が最多で、入手先を知った方法は20歳未満の半数が「インターネット経由」だった。利用したツールはX(旧ツイッター)が約9割だった。
昨年の大麻の末端価格は1グラム5000円で、同6万6000円の覚醒剤の13分の1程度。16歳を境に摘発が増える傾向があり、警察庁は「入手が容易になり、有害性の認識も低くなっている」とみて、高校生を対象に啓発活動を強化する。
一方、昨年1年間に覚醒剤事件で摘発された人数は5914人(前年比210人減)だった。16年以降減少が続いていたが、覚醒剤の押収量は1342・9キロ(同1053・9キロ増)と増加した。外国人による営利目的の密売が目立つ。