医療ニュース 2024.02.20

子どもの「付き添い入院」、家族の負担軽減へ…病棟スタッフ増やし睡眠・食事の時間確保

 厚生労働省は新年度、入院する子どもの世話を家族が泊まり込みで行う「付き添い入院」の環境改善に取り組む。今年6月から適用される新たな診療報酬で、医療機関に対し、子どもを見守る保育士らを手厚く配置するよう促す。小児科病棟のスタッフを増やし、家族が十分に睡眠や食事を取れるようにする。

 付き添い入院を巡っては、ケアが長期にわたって体調を崩す事例が多い。自宅との二重生活で経済的に困窮するケースもある。

 厚労省の2022年度調査によると、回答した小児科病棟の半数以上が保育士や、食事や排せつなどを介助する看護助手を配置していなかった。付き添い入院の当事者や支援団体は、手薄な態勢が家族の負担を増やしているとし、対応を求めていた。

 厚労省は新たな診療報酬で、保育士や看護助手を採用、増員した医療機関に加算する。従来、保育士については人数にかかわらず、子ども1人当たり1日「1000円」を加算していたのを見直し、2人以上配置した場合は「1800円」に引き上げる。家族は保育士に子どもを見てもらう間に休息や食事を取る。

 看護助手については、夜間も働ける人員を配置した医療機関に、新たに子ども1人あたり1日「1510円」を算定できる仕組みを作った。

 このほか、厚労省は小児科病棟のある医療機関に、付き添い入院する家族に病院食を提供したり、寝やすいベッドを用意したりするなどの配慮を求める。

 難病の子どもの治療などにあたる国立成育医療研究センター(東京)の笠原群生病院長は「今回の改定は、子どもの療養環境の改善に役立つ」と語っている。

 NPO法人「キープ・ママ・スマイリング」(東京)が昨年6月に公表した調査によると、22年までの5年間に付き添いをした親ら3000人を超す家族のうち、85・4%が熟睡できず、51・8%が子どもと同じベッドに寝ていた。65・1%が院内のコンビニや売店で食事を購入していた。

付き添い入院= 母親ら家族が入院する子どものそばで寝起きしながら世話する行為。食事や排せつ、入浴などの介助を行う。本来は看護師らの業務である「たん吸引」などの医療的ケアを担うこともある。厚労省は看護師の代役になる付き添いを原則禁じているが、子どもの看護は、親の方が円滑に進むため、医師の許可があれば付き添い入院を認めている。

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