医療ニュース 2024.02.15

創薬ベンチャー企業が破産申請、負債総額15億円…コロナ治療薬を福岡県と共同開発

 新型コロナウイルス治療薬の研究開発に取り組んでいた福岡県久留米市の創薬ベンチャー企業「ボナック」が、福岡地裁久留米支部に破産を申請したことが14日、分かった。申請は9日付。東京商工リサーチ福岡支社によると、負債総額は約15億円。

 東京商工リサーチ福岡支社や福岡県などによると、同社は2010年に設立され、県と同市などが出資する第3セクター「久留米リサーチ・パーク」に本社と研究開発拠点を開設。20年から県と共同で、新型コロナウイルスの遺伝子に直接作用し、ウイルスの増殖を抑える治療薬「核酸医薬」の研究開発を進めてきた。

 同年12月には、国立研究開発法人「日本医療研究開発機構」(東京)の医療研究開発革新基盤創成事業に採択され、治療薬の開発費として50億円の支援を受けることが決まった。しかし、22年5月の同機構の中間評価で「抗ウイルス効果をほとんど示さないことが確認された。医薬品としての開発は現状では困難」との結果が示され、開発の継続は不可とされた。

 ピークだった18年12月期の売上高は約5億7100万円だったが、その後は大幅な減収が続き、22年12月期は約10億7800万円の赤字を計上。昨年12月末で久留米リサーチ・パークから退去していた。

 県新産業振興課は「新型コロナ治療薬の開発は革新的な取り組みだっただけに大変残念だ。創薬には多額の開発費が必要で、これからも挑戦するベンチャー企業を支援していきたい」としている。

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