医療ニュース 2024.01.16

開運力やモテ度を顔動画で判定、就活・婚活での自己診断に活用…徳島大が開発「今後は医療分野でも」

 徳島大は人の心について、顔のわずかな振動やその周波数を分析することで、「健康」「情熱」「モテ度」など“心の魅力度”を判定するシステム「カリスマ鑑定団」を開発したと発表した。就活、婚活で自己診断に使えるほか、今後は医療分野への活用も目指す。(北野浩暉)

 システムでは、スマートフォンなどで約1分間、静止した顔の動画を撮影し、表情の微妙な動きや、頭部の微振動、その周波数などを解析。それらの数値から、攻撃性やストレス、安定性、自制心など10項目について点数化し、10万人のビッグデータと照らし合わせて鑑定する。

 鑑定では▽心の健康▽才能▽情熱▽前向きな思考にもとづく「開運力」▽人を引きつける「モテ度」の5要素を合わせて「心の魅力度」と定義。上限を350点とし、260点以上は「カリスマ、モテ無限大」、230点以上は「エリート、モテモテ」、200点以上は「ホープ、チョイモテ」などの5段階で心の魅力度を判定し、結果に応じたアドバイスを提示する。

 システムで使用しているのは、カメラで撮影した情報と画像処理により、人のわずかな動作や微振動を解析できる「バイブライメージ技術」。人間の頭部の微振動は、平衡感覚をつかさどる前庭器官や感情的な反射とつながっており、頭や目の動きが感情の状態を反映するという。

 この技術は、かつて旧ソ連が潜入したスパイを見つけるために開発。現在、日本でも防犯システムなどに活用されているという。

 「カリスマ鑑定団」は、脊椎動物であれば使用可能で、犬や猫の「心の魅力度」も判定できるという。これまで就職活動中の学生の自己分析に使ったり、婚活に導入したりして検証を重ねてきたという。

 開発した徳島大学大学院社会産業理工学研究部の宇都義浩教授(情報工学)は「自分で取り繕えない、無意識の動きを解析するシステム。うつ病治療など、医療分野でも活用できるように研究を進めたい」と話した。