目次
いよいよ国試目前! 走り抜く為に必要なものは?
~国家試験対策 冬編~
【初めに】
さぁ、いよいよ国試ですね。直前だからこそ、皆様も気が張り詰めている事でしょう。
試験の直前というのは非常に緊張感が高まります。
そこで、今回は迫る国試に向けて、どのような順序で対策をしていくのか、大まかな指針を紹介させていただこうと思います! 何かの役に立てば幸いです。
【試験までの1ヵ月でやってはいけない勉強】
臨床問題系の過去問を解き直す事
まず一番気を付けるべきはこれ。過去問は一般問題や画像問題のみを解き、間違えた問題の選択肢をチェックして、まとめてください。
臨床問題はこれまでの病態生理学の講義で十分に解く力はついたはずです。なので、この1ヵ月は暗記せざるを得ない知識を一生懸命暗記してください。
特に優先的に取り組むべきなのは公衆衛生です。公衆衛生は暗記した分だけ直前期は伸びます。なので、公衆衛生を中心に暗記をするのが良いでしょう。
前期配信分のビデオ講義に取り組むこと
前期配信分のビデオ講義に今更ながら取り組むようでは能率が悪いです。というか、そんな時間の余裕はまずないはずです。
一先ず、直前期は直前期向けのビデオ講義を必死に倍速で視聴するまではありと思いますが、それ以上のビデオ講義視聴は困難を極めるでしょうし、お勧めしません。
やるならば、絞る。それを心掛けてください。
【直前講習で気を付けておくべき事】
ラストメッセージ、ラストV……各予備校、それぞれ直前講習があると思います。
直前講習で演習した内容が何かと国試本番で出がちだという事も考えると、直前講習はできるだけ受けておきたいところ。しかし、この時に気をつけておかねばならない事が一つあります。
それは、講師の「出る」を鵜吞みにせず、本番はきちんと自分の頭で考える事。
例えば、過去にこんな案件がありました。某予備校の直前講習で非閉塞性腸管虚血(NOMI)が出題されるという話が出てきたのですが、この年確かに選択肢にNOMIが入っていました。ただし、不正解選択肢として。この結果、その問題は非常にシンプルであるにもかかわらず何と20%程度の正答率まで落ち込んだのです。
なので、やはり国試では講師の話と言っても鵜呑みにせず、自分の頭できっちりと考えて答えを出す事が重要です。
【皆さん、 “これ” は忘れていませんね?】
ホテルの予約と会場までの経路の確認
この円安の影響で、全国的にホテルの予約が取りにくくなっているのは皆さまご存じの事かと思います。遠方から受験する人は、直前だからこそホテルの予約は必ず確認しておきましょう。最悪、ホテルがない場合は民泊を使うのも手です。
また、会場までの交通手段はしっかりと確認しておきましょう。アクセスが実は凄く悪く、到着するのに凄く時間が掛かる、という場合もあります。
勉強をしているとつい勉強以外を忘れがちです。友人・ご家族とも確認をし合いましょう。
着脱しやすい服やカイロの準備
この冬の試験会場でありがちなのが、暖房が暑すぎたり、窓際の席で寒かったり滅茶苦茶足元が冷えたりして、試験に集中できないという現象です。
なので、着脱しやすい服や足元用のカイロなどをちゃんと用意しておくのが良いと思います。場合によってはタイツなども履いておくと寒さ対策になります。
それと、最近はこのコロナ禍の影響で試験会場の窓を開けているというパターンがあるんですよね……気を付けてください。
当日の食べ物と飲み物
これは後述しますが、当日食べるものと飲み物は必要十分持っていくようにしておきましょう。特に飲み物は想像以上に喉が渇きますので、最低でも1.5 l分は持って行く事。
大体の試験会場は自販機があると思いますが、この試験の日に限って自販機に行列ができる、自販機が売り切れているなどの出来事がよーく受験会場では起きます。
そんな事で試験のモチベーション下げたくないですよね? だからこそ気を付けましょう。
【試験当日に絶対にやってはならない事一覧】
ブロックごとに友達と問題の感想の言い合いと答え合わせ
これは絶対にやめましょう。
理由としては、いわゆる割れ問なんて国試では死ぬほどある訳です。下手をすると削除問題なんてものもある中、まだ結論も出ていないのにあの問題が難しかった、この問題が難しかったと感想を言い合ったり、あの答えだったのかこの答えだったのかとやったりするのは自殺行為です。不安感しか募りません。
なので、その暇があるのならば自分で作ったまとめノートを見たり、友達と口頭試問したりするように心掛けてください。
泣いたり喚いたりしている人間に意識を向ける事
試験会場で~ブロックが出来なかったと泣いたり喚いたりしている人がしばしばいます。
絶対に相手をしてはいけません。気にしてもいけません。さらに言うと、そういう人を見てこの試験は難しいんだという思い込みを作ってはいけません。
非常に厳しい事を言うと、シンプルにそれはその人の勉強不足なのです。どんな難易度であろうと、自分の全力を粛々と出せばいいだけです。それでできなかったのであれば、それがその人の実力なのです。
その為、可能であればこういう人を視界に入れないためにも、ブロックが終わったら、すぐに人が少ないスペースに移動することをお勧めします。
食べ過ぎと飲み過ぎ
これはシンプルです。食べ過ぎは眠気を、飲み過ぎは尿意を招きます。なので、試験時は食べ飲み過ぎ禁物です。
当日の食べ物はあっさりした、おにぎりやサンドイッチなどの軽食にとどめておくのがよいかもしれません。それでもどうしても眠くなる時は、カフェインの出番でしょうね。僕も試験当日は眠眠打破を持って行ってました。
逆に食べなさすぎ・飲まなさすぎも頭が働きませんので、バランス感覚を持って当日は食べ物・飲み物を準備してください。
【もし試験前日などに緊張しすぎて眠れないような時は】
試験前日や当日、過度の緊張で万全の調子が出せない人もきっといる事でしょう。
そういう人は、抗不安薬を使用されるのも良いと思いますが、抗不安薬の代用品として、ハーブティーを利用されるとか、漢方薬ならば桂枝加竜骨牡蠣湯が緊張を取るのにかなり有用なので、利用してみても良いかもしれません。
抗不安薬は時折眠くなるので、ハーブティーか漢方くらいがいい感じにリラックス効果があるでしょう。他にも、目のホットタオルや耳のマッサージなどもリラックス効果は期待できると思うので、是非過緊張の時には試してみてください。
【最後に】
実習期間でやるとよい、国家試験対策を解説させていただきました。
国家試験の過去問を優先的に解くと、今の自分の実力が見えます。今の自分の実力が見えれば、自ずとどれだけの勉強量が必要なのか可視化できると思います。
そして勉強するときも、ある程度の要領を知っておくことが大切になります。今回は国試の導入の部分に関して簡単に紹介させていただきました。
皆様が国試の第一歩を無事踏み出せますよう、心の底から応援しております!
著者プロフィール
ペンネーム:なつ
プロフィール:市中病院勤務の脳神経内科医。趣味は釣りと小説と東洋医学。臨床をこなしながら、CES医師国家試験予備校で講師として「アウトプットする授業」をモットーとして学生の指導に当たっている。
僕のコラムが何らかの形で皆様の力になれば幸いです。
一緒に頑張りましょう!