Does COVID Cause Cancer?
新型コロナウイルスはがんの原因となるのか?
新型コロナウイルス (COVID-19) が癌 (がん) を引き起こすかどうかについて扱っています。
新型コロナは「がんのリスク」を高めるのか?
~ウイルスと発がんの関係を科学的に解き明かす~
「コロナががんを引き起こす」という話題がSNSなどで広まっていますが、それは本当なのか?
がん研究者であり、自身もがんを経験した科学系YouTuberが、ウイルスと発がんの関係を医学的に検証。
SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)がどのように細胞や遺伝子に影響を与えるのか、そして“本当に危険なのか”を、最新の研究をもとに解説します。明らかになりました。
ウイルスは「がんを引き起こす」と言えるのか

動画の冒頭では、「何かが“がんを引き起こす”という表現自体が誤解を招く」と指摘。
喫煙でさえ“直接”がんを「引き起こす」わけではなく、リスクを上昇させるに過ぎません。
がんは単一の疾患ではなく「cancers」と複数形で語るべきであり、それぞれに異なる発症メカニズムがあります。
この科学的前提の上で、「新型コロナ感染が将来的に発がんリスクを上げる可能性があるか」を探ります。
コロナとがんの「つながり」はあるのか

既知のウイルスには、ヒトパピローマウイルス(HPV)やEBウイルスのように、発がんとの関連が確認されているものもあります。
ではSARS-CoV-2はどうか? 現時点で「感染から数年」での急増は見られていませんが、がん発症までには通常10〜20年のタイムラグがあるため、判断は時期尚早です。
疫学的にも、重症化しやすい人=高齢者が多く、もともとがんリスクが高い層と重なるため、単純な因果関係の特定は困難です。
細胞レベルで見えてきた“発がんメカニズム”

研究では、SARS-CoV-2感染が「p53」などの腫瘍抑制遺伝子を減少させる可能性が報告されています。
重症感染者では感染24週後もp53の回復が見られず、これは細胞がDNA損傷を修復できず“自己破壊信号”を出せない状態を意味します。
さらに、コロナウイルスが血圧調節系(RAS)を乱し、アンジオテンシンⅡを増やすことで、肺・大腸・膵臓・乳腺などのがん関連経路を活性化させる可能性も。
つまり、ウイルス感染が“がん化の方向に細胞を押しやる”メカニズムが部分的に確認されつつあります。
ただし、現時点で「恐れるべき」段階ではない
現状では「リスク上昇の兆候はあるが、確証はない」というのが科学界の一致した見解。
統計的にも、喫煙と肺がんのオッズ比が8倍以上であるのに対し、コロナ感染と胃がんの関連は約2.9倍と限定的です。また、若年層の大腸がん増加はコロナ以前から続く長期的トレンドであり、直接的因果は考えにくいとされています。

医学的な正確さとわかりやすさを両立した、信頼できる科学解説。
ウイルスと発がんの関係、p53遺伝子、エピジェネティクスなど、医師にとっても興味深いテーマが丁寧に語られます。
コロナ後の医療と研究を考えるうえで、一度は見ておきたい内容です。
SNSで広がる“がん不安”を正しく理解したい方にもおすすめです。
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