The First CRISPR Gene Therapy Is Here
初のCRISPR細胞が登場
CRISPRが現場にやってきた!──遺伝子編集が切り拓く、鎌状赤血球症の新治療
CRISPRという名前を耳にしたことはあっても、それが「患者を治す手段」になったと聞いたら驚きませんか?

本動画では、遺伝子編集技術CRISPR-Cas9を用いた世界初の遺伝性疾患治療「Casgevy(キャスジェビー)」の実用化までの道のりと、その実際の治療プロセスを、科学的かつ親しみやすいトーンで解説しています。鎌状赤血球症治療のパラダイムシフトを、臨床の視点で追体験してみませんか?
鎌状赤血球症の課題と「Casgevy」の登場

鎌状赤血球症は、酸素運搬に関わるヘモグロビンの遺伝子変異により、赤血球が変形・凝集し、重篤な貧血や血管閉塞性発作、臓器障害を引き起こす疾患です。従来の治療は対症療法が中心で、根治には骨髄移植しかありませんでしたが、適合ドナーが見つからない患者も多く、治療選択肢は限られていました。
そんな中、登場したのがCRISPR-Cas9を用いた「Casgevy」。患者自身の造血幹細胞から「胎児型ヘモグロビンの抑制遺伝子」を切断し、再び胎児型ヘモグロビンを発現させるというアプローチで、成人患者の症状を根本から改善。臨床試験では、治療前に年2回以上の血管閉塞性発作があった患者のうち9割以上が、発作ゼロという劇的な効果を示しました。
「Life-Genia」と従来型遺伝子治療の比較

同時期に承認された「Life-Genia」は、レンチウイルスベクターを用いた従来型の遺伝子導入治療。抗鎌状型の成人型ヘモグロビンを導入することで、赤血球機能を改善します。精度やリスクに関してはCRISPRに劣るものの、こちらも有効性を証明済み。ただし、初期試験では白血病リスクとの関連が疑われる症例もあり、FDA承認には「ブラックボックス警告」が付与されました。
治療の現実──2.2億円の治療費と過酷なプロセス

Casgevy・Life-Geniaのいずれの治療も、「一度きりの根治療法」である一方、アクセス性と費用の壁は依然高く存在しています。
治療には、専門医療施設への通院、造血幹細胞の採取と遺伝子編集、全身化学療法、長期入院を伴い、費用は約2〜3億円規模。
「CRISPRが実臨床に届いた」とは言え、それを享受できるのはごく一部の患者に限られるという課題も、動画では率直に語られています。
この動画は、最先端の分子生物学がどのように臨床応用され、そして患者の人生をどう変えるのかを、科学と医療の接点から鮮やかに描いています。CRISPRが“研究室の道具”から“医療の武器”に変わった瞬間を知ることで、ゲノム医療の未来がぐっと身近に感じられるはずです。臨床医として、次世代治療の基礎教養として、ぜひご覧ください!
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