医療ニュース 2025.03.17

大人よりニコチン依存になりやすい少年、たばこと聞くだけで「また吸いたくなる」…興味本位で始め抜け出せず

 昨年12月、高知市内で20歳未満の少年にたばこを販売したとして、高知県警が70歳代の女を20歳未満喫煙禁止法違反で書類送検していたことが捜査関係者への取材でわかった。県警の統計によると、昨年1年間に喫煙で補導した少年の数は延べ894人で、2年連続で増加。県警はたばこを販売する店舗などへの指導を強化し、少年たちへの教育にも力を入れている。(田中志歩)

 捜査関係者によると、書類送検されたのは、70歳代の女で、高知市内の店舗で20歳未満であると知りながら、たばこを販売した疑い。県警は2023年にも同容疑で女を書類送検し、その後も指導を続けていたが、少年への販売を繰り返したため、昨年12月、2度目の書類送検を行った。女はその後、高知簡裁から罰金刑の略式命令を受けたという。

 同法は、健康のために20歳未満をたばこの被害から守る法律で、処罰対象は販売者や提供した親権者。たばこを購入した20歳未満の人は処罰対象にならず被害側として保護される。

 県警少年課は今回の書類送検について「個別の事案には答えられない」としながらも、同法違反については「指導や取り締まりを強化しているのは事実。少年の健全育成のため、供給元を減らさなければならない」とする。

 県警の統計では、県内で昨年補導された少年1733人(前年比224人増)のうち、半数を超える894人(同227人増)が喫煙での補導。800人を超えたのは7年ぶりとなる。

 ここまで補導者数が増えた理由として、同課少年サポートセンターは、身近で喫煙している大人の影響や、コンビニ店などでたばこ購入時の年齢確認が本人によるタッチパネルの操作でできることを可能性に挙げる。

 また、近年普及した加熱式たばこやたばこ価格高騰の影響も考えられるという。以前のセンターでは補導の際にたばこを廃棄できたが、現在はその高額さから廃棄に本人や保護者の許可が必要になっている。少年たちが保護者の目を盗んで返却されたたばこを吸うなど、再発につながっている恐れがある。

 20歳未満の少年は大人よりも、喫煙によるニコチンへの依存状態になりやすいとされる。実際、同センターで指導した中にも、更生支援の中で「『たばこ』と聞くだけでまた吸いたくなるから言わないでくれ」と耳を塞ぐ子どもや、「禁煙外来に通わせようと思う」と相談にくる親もいるという。

 少年の補導や立ち直り支援を行っている同センターは、依存の危険性について知ってもらおうと、昨年は学校などで喫煙や飲酒、薬物の危険性を伝える講義を約165回実施。担当者は「興味本位で吸い始めて抜け出せなくなる少年もいる。喫煙少年の補導や更生支援とともに、啓発活動にもより力を入れていきたい」と話している。