医療ニュース 2025.03.11

「木の実」の食物アレルギー増加、カシューナッツ表示義務化へ…意識障害など重篤な症例も

 くるみやカシューナッツといった「木の実類」が原因の食物アレルギー疾患を持つ人が近年、増えている。木の実類は菓子に使われることも多く、摂取した子供が重篤な症状に陥った事例も報告されている。消費者庁は2025年度中に、アレルギー表示が義務付けられる食品の対象にカシューナッツを加え、事業者らへの周知を図る方針だ。

 同庁が23年に行った食物アレルギーによる健康被害の実態調査では、原因となった食べ物のうち、木の実類は24・6%で、鶏卵(26・7%)に次いで2番目に多かった。14年の調査ではわずか3%程度だったが、健康志向の高まりでナッツ類を食べる機会が増えたことが要因と考えられ、約10年で大幅に割合が増加した。

 国は、摂取した際にアレルギー症状を起こす症例が多い食品などを「特定原材料」として指定し、アレルギー表示を義務付けている。現在は木の実類のくるみのほか、卵(鶏卵)、エビ、カニ、落花生などの計8品目が対象になっている。

 木の実類は砕かれた状態でケーキやアイスなどの菓子や総菜に使われることも多い。木の実類が入っているという認識がないまま食べてしまう事例もあるとみられ、特に子供では、意識障害などの重篤な症例に陥ってしまうケースが増えている。

 現在、アレルギー表示が推奨される品目に位置づけているカシューナッツについて同庁は、25年度中にもアレルギー表示の義務付け対象にすることを決めた。カシューナッツは、3~17歳がアレルギーになった原因食品の上位にあることや、17年に82件だった症例数が、23年には279件になるなど、「症例数の増加が著しい」と判断した。また、同様に症例数の増加が見られる木の実類のピスタチオも、アレルギー表示が推奨される品目に新たに加える見通しだ。

 同庁は、事業者が食品にアレルギー表示をしていなかったり、ラベルの貼り間違えをしたりする事例も多いとして、「食べた人に重篤な影響を及ぼす可能性があるので、事業者は表示のチェックに一層注意してほしい」としている。