医療ニュース 2025.02.26
高額療養費の自己負担引き上げ「凍結」を…日本乳癌学会が緊急声明「受診控えにつながり悪影響」
医療費が高額になった場合の患者の自己負担を抑える「高額療養費制度」を巡り、日本乳 癌 学会は26日、負担上限額引き上げの凍結を求める緊急声明を発表した。声明では専門家の立場から「受診控えにつながり、患者の予後改善に悪影響を及ぼす可能性がある」と強調した。
声明によると、乳がん治療は手術だけでなく、術前術後の薬物療法や放射線療法との組み合わせが主流で、高額になる。他のがんよりも比較的若い現役世代で発症しやすいとする。同学会理事の佐治 重衡 ・福島県立医大教授は「現行の制度でも、子供の学費確保などの理由で治療をためらうケースが目立つ。現役世代の負担が更に増えると、適切な治療が提供できなくなる」と話している。
2021年度の高額療養費は約2兆8500億円で、総医療費約45兆円の6・3%だ。緊急声明では、医療費の抑制は必要だとした上で「他の医療費の見直しによって対応が可能だ」とした。
がん関係の学会では、日本胃癌学会、日本緩和医療学会、日本がんサポーティブケア学会なども26日、引き上げの見直しや丁寧な議論を求める声明を発表した。様々ながんの専門医でつくる日本癌治療学会や日本臨床腫瘍学会も準備を進めている。