医療ニュース 2025.02.26
はしかと風疹の混合ワクチン不足…迫る接種期限、就学前の子が公費負担で受けられない事態も
麻疹(はしか)と風疹の混合ワクチンが不足し、小児科クリニックなどで接種を受けられないケースが起きている。メーカーの出荷停止によるもので、日本小児科医会の調査では、希望した量のワクチンを入手できない医療機関が5割に上った。4月に就学する子どもや成人男性の定期接種は3月末で期限を迎えるため、現場は対応に苦慮している。
横浜市港南区の「上大岡こどもクリニック」では、昨夏からワクチンの納入の減少が続いている。子どもの定期接種は、1歳で接種する「第1期」と就学前の1年間に接種する「第2期」がある。同クリニックは、新規予約を制限し、かかりつけの患者の第1期を優先している。佐藤和人院長は「第2期の2、3月の駆け込み需要に対応したいが、なかなか難しい」と明かす。
同会が1月に実施したアンケート調査では、回答した438医療機関のうち48%が注文したワクチンを十分確保できず、17%が第1期で予約を中止・制限していた。同じ地域でも、注文数を確保できる医療機関と、できない医療機関が混在していた。調査をまとめた同会の峯真人理事は「このまま3月末を迎えると、定期接種を受けられない子どもが出てくる。接種率が下がる恐れもある」と指摘する。
原因には、メーカー3社のうち1社が、ワクチンが承認規格の水準に達していないとして、昨年1月に自主回収を開始。その後、出荷を停止したことがある。厚生労働省は、出荷を停止したワクチンを扱う卸業者から購入していた医療機関が影響を受けたとの見方を示す。
成人では、風疹ワクチンの接種機会がなかった1962年4月2日~79年4月1日生まれの男性を対象にした「第5期」の定期接種が行われている。免疫の有無を調べる抗体検査の無料クーポン券は原則2月末、接種は3月末が期限だ。
厚労省の担当者は「残る2社の供給で例年と同程度の量を確保している」とするが、NPO法人「VPD(ワクチンで防げる病気)を知って、子どもを守ろうの会」理事長の菅谷明則医師は「数字の上で足りていても、現場で確保できず接種したい人が受けられないことが『ワクチン不足』だ。国の責務として円滑な接種に必要な措置を講じるべきだ」と訴える。