医療ニュース 2025.02.13

10~12歳児の肥満傾向が増加…コロナ禍で小学校低学年、自宅にこもって遊ぶ生活習慣など影響か

 文部科学省が12日に発表した2024年度学校保健統計調査で、肥満傾向とされた10~12歳の子どもの割合がコロナ禍前より増えたことが分かった。専門家は「自宅にこもって遊ぶなど、身についた生活習慣が影響している可能性がある」と指摘している。

 調査は、全国の5~17歳から64万9142人を抽出して行われた。

 小学校低学年のときにコロナ禍を経験した10~12歳のうち、肥満傾向とされた割合は、10歳が10・96%、11歳が11・55%、12歳が11・17%だった。コロナ禍前の19年度調査に比べ、それぞれ1・39ポイント増、1・55ポイント増、1・31ポイント増だった。一方、16歳で肥満傾向とされた割合は8・90%、17歳で9・16%で、19年度調査(それぞれ8・92%と9・29%)とほとんど変わらなかった。

 調査の統計分析アドバイザーを務めた衛藤隆・東京大名誉教授(学校保健)は、「低年齢で身についた生活習慣は改めにくい。小児期の肥満は、若年で生活習慣病を発症するリスクを高めるため、低学年でコロナ禍を経験した子どもたちの健康は今後も注視する必要がある」と話している。