医療ニュース 2024.12.05
移植希望者が施設を「複数」登録できる仕組みを今年度中に整備へ、厚労省が体制改革案を了承
脳死者から提供された臓器を移植する施設が人員や病床の不足などで臓器の受け入れを断念している問題を巡り、厚生労働省の臓器移植委員会は5日午前、移植医療体制の改革案を了承した。移植希望者が移植を受ける施設を複数登録できる仕組みを今年度中に整備するほか、日本臓器移植ネットワーク(JOT)から臓器あっせん業務の一部を地域ごとに置く新設法人に移行する。
脳死下の臓器提供数の増加に伴い、移植施設の受け入れ態勢の 逼迫 や、JOTの対応の遅れが指摘され、同委員会が包括的な改革の議論を7月から行ってきた。移植医療体制の抜本的な改革は、1997年の臓器移植法施行後初となる。
移植施設の臓器受け入れ断念問題への対策として、移植希望者がJOTに登録できる施設数を現在の原則1か所から複数にする。施設を選ぶ手がかりにしてもらうため、施設ごとの待機患者数や移植実施数なども公表する。移植後の患者の生存率といった移植成績に関する情報については、関連学会で検討を進めるとして結論を持ち越した。
臓器のあっせん業務を単独で担っているJOTから、臓器提供者(ドナー)家族への臓器提供についての説明や同意取得などを切り離し、臓器提供施設により近い法人に委ねる。委員からは「あっせん業務をスムーズに移行するための司令塔が必要」などの意見が出た。
臓器提供の経験が浅い施設を支援する拠点施設を大阪府や北関東、甲信越などに設置する。
また、厚労省は同日、9月に公表した臓器受け入れ断念の実態調査結果について集計を見直し、2023年に院内態勢が整わないことを理由として臓器の受け入れを断念したのは25施設から26施設に、移植が見送られた患者数は、のべ509人から803人に訂正すると発表した。