医療ニュース 2024.11.13

大正製薬サプリでステマ認定、「PR」と明記せずインフルエンサーのインスタを自社サイトに転載

 個人の感想を装って商品を宣伝するステルスマーケティング(ステマ)を行ったとして、消費者庁は13日、製薬大手「大正製薬」(東京都豊島区)に景品表示法違反で再発防止を求める措置命令を出した。昨年10月の規制開始以降、健康食品を巡るステマの認定は初。

 発表によると、大正製薬は今年4~5月、アンチエイジング効果をうたうサプリメント「NMN taisho」について、インフルエンサー3人にインスタグラムでの宣伝を依頼。その投稿を自社オンラインショップに転載した際、「広告」や「PR」などサプリの宣伝と判断できる記載をせず、閲覧者に第三者の感想と誤認させる表示をした。

 3人のフォロワーは、それぞれ1~3万人ほどで、「衛生的でとても便利」などと投稿した。報酬はサプリ1箱(30日分、約3万2000円相当)と現金1万円前後だったという。インスタへの投稿は「PR」と表示があり、問題なかった。

 このサプリは、老化を抑える効果があるとして人気で、昨年3月の販売開始から今年4月までの売上高は約4億円に上る。

 大正製薬は取材に「自社サイト内への転載なら、特別な表示がなくても消費者が投稿を広告と判別できると考えてしまった」とした。