医療ニュース 2024.09.25

小学校「7時登校」に保護者「とても助かる」…アンケートで評価の声が大半「安心して朝から働ける」

 大阪府豊中市は24日、市立小学校の全39校で4月に始めた午前7時から児童を受け入れる事業について、利用する保護者へのアンケート結果を明らかにした。共働き世帯を中心に「とても助かる」などと好意的な意見が多く寄せられた一方、登校に保護者の付き添いが必要とされる運用は「不便だ」として改善を求める声が目立った。(長沢勇貴)

 子どもの小学校入学後、登校前や放課後の受け入れ先がなく、親が働きにくくなる問題は「小1の壁」と呼ばれる。

 市は問題解消に向け、保育園並みの午前7時から子どもが登校できる事業を4月に開始。子どもは体育館などで自習や軽い運動をして過ごし、市から委託された民間の見守り員が目を配り、トラブルがあれば市教育委員会に連絡する。事業費は7100万円。

 アンケートは6月、事業の利用登録者791人を対象に実施し、251人(31・7%)が回答した。利用頻度は「1週間に3日以上」が50%と最も多く、「単発で何度か利用した」が42・4%で続いた。

 自由回答では事業を評価する意見が大半を占めた。「昨年度まで登校時間まで校門の前で子どもを並ばせていた」と明かし、「今は安心して朝から働ける」と感謝する声のほか、「事業がなければ勤務形態を変更するしかなく、ありがたい」「シングル(ひとり親)なので生活がかかっている。どうか事業継続をお願いします」などがあった。

 夏休みなど長期休暇中の実施を求める意見も多く、市は「前向きに検討する」としている。

 一方、安全のため親が登校に付き添う運用については、「学校と通勤の経路が反対のため負担」「付き添いは初回だけにしてほしい」などと制度改善を求める声が寄せられた。

 市の担当者は「安全性に配慮しつつ、利用者の声を来年度の事業に反映させるよう議論する」と話した。