医療ニュース 2024.09.09
「甘いカフェイン」摂取、体内時計乱れる恐れ…コーヒー飲料など「いつ飲むのがいいか検討必要」
カフェインと甘味料を加えた水をマウスに与えると体内時計が乱れたとする研究成果を広島大などのチームがまとめた。エナジードリンクやコーヒー飲料には両方の成分を含んでいるものがあり、甘いカフェイン飲料を摂取する時間帯には注意が必要になりそうだ。論文が国際科学誌に掲載された。
茶やコーヒーに含まれるカフェインには、眠気を覚ます効果があるが、1日約24時間の生活リズムを保つ体内時計への影響はよくわかっていなかった。
チームは、一般的なエスプレッソの半分の濃度のカフェイン水▽甘味料も加えたカフェイン水▽通常の水――の3種類を準備。マウスを3グループに分け、それぞれ自由に飲ませて1週間以上観察した。
その結果、甘いカフェイン水のグループは、1日のリズムが26~30時間周期と乱れ、昼夜逆転に陥るケースもあった。摂取をやめると元のリズムに戻ったという。残り2グループに生活リズムの大きな変化は見られなかった。
カフェインと甘味料には、覚醒に関わる脳内物質ドーパミンの分泌を活性化させる働きがあり、何らかの相乗効果が生じている可能性がある。チームの田原優・広島大准教授(時間栄養学)は「カフェインには生活上の利点もある。ただ甘いカフェイン飲料をいつ飲むのがいいのか、詳細な検討が必要だ」と指摘している。
産業技術総合研究所の大石勝隆・食健康機能研究グループ長(時間生物学)の話 「カフェインと甘味料の組み合わせに関する報告は少なく、インパクトのある成果だ。影響の大きさはマウスと人で異なる可能性があり、人での投与試験やメカニズムの解明が望まれる」