医療ニュース 2024.09.04

室内でビアガーデン、冷感グッズが定着…「夏の定番」記録的猛暑で変化

 9月に入っても暑い日が続く。8月は記録的な猛暑となり、涼しい室内で楽しむビアガーデンが人気となるなど、酷暑仕様で夏の過ごし方にも変化が見えた。気象庁は引き続き熱中症への注意を呼びかけており、すっかり定着した冷感グッズはまだ手放せそうにない。(南部さやか、西井遼)

屋外避ける

 冷房の利いた室内の「ビアガーデン」で8月下旬、団体客が笑顔で乾杯していた。関西の飲食店関係者らでつくるグループは毎夏、ANAクラウンプラザホテル大阪(大阪市北区)で100人規模の宴会を開いている。同ホテルのビアガーデンには屋外と室内があり、幹事役の男性(58)は「例年は屋外だが、あまりに暑いので今年は室内にした」と話した。

 8月下旬までに同ホテルのビアガーデンを利用した客は前年同期比の1・3倍。木下智子マーケティングマネージャーは「特に室内が好調。途中で室内に移るグループもいる」と話す。

稼ぎ時伸び悩み

 日本生産性本部(東京)のレジャー白書によると、海水浴客は1985年の約3790万人が最多だが、2022年は約360万人にまで落ち込んでいる。レジャーの多様化やコロナ禍に加え、暑さも影響しているとみられる。

 神戸市の8月の平均気温は30・2度で、記録が残る1897年以降で最も高かった。須磨海水浴場(神戸市須磨区)の海の家で働いていた男性(39)は「稼ぎ時のお盆時期も客足が伸び悩んだ印象。屋内施設に出かけた人が多かったのでは」と話した。

 屋外プールも異常な暑さに苦しんだ。大分市の市民プールでは、7月31日から18日間続けて臨時休業したところもあった。水温が34度を超えた時には熱中症予防で遊泳を中止しているためだ。

冷感グッズ好調

 大阪市では8月、日ごとの最低気温の平均が26・9度だった。各地で寝苦しい夜が多かった。

 ホームセンターのカインズでは、4月から冷感素材の掛け布団や敷きパッドを販売し始め、8月中旬までの売り上げが昨年同期と比べ、それぞれ3割と1割増えた。同社の担当者は「エアコンをつけたまま寝る人が多いこともあり、タオルケットなど薄手のものより掛け布団の需要が上がっているようだ」と説明する。

 冷感グッズの売れ行きも好調だ。梅田ロフト(大阪市北区)では、携帯の小型扇風機や冷やして首に巻き付けるネックリングなどが7月下旬に品薄の状態になった。特に小型扇風機が人気で、7月1日~8月26日の冷感グッズの売上高トップ10はすべて小型扇風機だったという。