医療ニュース 2024.08.16

脳死疑い患者への対応、厚生労働省が全件報告を臓器移植ネットワークに指示…迅速化へ改善図る

 厚生労働省は、臓器あっせん機関の日本臓器移植ネットワーク(JOT)に対し、脳死の可能性のある患者について、医療機関から受けた連絡への対応状況を全て報告するよう指示した。JOTの対応が遅れ、脳死判定を行う医療機関にしわ寄せが生じ、家族にも心身の負担が増しているとの指摘があるためで、実態を把握し、改善を図る。

 厚労省の指針では、脳死の可能性のある患者を確認した医療機関がJOTに連絡する。JOTはコーディネーターを医療機関に派遣し、家族に臓器提供の説明や意思確認を行うとしている。しかし、コーディネーターの不足などで医療機関への派遣が遅れることで、脳死判定を行う時間が後ろにずれ、家族も待たされる事態が医療関係者から指摘されていた。

 厚労省はJOTから、患者の状態など医療機関から寄せられた連絡の内容や、対応の詳細、要した時間について報告を受ける。時間がかかったケースは原因の分析を進め、迅速化に向けた方策の検討を進める。