医療ニュース 2024.08.15
臓器あっせん機関を複数整備…日本臓器移植ネットワークの負担軽減へ厚労省が方針案
脳死下の臓器提供者と移植希望者をつなぐあっせん業務について、厚生労働省は14日、日本臓器移植ネットワーク(JOT)が担う現在の体制を見直し、複数のあっせん機関を整備する方針案を示した。業務集中や人手不足などから、JOTによるあっせんの対応が遅れているとの指摘を受けたもので、体制強化につなげる狙いだ。
方針案は、14日に開かれた臓器移植委員会で提案された。
JOTは現在、眼球を除けば、国内唯一のあっせん機関となっている。脳死の可能性のある患者を確認した医療機関から連絡を受けて、臓器移植コーディネーターを派遣し、家族に臓器提供の説明や意思確認を行う。移植候補者の選定や摘出した臓器の搬送手配にもあたる。
現在29人のコーディネーターが在籍するが、医療機関への派遣や対応の遅れが指摘されていた。
このほか、厚労省は、移植希望者が移植を受ける施設の登録を現行の1か所から、複数できるようにする案も提示した。移植施設の人員や病床の不足などから、臓器の受け入れを断念する事例が相次いでいるためだ。移植を辞退した件数などを施設ごとに公表する方針も示した。