医療ニュース 2024.08.13

「夜通しの暑さが多くの人の生活破壊」最低気温25度超の日、世界的に大幅増…東京は年27日増える

 【ワシントン=冨山優介】米非営利研究機関「クライメート・セントラル」は、地球温暖化の影響で、最低気温が25度を超える日が世界各地で大幅に増えたとする解析結果を発表した。東京では1年間に約27日、大阪で約36日増加したと推定した。夜間も暑さが続くことで、脳卒中や心血管疾患などへのリスクを高めることが懸念されるという。

 同機関は、人間の活動による地球温暖化がなかった場合の各地の気温を想定し、2014~23年の10年間の実測値と比較した。その結果、最低気温が25度を超える日が1年間に14日以上増加していたのは、アフリカやアジアを中心に約50か国・地域で、約24億人が影響を受けたと推定した。

 日本ではほかにも、浜松で約33日、名古屋や神戸で約32日増えるなど、都市部で顕著に増えていた。

 同機関は「気候変動による夜通しの暑さで、多くの人々の生活が破壊されている。化石燃料を燃やすのをやめ、地球の温度がさらに上昇しないようにすることが重要だ」と説明している。

 東京大の井原智彦准教授(環境社会システム学)によると、最低気温が25度以上の「熱帯夜」は睡眠障害の増加にもつながる。井原准教授は「睡眠が困難になると、健康が損なわれるほか、仕事や勉強などへの悪影響も考えられる。きちんと睡眠をとるために、夜にもエアコンを適切に使うなどの対策が必要だ」と話している。