医療ニュース 2024.08.05

スーパーで買い物客倒れ呼吸停止、店員2人で救急隊到着まで心臓マッサージ…「多少の知識があったので何とか対処できた」

 店内で意識を失った買い物客の命を救ったとして、山口市消防本部は4日、市内のスーパー「ザ・ビッグ大内店」に勤める黒畑万寿美さん(54)と竹林克輝さん(22)の2人に感謝状を贈った。予期せぬ場面でも落ち着いて119番や心肺蘇生に当たったといい、2人は「お客さまが助かって本当に良かった」と胸をなで下ろした。

 市消防本部によると、6月22日夜、店内の1階エスカレーター付近で買い物客の男性(90)が突然倒れた。異変に気づいた2人が現場に駆けつけ、直ちに黒畑さんが119番。男性の呼吸が止まったため、救急隊が到着するまで2人で心臓マッサージを続けた。

 2人は店内の一角で市消防本部の酒井健消防長から感謝状を受け取った。黒畑さんは「救急対応に専念できるよう業務をカバーしてくれた同僚に感謝したい」と振り返り、竹林さんは「多少の知識があったので何とか対処できた。後で無事と聞いて安心した」と喜んだ。

 男性は搬送中の救急車内で意識を取り戻し、現在は病院で療養中。酒井消防長は「2人の冷静かつ絶え間ない処置が男性の命を救った」とたたえた。