医療ニュース 2024.07.09
大規模災害時の病院船、25年度中の運用開始目指す方針…当面は民間フェリー活用を想定
政府は9日、大規模災害時に海上で医療行為を行う「病院船」の整備に向けた船舶活用医療推進本部の初会合を首相官邸で開き、2025年度中の運用開始を目指す方針を示した。岸田首相は、年内をめどに整備推進計画案を策定するよう関係閣僚に指示した。
病院船は災害が発生した際、周辺の海上で救護活動をしたり、患者を被災地から離れた病院に移送したりすることで、陸上の医療機能を補完する役割を持つ。政府は当面、民間フェリーを病院船として活用することを想定し、将来的には国による病院船の保有を目指す方針だ。
首相は会合で「海に囲まれた我が国は、海上から被災地にアプローチして医療提供することが有効だ」と述べ、関連予算の確保や海外事例の収集なども指示した。政府は感染症の流行時にも病院船を活用したい考えで、検討を進めていく。