医療ニュース 2024.06.13

知的障害生徒の単独チーム、甲子園地方大会にエントリー…都立青鳥「勇気と希望を与えたい」

 知的障害のある生徒が通う東京都立 青鳥(せいちょう) 特別支援学校(世田谷区)が、今夏の第106回全国高校野球選手権西東京大会に出場登録した。日本高校野球連盟によると、知的障害のある生徒だけの単独チームが公式戦にエントリーするのは、全国でも珍しいという。

 同校は昨年、特別支援学校として初めて都の高野連に加盟を認められ、夏の西東京大会と秋の都大会1次予選に3校連合チームを組んで出場した。今年は1年生6人が入部して部員が計12人に増えたことで、単独でチームを結成できた。

青鳥校教諭の久保田 浩司(ひろし) ・ベースボール部監督(58)は「できるだけ多くの生徒に出場機会をあげたいので、人数がそろったら単独での出場を目指すことに決めていた」と説明。「全国の特別支援学校で『野球をやりたい』と思っている子どもたちへ、勇気と希望を与えるきっかけになってほしい」と願う。

 大会は7月6日に開幕する。6月15日の組み合わせ抽選会に臨む3年生の白子悠樹主将(17)は、「去年の試合は楽しかったけど、(夏、秋ともに初戦で負けて)悔しかった。まずは1勝を目指したい」と意気込んでいる。

 日本高野連は1971年から特別支援学校の地方大会参加を認めている。82年夏の沖縄大会には、耳の不自由な生徒が通っていた沖縄県立北城ろう学校(当時)が出場した。