医療ニュース 2024.04.04

児童虐待の8割、性被害・DVの5割「相談しなかった」…警察庁「被害が潜在化の恐れ」

 児童虐待やドメスティックバイオレンス(DV)などの犯罪被害者の約4割が、警察や家族など誰にも相談をしていない実態が警察庁の調査でわかった。政府は犯罪被害者への支援を強化しており、警察庁は有識者検討会を設けて、対策の見直しを議論している。

 調査は、第4次犯罪被害者等基本計画(2021~25年度)に基づき、被害者が置かれた状況把握のために行われ、インターネットを通じて20歳以上の当事者819人から回答を得た。

 警察庁によると、被害に遭った際に「相談しなかった」人は、児童虐待で84%、性被害で51%、DVで51%に上った。ストーカー行為や交通事故、財産被害などを含む全体では44%だった。

 相談しなかった理由は「相談先がわからなかった」「何もしてくれないと思った」などが多かった。

 一方、被害者の80%は犯罪被害者等給付金や自治体からの見舞金などを受けていなかった。加害者側と損害賠償に関する訴訟や交渉などを行っていない人が88%で、加害者から賠償を受けた人は3%だった。

 警察庁の担当者は「被害が潜在化している恐れがあり、相談窓口の周知を図りたい」としている。