医療ニュース 2024.03.28
京都市ワクチン業務、委託業者の過大請求8億円超…幹部が実働時間水増しを黙認
京都市が事業者に委託した新型コロナウイルスワクチン接種のコールセンター業務で過大請求があった問題で、委託業者の「日本トータルテレマーケティング」(東京)は27日、過大請求の総額は約8億9400万円だったとする最終報告書を公表した。複数の幹部職員が不正を黙認していたことも新たに発覚。同社は全額を市に返還する方針。
同社は2021~23年に市から委託された業務を巡り、オペレーターの人数や実働時間を実際より多く報告し、委託料を市に過大請求していた。同社は問題発覚後、外部の弁護士らによる調査委員会を設置。昨年11月に公表された中間報告では、社員2人が実働時間などについて虚偽の書類を市に提出する 隠蔽 工作を図っていたことが明らかにされた。
調査委は最終報告書で、この社員2人以外にも、別の複数の社員が実働時間の水増しに関与していたとし、一部の幹部はそれを黙認したと指摘。「水増し行為は特別なことではなくなっていた」と批判した。
同社の森真吾社長はこの日の記者会見で、「命と健康を守る公共事業に重大な問題を生じさせた」と謝罪。他の自治体の業務に関する過大請求の有無についても調査を続けるとした。
京都市は1月30日、詐欺容疑で府警に刑事告訴している。