医療ニュース 2024.03.07
発がん性疑いPFAS検出、米軍弾薬庫付近の川などで指針値の最大300倍…市が住民40人に臨時で健康診断
発がん性が疑われる化学物質「 PFAS 」が、広島県東広島市八本松町で国の暫定指針値を超えて検出された問題で、市は6日、周辺の井戸水を飲用している住民に臨時の健康診断を行うと発表した。高垣広徳市長が定例記者会見で明らかにした。
対象は、同地域の14世帯約40人。地域集会場で今月から4月にかけ、通常の健康診断項目に加え、肺や大腸などのがん検診を行う。費用は市が全額負担する。PFASの血中濃度検査は行わない。
検出されたのは米軍川上弾薬庫がある地域。高垣市長はこの日、市からの情報公開の要請に対して、米軍から中国四国防衛局を通して先月27日に回答があったと発表した。県内の米軍施設全体について▽泡消火剤を使用したことがない▽漏出を確認したことがない▽2020年に計8300リットルを処分した▽現在は一切保有していない――との内容で、高垣市長は「川上弾薬庫についての具体的回答がもらえず残念だ。引き続き調査を要請していく」と話している。
同市内では、川上弾薬庫近くの川や水路で国の暫定指針値を上回るPFASが検出され、市が周辺58か所の井戸水を含め、河川や水路など計101か所を検査。これまでに最大で指針値の300倍となる1リットル当たり1万5000ナノ・グラム(ナノは10億分の1)を検出している。